64 ◇ Mail
楽しい一日を過ごして浮かれていたけれど翌日から連続して、彼らが
公園に姿を現すことはなかった。
彼には彼の都合もあるだろうしと、私は辛抱強く週末まで自分から連絡を
取らずにいた。
けれど、流石に週末になるとそんな気遣いなどしていられなくなり
私は思い切って神谷さんにメールを入れてみることにした。
返事はすぐには来なかった。
2時間ほどして、返信があった。
『次はいつ頃来ますか? 』
『分かりません』
これだけ?
分かりませんって、どいうこと?
『何かありました? 』
『取り込み中なので、何度もメールしてくるの止めてくださいよ』
『いや、気になりますから理由教えてください』
『取り込み中は、取り込み中なんですよ、じゃあ』
神谷さんが素直な性格じゃないことを知ってる私は、突っ込んで
聞かずにはいられなかった。
おかしい、何かおかしい……。
『家、教えてください。子供たちに会いに行きますから』
『あなた強引な人だな……』
『子供たちに何かあったんじゃないんですか? 』
『どうもありませんよ! 』
あったのは、俺だよ。
神谷は呟くのだった。
『早く家、教えて下さい』
◇ ◇ ◇ ◇
神谷の自宅は案外と公園から近く、住所と簡単な道順の説明書きが届いた。
住宅の少ない所に住んでいたため、すぐに家は見つかった。
駐車場も2台分あって、助かった。
私はインターホンを鳴らさず玄関ドアを開けた。
入ってすぐに玄関から見えた光景──。
子供たちが揉めていて下の子麦ちゃんは泣いているのに肝心の父親の姿が
見えず、私はそのまま部屋に上がり廊下を突き進んだ。
洋室になっている部屋に入るとソファの上で横になっている
神谷さんの姿が目に入った。
「調子悪いんですか? 」
「いや、ちょっとね」
彼は見るからに具合が悪そうだった。
「カオリちゃん、お腹すいてンの、わたし」
私を見た茉芽ちゃんがすぐに訴えて来た。
「麦くんもお腹すいてる? 」
私が麦くんに聞くと──
「おなか、チュイタぁ~ぁぁ~」
泣いてた麦くんがしっかりと教えてくれた。
「よぉ~し、茉芽ちゃん麦ちゃん、香ちゃんがおいしいの作ったげるね。
ちょっと待っててぇ~」
急いでお米を研いでご飯を炊くことに。
ご飯が出来上がるまでの間、泣いてた麦くんを抱っこして私は
子供たちの遊び相手をした。
ご飯が炊きあがるや否や、神谷さんにはおかゆを……
子供たちには玉ねぎと卵、それにベーコンがあったので手早くピラフを
作った。
「神谷さん、あまり寝れてないんじゃないですか?
おかゆ食べたら、ゆっくり眠ってください。
ちょっと早いですけど、子供たちはお風呂に入れておきますから……」




