おまけ
ハジメテの異世界恋愛を書き切りました。
終わった……何もかも……。
そんな、どこかのボクシング漫画に出てくる永遠のライバルのようなセリフを呟きつつ、こんにちは。
作者の一布と申します。
本作は、一布のとってハジメテの異世界恋愛作品です。これまでは、現代か、もしくは仮想の現代を舞台にお話を書いていました。かろうじて異世界っぽいものはいくつかありますが、ほぼほぼ悪ふざけなコメディばかりです。
ので、正確に言うなら、ハジメテのシリアス系異世界恋愛モノといったところでしょうか。
正直なところ、かなり苦労しました。なにぶん、ほぼほぼ異世界○貞 (おい)
右も左も分らず、なんなら前も後も分りません。
どうすればいいの!? 誰か教えてヘルプミー!――などと考えながら世界観について思考しました。
とりあえず、イメージは中性ヨーロッパあたりかな、とか。
やっぱりみんな早熟だから、結婚年齢も早いだろう、とか。
貴族って現代に例えるとどれくらい裕福なんだろう、とか。
そんな些細な疑問を頭に巡らせ。
そこから、なんか変な方向に思考が進み。
そういえば、避妊って概念はあるのかな、とか。
やっぱ、裕福な家は一夫多妻なのかな、とか。
逆に、一妻多夫なんてあるのかな、とか。
王族は、一体どれだけの妻や夫をはべらせているんだろう、とか。
ハーレムに囲まれる生活をしたいなぁ、とか←
どうでもいい方向に逸れる思考と流れ込んでくる妄想をなんとか真面目な方向に戻し、どうにか世界観を作り上げました。
まあ、大雑把に書くと下記みたいな感じです。
舞台は王国。政治は王族が司り、そのサポートを有力貴族が務めている。現代日本のイメージでいうなら、天皇が王族で、世襲制で政治を司っている。他の行政機関や司法機関、立法機関を貴族が行なう。
そんな感じでしょうか。
簡単な国の体制ができると、割と他の部分は芋蔓式にイメージができてきました。
ちなみに、魔法という概念を入れる案もあったのですが、没にしました。
理由? リアリティのある魔法の案が出なかったから(笑)
さらに、恋愛なんだから魔法は別にいらねーじゃん、と(・∀・)
そんなこんなで世界観を作り上げ、恋愛要素はどうやって入れようかと考えていたときに、ふと思いました。
結婚した二人が恋愛してもよくね?――と。
いや、それが不倫なら倫理的にはアウトですけど。でも、恋愛感情なく始まった結婚なら、結婚後に恋愛感情が生まれても不思議じゃないよな、と。
恋愛感情なく始まる結婚といえば、見合いか政略結婚。んじゃ、せっかく異世界なんだから、政略結婚でいくか。そんな適当な発想から、ヒロインのエーリカが生まれました。
では、もう一人の主人公はどうするか。政略結婚でも見合いでもなく、恋愛感情なしに結婚するパターン。いっそ、ただ自分の家柄を捨てたいから結婚とかどうだろう。アンリ君が生まれた理由は、これまたこんな適当な発想からでした。
世界観を考えるのは非常に苦労しましたが、登場人物達については、適当に考えていたら適度な感じで生まれてくれました。エーリカもアンリも超安産です。なんなら、分娩台に乗ってものの数分でスルッと産まれた感じです。
エーリカは、出産の苦痛を「鼻からスイカを出すほど痛い」と表現していましたが、アンリとエーリカは鼻くそを深追いする程度の苦労で産まれてくれました。
ええ子達や(※エセ関西弁)
・・・と、まあ。
ここまで、本作を書くうえでの苦労だの安産の話だのをしましたが、結果的に、非常に楽しんで書けました。
実は、ラストは少し悩んでいたのです。アンリとエーリカが別れるパターンのラストも、実は用意していました。エーリカはアンリが死んだと思っていて、ジョシュアと・・・みたいな。でも、アンリはエーリカを愛している。自分以上に大切なものを見つけてしまったアンリは、その大切なものを失って・・・みたいな。
でも、この二人はやっぱりハッピーエンドがいいかなぁということで、こんなラストになりました。
とにもかくにも、苦労しながらも楽しく書けたので、またアイデアが浮かんだら異世界恋愛を書いてみたいな、とか思っています。
そのときは、もっとドロドロなヤツを書いてみようか。メッサリーナ(※)みたいな女を主人公にした話とか。
※第四代ローマ皇帝クラウディウスの皇妃。悪評ハンパない。
さて。ここまで本作とか書きたいこととか記してきましたが、ちょっとだけ本編の裏話。
エーリカがジョシュアに口説かれた経緯です。
発端はイヴァン。彼は戦争でのアンリの活躍を聞いて、まず驚きました。あの無能がそんな活躍を、と。同時に、危機感を抱きました。戦争から帰還したら、自分が王位を継承する障害になる、と。ここまでは本編通り。
その後、イヴァンは考えます。「怠惰な第七王子」などと呼ばれるアンリが、なぜそこまで変わったのか。そのキッカケを考えたとき、エーリカや娘の存在だと思い当たりました。つまり、エーリカや娘を奪えば、例え戦争から帰還しても、元通りの「怠惰な第七王子」になると考えたわけです。
そこでイヴァンは、王族と繋がりの強い貴族の中でもトップレベルのイケメン、ジョシュア君に声を掛けます。
「弟のアンリが、戦争で命を落としたかも知れない。妻も子もいるのに。せめて、弟が安心して安らかに眠れるように、妻や子を幸せにしてくれないか?」
ジョシュア君はすぐには返答せず、まずはエーリカと話すことを望みました。イヴァンからエーリカの家柄のことなどを聞き、イヴァンの王位就任パーティに出ることも聞かされました。
ちなみにジョシュア君は、イケメンだけに肉食系女子に狙われがちです。ので、自分から口説いてくる女の人が苦手です。自分から追いかけ、口説きたいタイプです。
そんなジョシュア君ですが、エーリカをひと目見た瞬間に心を奪われました。一目惚れです。もし漫画だったら、「ズギューン!」という効果音とともにハートが打ち抜かれています。
ジョシュア君の目の前で、美貌のエーリカは、色んな男に口説かれます。エーリカは、夫の名を出して誘いを断ります。
亡くなっている可能性が高い夫を、それでも愛し続ける。そんなエーリカの姿に、またしてもジョシュア君は「ズギューン!」です。なんなら、ハートに二本くらい矢が刺さってます。「ズギューン! ズギューン!」です。
そんな感じでエーリカを口説いたジョシュア君ですが、まあ、本編通り。撃沈しました。
この結果には、イヴァン君もがっかりでした。
結果的に、アンリがイヴァンの地位を貶めることはないので、イヴァンにとっては結果オーライなんですが。
・・・と、まあ。
こんな隠れエピソードもあるので、本作は当初、長編(10万字以上)で考えていました。
まあ、現在の一布の私的な事情で長編を書くのが難しそうだったんで、没にしたんですが(・∀・)
もしまた一布の異世界恋愛を見かけたら、そのときもお付合いいただけると嬉しいです。
異世界恋愛に限らず、とにかくお付合いいただけると嬉しいです(・∀・)本音❤
ではでは。
最後までお付合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m