❖61 ◇ お姉さんなんだよっ、なにか?
自分たちが公園に来る日を知りたがっていた亀卦川香。
昨日、メルアド交換の際に名前も聞いていた。
神谷は今日も公園へ来ていた。
しかし、ああは約束したものの毎日自分たちがここに来るからと
いって、馬鹿正直にその都度連絡をしていいものか、神谷は迷った。
それでなんとなく、今日来ることはメール連絡しなかったのだ。
まぁ、遠慮してしまった? のかな。
遠慮などしなくてもいい相手に見えはしたが、まだお互いのことをことを
よく知らない内になんでもかんでも相手の好意に全面的に甘えるのもいかがなものかと、そう神谷は考えた。
正直3人、遊ばせるのはしんどいものがある。
こだわりの強いところがある雨汰が、癇癪を起したりしなければ
そうでもないのだが。
雨汰に手を取られると麦のことまで、手が回らず3才の茉芽を
頼っている状況。
頼れるのは茉芽しかいない。
茉芽……哀れ。
いつも思ってるさ、3才児を頼るなんてどうかしてるって。
他所の親御さんに笑われそうだ。
しっかりしてるったって、高校生がしっかりしてるのとは訳が違うンだ。
3才だ……3才児だ、まったく。
雨汰よ、マイペースに生きるな、もっと俺のことも考えろ。
そんな埒もないことをいつも悩み事で詰まってる脳みそでヘタレている
俺の元に……。
「見ぃーつけたっ♪ メールなかったから駄目もとで来てみました」
「あぁ、いやまぁ、昨日の今日ですからね……ちょっと」
「あの、茉芽ちゃんや麦くんと遊んでもいいですか? 」
『いいともー!』
「はぁ、もちろん。ご迷惑でなければ」
「プッ、どうしちゃったんですかぁ~。
なんか昨日とは打って変わって殊勝なその態度っ」
「はぁ~、社会人として、当然の社交辞令ですよっ」フンツ
「ふふっ。まぁ~めちゃん、お姉さんと遊ぼっか」
クリクリお目目をきらきらさせて茉芽ちゃんは私を見上げた。
「はぁ~い」
可愛いお返事をしてくれた。 きゃわいぃっ。
可愛い返事に気を良くしたものの、何やら嫌な雑音が聞こえてきた。
「プッ、お姉さんって……オネエサンって」
一瞬発した主の神谷さんをねめつけてから私は手荷物をその辺の長椅子に
置いて──
今自転車に乗って出発進行した茉芽ちゃんの後を、その辺をチョロチョロしていた麦くんを抱き上げて一緒に追いかけた。
「きゃっほー、麦くん、ぴゅーんって走ろうね」
麦くんも走りたかったみたいで、すぐに私の腕の中からすり抜けて
茉芽ちゃんの後を追って行った。
AI自作オリジナルイラスト画像




