表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/22

第0話 王子の秘密

連載初挑戦になります。

既に完結まで書き終わっていて20話程度の内容です。お付き合いいただければと思います。

「今まで隠してきて申し訳なかった。僕はずっと昔からローズの事を知っていたんだ」


 ドルン様が私に謝ってきた。


「昔から……ですか?」


 私がドルン様と初めて出会ったのは、かれこれ2ヶ月くらい前のことになる。

 思えば遠くにきたものだけど、そのドルン様が私の事をずっと前から知っていた?


「それも、ただ知っていたのとは違う。キミの境遇、どんな人なのか。それを初めて会う前から知っていたんだよ」


「……私、王族同士のパーティとかに参加した記憶がありません。人違いとかではないのですか?」


 もともと、国では腫れ物扱いされていた私だ。当然、王族同士の交流になど出たことがない。

 だから、ドルン様の勘違いだと思ったんだけど、ドルン様は首を振る。


「いや、間違いなくキミのことだよ」


 そして、ドルン様は私に優しく問いかけた。


「ローズ。キミは前世の存在を信じるかい?」


「前世ですか?」


 もちろん言葉としてはわかる。けど、それを信じているかと言われれば信じていない。


「僕は信じている」


 ドルン様は確信するように言う。


「なぜならば、僕には、前世の記憶があるのだから」


「えっ?」



「前世の僕はどこにでもいる普通の男だった」


 ドルン様は懐かしむように目をつぶった。


「当時の僕は、何をするにもうまくいかなくてね。物語の世界に逃げ込んでいたんだよ」


「そんな……ドルン様が……?」


 いつも私を引っ張ってくれた。いつも助けてくれた。今のドルン様からは全然信じられない。


「その中でも僕が好きだったお話があった。その名前は、『呪われ姫と茨の魔法』だ」


「呪われ……姫?」


 呪われ姫は私がいつも言われてきた言葉だ。


「そう、僕はキミを知っていた。ずっと前から知っていた。だって前世で大好きだった物語の登場人物だったんだから」


 私が本の登場人物?嘘のような話だった。。

 しかし、どこか納得がいった。これまでのドルン様を振り返ると、それくらいでもおかしくない。


 私は思い返す。

 私がドルン様に初めて出会った、私の運命を変えた、あの夜のことを。


お読みいただきありがとうございます。

プロローグになります。

1話は今日の17時頃投稿になっています。よろしければブックマークで追っていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ