〜何だかんだで街まで〜
度々遅い更新にすみません…
色々と落ち着いたら2日に一回くらいのペースで投稿出来る様にしたいです(←願望)
コイツ全然反応しねー…。
さっきから人が呼んでるのにブツブツと独り言を…それどころじゃ無いって事忘れてないか?
そう心の中で思いながら俺が周りを見るが大量の負傷者に溜め息が出てしまう。
「はぁ……おいっ!!」
そう言って俺はさっきからブツブツと五月蝿いピンク髪のお姉さんに頭部に目掛けてチョップを決め込む。
効果はあったようで我に帰った瞬間彼女は頭部を押さえる。
「ーーーっ!き、君一体何をすーー」
「いや、お姉さんさっきからずっと呼んでるのに全然反応ないじゃん…それにそんなとこでボサってしてて良いの?」
俺は彼女に周りを見るように促すとハッとした顔になり急いで負傷者の治療にあたろうと立ち上がり兵士達に駆け寄る。
そんな彼女を横目に俺は周囲に気配がないか注意をはらうと気配が1つ感じその方向に意識を向ける。
巧妙に気配を消しているけど、だからと言って特に何もして来ない…様子見って所か?。
特に何もして来ないなら手を出す必要も無いだろうって思っているとその気配が消える。
「撤退…と言ったところか?」
俺は呟いた後、治療を行なっている彼女に視線を向けると彼女は負傷者に手をかざし何かを唱えるとかざした手から淡い光が溢れて負傷者を包みこむ。
あれは何だ?異世界の治療なのだろうが…。
不思議そうに俺が彼女を見ていると……。
(あれは高位回復魔法よ、主様)
急に頭の中で響く声に内心驚く俺。
まだ残党か何か居るのかと辺りに気配が無いか探ってみるがそんな気配など無かった。
だが、聞き覚えのある声に前に2度ほど体感した感覚を思い出し、届くかは分からないが頭の中で直接語りかけてみる。
(お前は……あの時話しかけてきたやつか?)
(覚えててくれて何よりだわ…マスター)
(マスター…ね)
こんな姿形が見えない奴と主人契約を結んだ覚えは無いんだがな…と思っていると謎の声は俺に語りかけて来る。
(前も言った筈よ?って虚の狭間で話していたから夢みたいに忘れたのかしら…?まぁ良いわ。私はマスターの能力の一部でありその副産物から芽生えた自我…簡潔に言えば便利なナビゲーターだと思ってくれて良いわ)
(あ、あぁ…それは分かったような分からんような…だがそんな事を有り得るのか?)
そうスキルがあると言ってもこうやって自我芽生える…なんて事あり得るのだろうか?そう思って疑問をぶつけてみる。
(まぁ、普通はあり得ないわ…だけどマスターが持つ力は特殊で失われた能力と言われる程の物…何があってもおかしく無いと思うわ)
(……)
話の筋は通る…。
(てか何でマスターって呼ぶんだ?)
前は威圧的に貴方って呼んでた気がするんだが…。
(そうね…強いて言うなら何となく…かしら?)
特に意味がある訳では無いようだ。
(あのお嬢さん、そろそろ治療が終わるわ)
そう言われて彼女の方を見ると負傷者の治療が終わりかけていた。
「……これで、よし」
彼女はそう言うと額の汗を拭い兵士達を一箇所に集める。
あれだけ重症だった兵士たちは見た感じだいぶ容体は安定しているので流石魔法様様だと思う。
さっきの魔法と言いモンスターと言い…どうなってしまうんだろうな…俺。
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あれから数時間が経ち負傷者達も次第に目を覚まし現在は野営の準備をしている。
自分達があんな目に遭いながらもこう動けるとは流石、兵士と言った所だろうか…普通の人間なら死にかけた事でトラウマになって普通は動けない筈なんだが…そう思いながら野営の準備をこなす彼らを見ていると背後から声がかかる。
「ユト君、本当に君には感謝してもしきれないよ…」
俺に話しかけた後、隣に座って来たのは先程のピンク髪のお姉さん…ユーシェさんだ。
「別に大した事はして無いですよ…たまたま迷子で通りかかっただけですから」
俺はそう答える。
ちなみにユトとは俺の事でもちろん偽名である。
最初は治療の後、彼女は俺の事も警戒して疑っていたのでこの世界の情報を得る為、嘘の設定を作り俺は幼い頃に両親を亡くし遠くの田舎の地から来た世情に疎い少年で生前両親の願いである世界を見てと言う言葉を実行する為、旅に出ている…と言う設定になっている。
そんな、俺の嘘設定に彼女は目に涙を溜め、俺を抱きながら頭を撫でてきた時はそこまで信じるかと思いながらこの人めっちゃ純粋なんだなと内心苦笑していた。
「ユト君はこの後どうするんだい?」
彼女が今後の俺の行動について聞いて来るので俺は考える。
何もわからないまま無策にこの世界を動くのは危険すぎる…かと言って、あまり遠くの地に行くのもな…と考え、一つユーシェに聞いてみる事にする。
「この近くに大きな街などはありますか?」
「それなら明日私達と一緒にアストレイア王都に向かいませんか?私はそこの騎士なので色々便宜も図れますしお礼もしたいので…どうですか?」
申し出された案に断る理由も無いのでその申し出を受け入れようと返事を返す。
「分かりました、お世話になります…あ、ですがお礼は結構ですよ?」
「いえ!お礼は絶対させて下さい!王家の者としても…」
「王家?」
不穏ワードが聞こえて聞き返したが…王家の者って…関わったら絶対面倒になるやつじゃん…そんな事を思いながら彼女を見ると…そっぽ向いてらっしゃる。
「い、いえ、私個人的にもですし王家に仕える者としてって意味で!!」
訂正してきたけど…うん、まぁお礼は断るかな。
「でも、そんな大した事してないので本当にお礼は……」
「させて頂きます!!」
「い、いや、だから…」
「しますから!!」
「は、はい…」
俺が受けると聞くと彼女は眩しい笑顔をこちらに向ける。
結果彼女の圧に押し切られてしまったが…まぁ、最悪逃げるか。
そんな事を考えながら明日の事について思いを馳せるのであった。
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翌日、明け方ふと目を覚ます。
昨日の夜は大木の上ある太く枝分かれした所で寝ようとした所をユーシェに見つかり拒否はしてみたが連行され強制的に一緒の天幕に就寝コースになった。
隣を見るとユーシェがすやすやと寝ており起こさないようにそっと天幕の外に出る。
朝の凛とした空気に俺は凝り固まった身体をほぐすように背を伸ばし辺りを見渡す。
他の兵士達もまだ他の天幕内で寝ているのかシーンと静まりかえっている。
「…一応、無いとは思うけど…」
昨日の今日って事もあり用心に越した事は無いだろうと周囲の気配を探りながら辺りを散策する。
特に気配は感じはしないけど…昨日の気配は結局何だったんだろうか?決着がつくとどっか消えていったし…人間なのは間違いないんだけど。
昨日の気配について考えているといつの間にか大きな湖に辿り着く。
「流石、異世界の湖だな…」
湖の景色に感動して言葉が漏れる。
暫く景色を見た後、近くにある木に背もたれがわりにして座り、頭の中で問いかける。
(おい?)
(マスター、どうかしたかしら?)
(そういや、自我に目覚めたって言ってたけど名前はあるのか?)
(…何故そんな事を聞くのかしら?)
一瞬、間を入れて少し不機嫌そうに理由を尋ねてくる自我さんに不機嫌になるような質問を俺はしたのだろうか?
(いや、名前あった方が何かと呼びやすいだろ?だから聞いてみたんだが…)
(別に好きに呼んでもらって構わないのだけれど…)
好きにって言われてもな…なんて呼ぼうか考える。
俺、あんまり名付けとかは苦手だしな…。
(はぁ…リーゼで呼んでくれれば良いわ)
溜め息を吐いた後、そう答える自我さん改めリーゼさんに名前あるなら最初から言えよと心のツッコミを入れる。
(名前あったんだな…まぁ、これから宜しくなリーゼ)
(えぇ…マスターが死ぬまでの間までですけどね)
(いきなり怖い事言い出すな…)
(ところで、そんな事を聞く為に私を呼んだのかしら?)
何かサバサバしてると言うかきっぱりしてると言うか…。
(あ、あぁ…リーゼならこの世界の事についてとか色々知ってるんじゃ無いかと思ってな)
(色々がどこまで定義とされているか分からなけど分かる範囲でなら答えてあげれるわ)
(今更聞くのもアレだが…何で俺の頭ん中で声が聞こえてリーゼと会話が出来るんだ?)
(念話の事かしら?本当に今更ですわね…これもスキルの一部ですわ)
(念話ねぇ…なら離れているジーク達に念話で連絡は出来るのか?)
ジーク達に連絡が取れれば合流も可能だし情報共有も出来る。
(結論から言いますと、無理ですわ)
(何でだ?リーゼと出来るならーーー)
(マスターと私が何故念話が出来るのか…それはスキルと加護があるからで、更に言えば私がマスターのスキルから生まれたからですわ)
(更に言えば、念話はマスターの世界で言えばとらんしーばー?みたいな物です。私を除けば念話は念話のスキルを持ってる者同士しか話す事が出来ません)
(そうか…)
出来るんじゃないかと期待して見たがリーゼの説明を聞いて頭を悩ます。
この異世界で目を覚ましてから1日は経過している…なら一緒に巻き込まれて、この世界の何処かに居るジーク達を探すにはどうしたら良いのかと考える。
(マスター、他に聞きたい事はあるのかしら?)
(まず、ここは?)
(マスターも分かってると思うけど、ここは…異世界よ)
(いや、それはもう分かってる…)
(そう?)
((………………))
(それだけ!?)
てっきり国の名前とかせめて星の名前とか聞けると思っていたのだが…。
(あえて、言うならであれば人間の国、アストレイアって言うわ)
それも確かにユーシェから都市名として聞いていたがそのまんまなんだな…。
(他には?)
(そうね…変わっていなければ、精霊国家エンフィール、魔帝国ワルプルギス、クリエスト公国、竜皇國もあったかしら?)
(変わってなければ?)
(そこら辺は街に着いたら答え合わせしてくれると嬉しいわ、マスター)
結局、現地で調べてみな分からんって事か…。
街に着いてからも憂鬱だな…てか聞いてる感じリーゼの情報古いなら…もしかして使えない子?とか考えながら他にも色々と暫く話していると背後の方で遠くからユーシェが俺を呼ぶ声が聞こえる。
さっき起きて俺が居ないから探しに来たって所か?
(とりあえず、後でゆっくり話そう)
(分かったわ、それより早くお嬢さんの所に行ってあげてはどうかしら?)
(そうするよ)
そうリーゼに伝えた後、探しに来たユーシェと合流して彼女が言うアストレイアに向かうのだった。




