〜のんびり?そんな物は存在しません〜
続きをお届けに参りました〜
正直、ここまでくると自分が呪われているんでは無いかと思ってしまう。
「はぁ……」
ため息混じりに俺は山盛りに積まれた魔物の死骸の山を眺める。
クエストの攻略に意気揚々と出て、道中のんびりしながら達成項目であるゴブリン3匹を狩れればと思ったんだけど……。
思い出すのは道中から今に至るまでの出来事。
アストレイアから歩いてのんびりと目的地に向かっている道中、なんか凄くお金持ってそうな感がある馬車を襲っている盗賊御一行と出会い、こちらに気付くなり襲って来たので面倒なので即フルボッコ。
そのまま目的地に向かおうとしたら助けた馬車の中から執事っぽい初老の男性が出てきて何か言ってきたけど、これも面倒なのでその執事っぽい人に笑みを向けて即座にエスケープした。
エスケープした時の執事っぽい人の顔がポカーンとしてたのが少し笑えるが、それはまぁ良い。
それからようやく目的地に到着して一度休憩でも入れようと思った矢先、魔物の群に襲われる。
狼っぽいのや虫、目的のゴブリン等…多種多様な魔物がそれはもう嫌になるくらい一斉に…異世界にまで来てのんびり出来ないとは…余程神様にでも嫌われてるんだろうかと嫌になりながら襲ってくる魔物を全て討伐していき今に至る。
「ゴブリン3匹だけの筈なのにやたら増えてしまったな」
ようやくのんびり出来ると思ってその場に座り込もうとするが頭に声が響く。
(マスター、こんな所で休んでいたらまた来るわよ?)
リーゼの忠告に俺はうぐっ、となる。
彼女の言う通り、今ここで休んでいたらまた新しいのが追加される可能性もある。
それは…それは非常に面倒…。
(とりあえず、のんびりするのは帰って報告してからでも良いんじゃ無いかしら?)
リーゼの言葉に多少ゲンナリしつつ山盛りに積まれた魔物の死骸を空間収納に入れて急いで戻ることにした。
アストレイアに戻ったが結果、帰りも同じような出来事がありました。
もうね、何これ仕組まれてるん?って位でしたよ。
帰りも行きとは別の盗賊御一行と魔物少数に襲われたので容赦なくフルボッコ。
気絶している盗賊は拘束して魔物はそのまま空間収納に入れてアストレイアに到着。
「前みたいに隠れながらコソコソしなくて良いから楽だけどこれはこれで面倒だな…」
たまたまなのか、それとも狙っているのかは分からんけど対策考えないと変に目立って厄介事に巻き込まれる可能性あるな……と考えながら城門をくぐりギルドに報告しに向かう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「何ですか、コレ?」
レミリアさんが顔は笑っているのに仁王立ちで俺の目の前で立っている。
俺、正座。
レミリアさん仁王立ちで俺を見下ろす。
ギルドの真ん中に山盛りに積まれた盗賊や魔物の死骸。
「えっと、討伐対象のゴブリン数十体と行き帰りで出会った愉快な仲間達?の盛り合わせです…」
「私、そんな盛り合わせ見たくなかったです…」
レミリアさん若干顔を引き攣りながら言ってるよ…まぁ、確かに女性には魔物死骸とかグロテスクだから仕方ないかもしれない。
でも俺は悪くない。
悪いのは空気も読まず俺を襲ってきたコイツらが悪い。
そんな2人と盛り合わせを見る周りの冒険者達は驚いているのか心なしか苦笑いである。
「ユウト君…毎回言ってますよね?無茶はしないで下さいって。それなのに毎度斜め上のクエスト報告を聞いて私の心労を労って欲しいです。そして今日も言った側からこんな盛り合わせ持ってきたら流石の私も堪忍袋が切れます」
「はい…すみません」
「冒険者は確かに命がかかってる職業なので必死になのは分かりますが、ユウト君はまだ子供ですよ?もうちょっと自重して考えて行動して下さい!」
「ハイ…スミマセン」
子供を叱る母親の図みたいな感じになっている俺とレミリアさん。
そんな俺を見て可哀想に思ったのか周りで見ていた冒険者の1人がレミリアちゃんそろそろ良いんじゃ…と言いかけた時レミリアさんはその冒険者をキッと睨みつける。
睨みつけられた冒険者ヒィ、と声を上げ萎縮しながら後ずさる。
「何か?」
「い、いや、その…あ、あれ」
「な・に・か?」
「……何でもありません」
冒険者はレミリアさんの圧と眼力に敗れた。
おい!冒険者なのに受付嬢に負けるなよ!?……って言っても俺も人の事言えないけど…。
とりあえず一旦、戦略的撤退をしよう。
そうすればレミリアさんも落ち着く筈……。
そう思って静かに俺はこの場を後にしようと試みる。
──────ガシッ。
「……何処に、行こうとするのかな?」
襟を掴まれながら耳元で聞こえるレミリアさんの声は俺でも生まれてこのかたゾッとした。
壊れたブリキのオモチャみたいに首をギギッと声がする方に向けるとレミリアさんの満面な笑顔が真横に……。
「とりあえず…上のお部屋で数時間程、私とお話ししましょうか…ユウト君?」
YES or YESしかない迫力に抗おうとする。
おれはイエスマンにはならない……絶対ならないぞっ!。
「えっと……いや───」
「はい?」
不動明王が如くの迫力に行きますとしか言えず俺は何故か説教と言う名の拷問の為、レミリアさんにズルズルと上階のお部屋に連れて行かれていかれた。
周りで見ていた冒険者や他の受付嬢達も哀れ…と言う目線で俺を見送ってその場を解散していった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レミリアさんの地獄のお説教フルコースから解放されたのは夕方前だった。
本当に数時間お説教を受けてました…。
まぁ、その間に他の受付嬢さん達が俺が持ってきた魔物の死骸の鑑定、買取と盗賊の引き渡し等もやってくれていたらしく終わってゲッソリする俺にコレはまた…といった哀れそうな目と苦笑いを向けられながら報酬を渡される。
「何ですか……これ」
目の前に並べられる4枚の見たことない金貨に一緒に居たレミリアさんに問いかける。
「…何ってユウト君のクエスト分とその他諸々の報酬ですよ?」
疲れ気味に言うレミリアさん。
それは分かる……それは分かるんだが……何故白金貨なんだ?確かに数は多かったがこんな金額にはならんだろう。
「いや…なんで白金貨って話なんですけど……?」
そう聞き返した瞬間、レミリアさんがジト目でこちらを見ている。
「はぁ……理由はですね」
呆れたように言ってレミリアは他の受付嬢から会計の目録を受け取る。
「まず、ゴブリン3体の筈がその何十倍の数を討伐、更に高ランクのゴブリンマジシャンやゴブリンシャーマン、ゴブリンウォーリア等も数体見られます。他にも討伐された魔物の中には高ランクでB〜Aに該当する魔物も何体か含まれておりこの値段になりました。」
今回の業績報告を淡々と語られる。
まだレミリアさん怒ってる、怖い、その内なんかやらかし過ぎて殺される気がする。
「───で……って聞いてますか?ユウトさん?何でそんなこの世で最も恐ろしい物を見た様な絶望的な目でわたしを見てるんですか?」
レミリアさんの声で我に帰る……俺、人生の中で一応怖い物無しと思ってたけどそんな事なかったんだなと思い知らされたよ……。
大事な事なのでもう一度言う。
……レミリアさんは怖い。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
報酬はほぼ預けてギルドカードを記録機会に通してもらう。
現在の預金が……6千万越え。
だいぶ懐事情は解決したけど……まぁ、レミリアさんの気持ちが少し分かってしまう。
まだまだのひよっこがあんだけ魔物倒してこんな金額稼いでたらある意味心配物だな。
自重しよう…そうしよう。
できるかなぁ…………。
そんな心配を考えながら宿に戻り明日に備えるのだった。
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