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『あなたに恋しました !』 ――最後は君を好きになる――    作者: 設楽理沙


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51 ◇一夜限りのアバンチュール



 

 12月24日、クリスマスイブ……。

 

 久しぶりに皆で繰り出す飲み会に参加した。 


 知世は事実婚とはいえ、夫の緒方がいるというのに24日イブの日にあった職場の飲み会に参加した。


 それは毎年、職場では彼氏彼女とイブを過ごせない人たちの慰め合う会

と銘打って開かれている。


 

 緒方とは例年25日は待ち合わせてディナーを楽しむのを定番としていた

が、今年は緒方のたっての希望でお家クリスマスをすることになっていた。


 知世にすれば、とうとう年に一度のクリスマスディナーもなくなり、

本当に来年も一緒にいられるのかどうかと、今後の行く末を危ぶんで

いた。


 まぁ、そんなわけで毎年イブは職場のメンバーと楽しむことにしていた。

 年に一度の行事だし、表向き彼氏のいない独身だし、毎年参加してきた。


 今年は久々に亀卦川が参加していて驚いた。

 やはりガキさんの言ってたことは本当なのかもしれない。


 しかし、イブの夜を病身の妻の側で過ごさないなんて。

 何て冷たいヤツなんだ。


 そう辛辣な感想を吐き出しつつ、知世もまた手頃な職場関係の男との

会話と酒を楽しんだ。



  

 原口知世は広くてどちらかというと四角っぽい額と、細くて目尻の

下がった独特の風貌をしていた。


 仕事は主にメイクとヘアーを専門にやっていて、結構人気のメイクアップアーティストで業界ではその名を知られていたのと、魅力的な話術も備えており──


夜の街に繰り出しても誰彼となく声が掛かり、ぼっちになって暇を持て余す

ということはほとんど皆無だった。




 ただ、そんな知世の立ち位置と容貌、そして周りがモデルだったり

その業界の洗練された人間ばかりなのとで、これまでもLove Affairを

楽しめるような機会はあまりなかった。


 だが、今回のイブは少し違っていた。




 実は最近やさぐれていた知世は、皆イブで浮かれその場を楽しんでいる中、

前から仲の良かった松浦と酒を飲むうちに、このまま松浦と一夜限りの後腐

れのないアバンチュールを楽しんでもいいと思うくらい、いい按配に酔い、

気分が上昇していたのだった。




 松浦が最近新しく開拓したちょっとした隠れ家的な店を見つけたと

話を振ってきたとき──


その時の様子が何となく、自分が『どこ?行ってみたい~』と彼に言うのを伺っているようにも取れたから。




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