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『あなたに恋しました !』 ――最後は君を好きになる――    作者: 設楽理沙


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78/101

78 ◇ 気になる




 思うところはあるものの、私は病気がほとんど治ってることに

感謝の気持ちで一杯になった。


 一生病気と付き合っていかなくちゃならなくて

仕事もできなくて

この先もずっと無収入が確定的でっていう(ふうな)


そんな状況であんな風に離婚を突き付けられていたら、私は立ち直れない

くらい凹んだんじゃないだろうか。


 でも恨む気持ちはあまりないかな。

 

 康之さんが私のことなど少しも愛してないってことを知ることが

できてよかったと思ってる。


 身体が回復したら芽衣ちゃんたちに会いたいなー。

 早く元気、取り戻して家探ししなきゃね。


『私、今は諸事情でお宅へはしばらく行けません』

なんてメールで連絡するのも憚られたので、早く会いに行かないと

もう来ないのかと思った、なんて言われかねないので、実家に戻って

3日目から必死で家探しを始めた。




          ◇ ◇ ◇ ◇



 はて?

 彼女が──

香さんがバッタリと我が家に押しかけてこなくなった。



 気がつくと毎日子供たちと同じように待ち焦がれている自分に気付いて

俺は嗤ってしまった。 


 どうしたのだろう?

 俺たちとの関わりごっこに飽きてしまったのか?  

 それとも病気だとか? 



 連絡しようと思えば簡単にできるのに、できない。

 

 できないだろう?

 ふつう。


 どうして来ないんですか? は、どうして俺たちの世話を焼きに

来ないのか? というようなものだからだ。



 待つしかないのは分かってるけど、いつまで待てばいいのかが

分からないのが辛いんだよなぁ~。


 何度見ても来ないメールを……

 スマホが鳴る音を……


俺は待ち続けた。 



『明日、伺います。

 ご在宅ですか? 』



 キター!


 彼女がバタッと我が家に来なくなって10日余り。


 俺は勝手に口角が上がる口元を普通の表情に戻すのに苦労しながら

返事をした。



『待ちくたびれました』

 恨みがましい返事をにやけた顔で返した。


『ごめんなさぁ~い。

 これからは嫌というほどお宅にお邪魔させていただきますから

お許しあそばせ! 』



 翌日、彼女は朝の7時に現れた。

 君は確か人妻のはず。


 いや、きちんと尋ねたことはなかったけれど。


 旦那をほっぽっといていいのかよ。



「おはようございます。おじゃましまぁ~す」


 彼女は早速(さっそく)我が家のリビングダイニングに立ち、朝食の

支度を始めた。


「ありがとう。だけどこんなに早くじゃなくてもいいよ。

 旦那ほっぽっといたら離婚されちまうぞ」



「えーっ、神谷さんて──名字の通り"神"だねっ」


「はぁ~? 」




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