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『あなたに恋しました !』 ――最後は君を好きになる――    作者: 設楽理沙


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47 ◇原口知世




 ── 時を少し遡り──


香が病気になって少しした時期でひまわりが今を盛りと咲き誇っていた頃の

こと ~葉月




 メイクアップアーティストの原口知世が最初に新垣桂子が康之に弁当を

持ってきたのを知ったのは8月に入ってからだった。


 ガキさんこと新垣桂子と亀卦川がふたりでお昼に休憩室に入るところを

見ていたのだった。


 珍しく亀卦川も弁当を持って来ているのか? と思っていたのだが

たまたま外での食事を終えて休憩室に寄るとちょうどガキさんが

弁当箱をカバンにしまう所だった。


 彼女はいつものサイズの弁当箱と少し大きめの弁当箱を手にしていた。 


 もしかして亀卦川くんの分?  そう思ったのだがいちいち訊くのも

憚られたし、まぁそういう日もあるかもねと、あまり気にしていなかった。


 ガキさんは、ほとんど毎日弁当を持参してくるので外食派の自分は、気ま

ぐれに弁当を作った時にのみ、ガキさんと一緒に昼食を摂ることがある。


 ある撮影日のこと──。



 亀卦川くんと松浦くん、二人同時の撮りで昼食の時間を挟んでの撮影に

なった。


 そしてこの日、珍しく亀卦川くんがお弁当を持ってきてると言う。


 


いつもなら3人で外食というのが定番なので、


 「お疲れさま。

  お昼食べて午後からパワフルに行きましょっ。

 ところで今日はっていうか、今日もなんだけど何食べに行きます?」


 私はふたりに向けて聞いた。



「あっ、俺弁当だから。  

 しばらくは昼、弁当になりそうなんだわ」


「愛妻弁当かぁ~!

  奥さんが料理上手っていいよな。

 外食より断然、栄養バランスいいしな」



「あら?

 それなら松浦くんも奥さんに作ってもらえばいいじゃない。

 ……ってそうなったら、もう一緒に外食行けなくなって淋しいーけどさ」


「あー、俺ン家はダメ。

 奥さん性格いいし掃除もばっちりでセンスもいいから、自宅は寛げて

いい感じなんだけど、料理がいまいちっていうか。

 まあ、それなりには作れるんだけども。

 共働きだし、そこを押してまで毎日弁当作りするほどは、料理に

情熱傾けられないと思う」



「分かるぅ~。

 その微妙なライン。

 共働きなら尚更ね」


 私と松浦くんの会話にただ聞いていただけで入って来なかった

亀卦川くんは、適当なところでその場を離れて行った。



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