84 ◇ルームツアー5
子供たちは時折、私と神谷さんが話してるところへ来たりしたけれど、
基本思ったよりもずっと大人しく、それぞれで持ってきていた玩具で遊ん
でくれていた。
昼食にする前に、折角だからみんなでできるゲームをすることにした。
この日のために──
折角ちびっ子たちを招待するのだから、絶対楽しい時間にしたいと
思っていて、準備していゲームがあった。
「みんなぁ~、お利口さんだったねぇ~。
ご褒美に、今から香ちゃんとゲームしよっ」
「「「ゲーム? どんな? 」」」
私はベッドの下に隠しておいた『黒ひげ危機一発』という樽にナイフを
突き刺していく玩具の樽を子供たちの前に持ち出した。
3人とも興味深々だ。
「ナイフを刺して黒ひげのお人形がびょーんって飛んでっちゃったら
ペコちゃんの飴とチョコが貰えまぁ~す。
さぁ、みんな頑張ってね」
単純で小さな子供でも簡単にできて、ものすごく弾けられるいい
玩具なのよ。
予想通り、わいわい、盛り上がりましたとさ。
私は子供たちの楽し気な様子が見られてほっこり、幸せ気分。
神谷さんの表情も明るく、よかったなと思った。
さてさて、このゲームが一段落したらっと、ランチでおもてなしだわ。
◇ ◇ ◇ ◇
ここには大きなテーブルも人数分の椅子もない。
そして子供たちはまだ小さい。
だから今日のおもてなしには、手軽に手にとって一口二口でポポいのぽいって食べられるようにと、準備してあった。
子供サイズに小さくカットしてあるサンドイッチ、と小さく丸めた
数種類のおにぎりアンドお茶。
そして神谷さんには、お味噌汁とコーヒーを。
ご飯のほうは炊き込みをご用意した。
神谷さんと雨汰くんにテーブルセットを使ってもらい、私たちはベッドに
3人で座り、折り畳み式の作業台を出してそれをテーブルにした。
こういうの、狭いながらも楽しい我が家? っていうのかしら。
普段公園以外、他所のお家に行くこともなさそうな子供たちは
とっても楽しそうに見えた。
「子供たちが楽しそうでよかったです。
こ~んなせっまい部屋ですけどね、ご招待した甲斐がありました」
「僕たち、あっ、亡くなった家内と僕のことですが、実は僕のほうの
父親から結婚を反対されてまして、まぁその後は推して知るべしです」
「それじゃあ今も、雨汰くんたちもおじいさん、おばあさんとの交流が
ないんですね? 」
「ですから、香さんの家にお呼ばれして興奮してますね」
「神谷さんのお家は広いから、よけい物珍しいでしょうしね」
「香さんの狭い我が家を有効に機能的に使う能力はすごいですよ。
僕もルームツアーに感激しました」
「それはそれは、お褒めの言葉、ありがとうございます。
まぁ、時期を見てもう少し広い所へ移るつもりにはしてるんですけどモ。
それまではなるべく荷物を増やさないようにしないとって」
「そうですか……」




