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『あなたに恋しました !』 ――最後は君を好きになる――    作者: 設楽理沙


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17 ◇康之 side:



 少し病気に馴染んだっていうのは変な言い方かもしれないが、治療方法

は相変わらず見つかっていないようで、一日の大半は寝て過ごしている妻

が病気との付き合い方に慣れてきたみたいで、ここのところ2度ばかし寝

ないで俺の帰りを待つということがあった。


 自分が病気で長期に渡り臥せっている負い目もあってか、強くは主張して

こなかったが、彼女の言葉の裏には暗にもう少し早く帰ってこい、そして

妻と自分との時間を作れというニュアンスが込められていた。



 病気になってから、初めて2度ほど起きて待っていただけの妻にそのような

もっともらしいことを言われ、俺は軽く切れてしまった。


 だってそうだろ?


 妻が病気でずっと寝ていた間、俺は彼女に嫌味なことや冷たい仕打ちを

していたわけでもなく、大人しくなるべく出来ることは自分でし、生活全

般に亘って妻に迷惑もかけていないのだからな。


 外で食事をし、酒を飲んで帰って来る俺は、今まで手のかからない

良い夫だったはず。


 

 仮に毎日早い時刻に真面目に帰宅する夫の夕飯の心配をしなければ

ならなかったとしたら、そしてそれを俺が調理したとしたら、妻は気が

休まらなかっただろうと思う。


 家に帰れば必ず出迎えてくれる人がいて料理もできている、そんな生活

の中での注意やお願いであったなら、ああも腹が立たなかっただろう。


 病気をしている本人が一番つらいのは分かってるさ。


 だけど実際ずっと何もできないで寝てばかりいる妻のいる家で

一緒に暮らすのは正直きついんだよな。


 まぁだからといって『うるさいよっ』て吐いてしまったのは反省だな。

 

 妻と付き合ってる時も結婚してからも、今回のような暴言は吐いたことが

なく、何であんなにカッとなってしまったのか、思うところがあるとはいえ

不覚だった。



 彼女の病気のせいで、以前のように楽しく過ごせなくなったふたりの

結婚生活に、ストレスが相当溜まってるんだろうな。はぁ~。


 俺は妻からの意思表示に対して暴言を吐いてしまったことを

反省しながら、ここのところの妻の存在を忘れたかのような

自分の生活を振り返った。



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