入り口
「あれっ?こんな所で何してるの?」
「!?ななな、何ですか!?」
私たちは…この日…運命の出会いってのをしたのだと思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜
『キーンコーンカーンコーン…』
『ガラガラガラッ!』
「あぶね〜!セーフだよね!野田っち!?」
「沢田さん…チャイムがもう鳴り終えたからセーフじゃないです。遅刻です」
「えー!?ケチー!!ちょとくらいいいじゃん野田っちー!」
「ダメです!あと先生のことを野田っちと呼ぶのはやめなさい」
「も〜お堅いんだから」
「あとねぇ…なんでいつもパーカーを制服の上に着ているのかなぁ?」
「え〜?だって学校指定のジャケット重いしダサいし」
「あなたねぇ…とりあえず座りなさい。朝礼始めるから」
「はーい!」
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終礼終了時
「さよなら〜」
「はい、さようなら。各教科の課題をしっかりやるように」
「あ“〜疲れたぁ〜」
「アカリ〜。女が出しちゃいけない声出してるよ〜」
「いいじゃん〜サクラ〜ここ女子高だし」
「まぁね」
「というかさ、駅前のタピオカ屋新しいメニューになってなかった?」
「え、まじ?じゃあ帰り寄って行こう」
「うんうん!行く行く!」
「残念だけど沢田さんはそれには行けないよ?」
「…え?」
「あなた、実は今日で遅刻10回目なのよね〜?何があるかわかるよね?」
「は…反省文…?」
「正解。ということで沢田さんは原稿用紙5枚分反省文を書き終えるまで帰れません」
「えぇ〜〜〜!?」
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『チッチッチッ…』
「あ〜もう!書けるわけないじゃん!こんなに沢山!」
「普段から遅刻するのが悪いのよ…あともう一つ言っておくけどあと2回パーカーで
登校したら今日と同じ反省文5枚だから」
「え〜!?いいじゃんそんくらい〜!」
「ダメです!というか早く反省文書き終えてくれない!?私も早く職員室に戻って仕事したいんだけど!」
「え〜?別に戻っていいんですよ〜?」
「監視してないと沢田さん逃げ出すでしょ!?だから無理なのよ!」
『ガラガラガラッ』
すると事務員の人がドアを開けた
「すみません。野田先生に急用のお電話と」
「えっ!?早く向かわなきゃ!あっ…でも監視しないと…太田さん、ちょっとこの子のこと
監視できる?」
「ちょっと厳しいですね。僕も別の急ぎの仕事があるので」
「えぇー!?ど、どうしよう…」
「行った方がいいですよ〜?それにこう見えて私結構真面目ですから?ちゃんと先生がいなくても真面目に反省文を書き続けてますよ?」
「どこがよ!?」
「酷いですね〜生徒を信用するのも大事ですよ〜?」
「あぁ〜。もう!絶対逃げ出さないこと!もし逃げ出したら反省文プラス5枚だからね!?」
「オッケーで〜す」
『タッタッタッ…』
〜〜〜〜〜〜〜〜
「行ったかな〜?よし、逃げるなと言われて逃げない奴はいないっしょ!」
アカリはカバンに荷物を詰め込み教室から出た。
「ふふん。脱走成功〜」
『タッタッタッ…』
「やべっ!誰か来た…!?早く逃げないと…!」
と言ってアカリは階段を駆け上がった
「ふ〜。ここまでこれば大丈夫っしょ」
『カチカチ…カチカチ…』
「ん?なんか聞こえる…?こっちかな?」
アカリはそのまま階段を上がり屋上の入り口に辿り着いた。
するとそこには
「よし…いける…!」
床に座り込んでゲームをしている子がいた。
「そこっ…!よしっ…!やっとクリアできた〜…」
「あれっ?こんなところで何してるの?」
はユイに声をかけた。
「!?ななな、何ですか!?」
突然声をかけられびっくりしたのか少し大きい声で返事をした。
「いや、別に驚かせるつもりはなかったんだよ?」
「あ…いえ…大きな声を出してしまってすいません…」
「いやいや謝らないで?それよりさ、君の名前はなんて言うの?」
「えっと…私は…その…あの…さ、長沢です。」
「長沢…あっ!うちのクラスの長沢ね!」
「覚えてたんですね…」
「まぁね。でも、なんかいっつも休み時間教室にいないからどこにいるんだろうって思ってたけど、まさかここでゲームしてるとはね」
「あ…えっと…そ、それは…」
「というか!そんなことより、ちょっと隠れさせて!」
「え……?」
〜〜〜〜〜〜〜〜
「沢田さぁ〜ん?一体どこに行ったのかなぁ〜?」
野田先生は屋上の入り口に上がってきた
「ん?長沢。何でこんなところにいるの?」
「今日、少し鍵を忘れちゃって…お母さんが帰ってくるまで学校で暇を潰そうかなと…」
「あら、そうなの。それより沢田さん見なかった?」
「い、いえ!?み、見てませんよ!」
「本当かしらねぇ…?まあいいわ。とりあえず沢田さんに会ったら野田先生があなたのこと呼んでるって言っておいて」
「わ…わかりました…!」
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「行った?」
「は、はい…」
「ふぅ〜…助かった〜…長沢ありがと〜!もう最高〜!」
と言ってアカリはユイに抱きついた
「あ……え……!?」
「本当にありがとう!長沢大好き!」
「えっ…!?」
「おっ?顔真っ赤っかだけど?熱でもあんの?大丈夫?」
「だ、大丈夫です!で、では私は!」
「ちょ!待って!まだお礼できてないじゃん!」
「お、お構いなく!」
と言ってユイは高速で学校から出た
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その頃野田先生は…
「はぁ……結局見つからなかったなぁ……」
とため息混じりに呟いた。
「明日、とんでもないくらい反省文書かせてやるからな〜!」
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その日の夜…長沢家では
「…」
(沢田さんに抱きつかれた時…すっごいドキドキした…)
(もう…女の子を好きにならないって決めたのに…)
「でも…もう一度だけ…恋をしても…」
「いやっ!ダメダメ!!きっと沢田さん…あんな感じだから彼氏とかいるだろうし…!何考えてるの…!」
「はぁ…」
誤字脱字等ありましたら教えて下さい。泣いて喜びます。