21 ◇飲み友
家庭以外の居心地の良い環境にすっかり馴染んだ頃、俺は同じ
モデル仲間の 石川恭子と夜の街に繰り出した飲みで、徐々に距離が
縮まり飲み友になった。
これまでも仕事終わりに数人で何度か飲みに行くことはあったが、一次会で
早々といつも最愛の妻の待つ家に帰って行く康之だったので、 石川恭子とも、
前々から綺麗な子だなとは思っていたものの、ただのモデル仲間の域を
出たことはなかった。
妻への関心が薄れつつあること、そしてセフレになってくれる女性の出現
などがあったこと──
いつの間にか妻以外の女に興味を持つことに対してモラルや罪悪感からほど
遠いところに来てしまったのか?
飲みで二次会まで参加するようになって、俺は 石川恭子のことを
自然と観察するようになった。
途中でみんながバラバラな行動をとり始めた頃、石川恭子が
カウンター席に移動し、楽し気にマスターと話しを始めた。
いつ見ても彼女はニコニコしている。
美人でそれでいてキュート。
大きな二重、鼻筋の綺麗に通った鼻、程よい膨らみのある頬、
話をする都度かわいらしく、そして少しエロさを感じさせる唇。
フォーカスしているうちに、彼女の魅力に気付いてしまった。
俺の行動は早かった。
ふたりの会話をスムースにスマートに遮り、彼女の側にある
スツールに滑り込んだ。
マスターも心得ているようで、すぐにその場から離れて行った。
彼女は落ち着いたもので、俺の横滑りをすぐに受け止めてくれた。
「あ……亀卦川さん。
そういえば最近二次会への出席率上がってますね。
奥さんに相手してもらえてないんですか?
それとも二次会解禁になったとか? ふふっ」
そう楽し気に笑いながら、彼女はアルコールを口に含んだ。
「石川さん、なんかその言い方可愛いねー」
「あはは、亀卦川さんってそういうこと言うキャラでしたっけ?
おもしろ~いっ」




