後編
「オメーだよ、そこの猫」
女は俺に話しかけたらしい。知らないふりして帰ろうかな…
「…人間になれば、ご主人様と恋人になれるかも…」
「ニャー!!!!(詳しく聞かせろや!!!)」
興奮してしまったし、食いついてしまった!
「まぁまぁ急かすなや、猫。」
女は続ける。
「私は見ての通りの魔女……いや、魔法少女だ!」
うるせぇよ、なにが魔法少女だ。絶対三十路超えとるやないか…
「なになに、『うるせぇよ、なにが魔法少女だ。絶対三十路超えとるやないか』と」
読み取れるのね、怖いわぁ…
「怖くないよ?あと、まだ28だからお姉さんと読んでほしいな♡」
いやいや怖いわ。だったら魔法で
「若くなればいいと…その手の魔法を使うには若すぎるのよ」
お姉さん(笑)は続ける。
「とにかくお前さんは人間になりたいか?」
ご主人様と結ばれるのならば、リスクなんて幾つでも背負う。
「さすが雄やなぁ。そこら辺のクズとは違うわぁ。まぁそんな覚悟があれば、平気かな〜」
じゃあ、かけてくれるんですか?
「約束をしてくれるのならばね」
約束ですか?
「そう、約束。これを破れば、2度とご主人様と結ばれない」
「そして、ご主人様の所には戻れない」