40 ◇接近
果てしなくと思わせるほどの広大な敷地の中にある
滑り台やブランコなどの遊具。
椅子、テーブルセットもまばらにあちこち数か所設置されている。
子供連れじゃなくても、ふらりと訪れやすい雰囲気の公園だ。
自分の個室がなく家族が大勢いて自分だけの空間を持てない
人だったり、
悲しみを癒す為に近くに人気がない場所を欲している
人だったり、
喧騒から逃れて静かな時を欲している人だったり、
孤独を忘れられる場所を欲している人だったり、
そんな人たちにとって静かな時を過ごせる場所でもあり、
少し子供たちのいる場所に近づけば人の気配を感じられる場所でもあり、
何者にも追い立てられもせず、ほっとできる場所。
そんな場所に、ぽっと一点、にぎにぎしている場所があって
私はその場所を目指して歩いた。
神谷さんは相変わらず孤軍奮闘していた。
私はちょうど彼の子供たちの側にある椅子に座った。
手持ち無沙汰にならないよう、文庫本を取り出して。
飲み物をそれとなく、飲んでみたりしつつ、彼らの動向を伺った。
周りの様子はというと、長ぁ~いローラー付の滑り台を楽しんでいる親子
連れ2組と、その向こうでなんとなく散策風に歩いている親子連れがいる。
アスレチック風遊具にも2組の親子連れがいた。
神谷さんたちと私がいる場所にはブランコがあった。
30mほど先には、だだっ広い野球のできるグラウンドが拡がっている。
今座っている場所から見える風景は限られているけれど、こちらの中央
公園内には、いろいろと見ごたえのある景観がまだまだ続いている。
入り口で全体図を見て知ったことなんだけどもね。
樹木で挟まれた散策道、その先には池とか、あるらしい。
時間ができれば、そちらの景観と共に散策を楽しんでみたいと思う。
ひとまずは、自分が今回練ったミッションを何とか遂行しなくちゃね。
一番年長さんこそ、放っておいてもいいのかな? と思うのだけど、神谷
さんの様子を見ていると、真ん中の3才児は放置Playで下の1才児を見ながら
雨汰くんだったかな?この子のことをずっと気にしている風だった。
それでやっぱり放置されてフリーな真ん中の女の子で名前確か茉芽ちゃん
だったよね?
その茉芽ちゃんが私のことを構いにトコトコやって来た。
『ほっほう~、出足好調じゃんっ!』
「何見てルの?」
「あぁ、これ? 小さいけど、本なのよ。ふふっ。中見せてあげようか?」
可愛く彼女がこくんと頷いたので、中のページをパラパラって
捲って見せてあげた。
なんだっていいのだ、とっかかりなんて。
お話をたくさんして仲良しになれればね。




