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5話 学校
電車でだいたい30分くらい。駅で降りてそこから歩くこと20分。山というか丘というか、まぁ高いところにある高校。私立桜ヶ丘高校。そこに、あの人がいる。
緊張しすぎて帰りたい…クラスの前の転校生ってこんな気持ちなのかな?
「…はい、じゃあ転校生ねー。入ってどーぞ」
「っ!はい!!」
扉を開け、入り、閉め、歩き、黒板に名を書き、中央に立ち、気を付け。
「黒田信です。少々人見知りですが、仲良くしてください。よろしくお願いします!」
お辞儀をして、前を向くと、
ご主人様と目が合った。
幸せやぁ〜♪
「じゃあ黒田、テキトーに空いてるとこ座れー」
「自由かよ」「ちゃんとやれや!」「教師辞めろよ」
僕は、目の前のお姫様の隣に座った。
すぐさま声をかけた。
「黒田です、よろしくお願いします」
「白河知佳って言います。分からないことあったら言ってね!」
「ふぁいっ!」
変な返事になってしまった!
白河さんは、クスクスと笑っている。かわい〜。
「ところで、」
白河さんが僕にこう聞いた。
「私と黒田くんって、どこかであったことない?」