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滅びが降る

作者: 歌川 詩季

 学校の授業で、聖書を勉強しました。

 平和ぼけした長閑(のどか)さに安穏(あんのん)としてんなよ

 心無い悪意が白旗も紅く染めてゆく

 撃ち放たれた銃弾は見送るしか(すべ)はないのさ

 途方に暮れる僕らを尻目に悲劇の幕があく


 教訓たる前例も 繰り返す運命に

 勝てないとしたら歴史は 積み重ねるたびに罪深い


 イカヅチ イカヅチ 滅びを降らせろ

 大地は裂けて 海は逆巻く

 イカヅチ イカヅチ (けが)れを(はら)えば

 瓦礫の山に新たな種が()かれるのか



 平和ぼけした呑気さに危機感を覚えるよ

 心地よい善意を平然と逆手にとるんだ

 解き放たれる銃弾を食い止める抑止力たれ

 遠巻きにする彼らを横目に悲劇は第二幕


 賢明たる暴君か 愚かなる英雄か

 選べるとしても歴史は 積み重なるごとに(ごう)深い


 イカヅチ イカヅチ 滅びを降らせろ

 街は()かれて 故国(くに)を失くした

 イカヅチ イカヅチ (けが)れを落とせば

 焦土(しょうど)(その)に無垢なる花は咲かせるのか

 お話として、面白いですよね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 賢明だと思い違いした暴君、怖いです。 天災も忘れた頃にやってきます。注意しましょう。
[一言] 『賢明たる暴君か 愚かなる英雄か』 選択肢がこれしかないのか、と思いつつ(笑) 選ぶなら前者かな、と。 英雄が存在する以上、 必ず禍根が産まれるのだから。 誰もが恨みを産むことのない戦争な…
[一言] 「賢明たる暴君」と「愚かなる英雄」のワーディングが刺さります。 何故人類は同じ過ちを繰り返してしまうのか。 新たな種も、無垢なる花も、すべてを壊さなければ生まれないものでもないでしょうに。 …
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