5/17
2話 誓います
ぼくを人間にしてください。
「本当にいいんだな?」
もう決めましたから。
「本当に?」
ええ。
「後悔しない?」
しません。
「本当に?」
焦らさないでくれませんか?
お姉さんは笑い、
「ごめんごめん。じゃあ、かける前に幾つか決まり事を伝えとくよ」
「一つ、猫の時のことは忘れろ」
「二つ、人間の生活に1年で慣れろ」
「三つ、猫だったことがバレたら死ぬ」
「いいね?守れるかな?」
ええ、必ず。
「よし、じゃあ呪文かけるから待ってねー」
そうお姉さんは言い、小さなカバンから四次元ポケットのように荷物を取り出した。
「…これ?…違う…どこー…うわ、バナナあった…モグモグ…あ!」
どうしましたか?
「元カレの写真が出てきた…」
早くしてくださいよ。
省略するが、このあとお姉さんの家に移動して、バックを漁ること約3時間。
「あったァー♪」
腹減りました
「人間になったら、祝い料理作るから!」
早くしてくださいよ
「よし、ゴホン」
「マツシラクラトキィナ!」
ボクは、気を失った。