26 ◇セカンドオピニオン
夫の康之に付き添って来た女性はモデル仲間かもしれないと私は思った。
誰もがハッと振り返ってしまいそうな美貌とスタイルをしていたから。
普通の状況ならあの綺麗な女性のことで頭がいっぱいになり、仕事も
家事も手に付かないような風になっていたかもしれない。
だけど私はちょうど病気のことで別の病院で診てもらうことを決めた
ところでもあり、もっぱら意識は病気のことに向けられていたため、
それどころではなかったのである。
以前からこの考えをしたためていて、決行する時期を待っていたような
状況だった。
そんな折、夫の朝帰りのその日に、現在通院している主治医から
電話があった。
それは、『亀卦川さん、しばらく通院はお休みにして様子を
見ましょうね』とのことだった。
これで、今の病院での試行錯誤しながらの治療方法が、ちょうど上手い具合に
一段落した。
今の病院の投薬を続けてきたことで、家の中でゆっくりと過ごす分には
最低限自分の身の周りのことをしながら過ごせるようになっていた。
家なら、身体が少し辛くなったりした時にすぐに横になれる。
寝具に横になっていても、辛い時もあったことを考えれば有難い
ことではある。
けれど今の身体能力レベルでは元のようには暮らせない。
主治医も今のところこれといって他に策が見い出せないようで、月に2度
ほど通院していたのを休止して、パソコンを使っての遠隔診療のみで薬を
出してもらえることになった。
月に2回とはいえ、通院はとにかく身体が疲れるのでとても助かるし
別の病院に掛るのにも余分な時間を使わず、今まで使っていた時間で
賄えるので助かる。
薬は母かヘルパーさんに頼べば事足りる。
そこで、思い切って私は以前より考えていた病院を訪ねることにした。




