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世界の変化
2037年福島県某高校
「セイ、次の授業なんだっけ?」
話しかけてきたのは幼稚園からの幼馴染の松橋直哉だ。
「お前が寝てるのが悪いだろ、次の授業は全校集会に変更だって放送があっただろ」
「そうよ、直哉はいつも寝すぎ。早く起きないと置いていくからね。」
加勢してきたのは直哉と同じ幼稚園からの幼馴染の高松菜々だ。僕たち3人は親同士が仲が良かったこともあり昔からよく3人で遊んでいた仲だ。
「全校集会って何の話するんだろうな。」
「直哉ニュース見てないの?スマホ見なさいよ、速報になってるから。」
遡ること1時間前、中国は漁船に偽装した船にのった戦闘員を尖閣諸島に上陸させ中国国旗を掲揚した。疎に対応した自衛隊の巡洋艦が尖閣諸島海域に到着するころには中国空軍の戦闘機が海域に到着し事態は膠着する。その後政府は緊急事態を宣言した。
「早く、体育館行くわよ。」
「はいはい、行こうぜ、セイ」
そう、僕たちはまだ事態の重大さに気づいていなかった。