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打倒ロウきゅーぶを目指してみる  作者: 無道
躍動のサマーカップ
21/36

集合、チーム杉崎

大学も遂に長い夏休みに入った。中学や高校の時と比べてもはるかに膨大な期間の休みに、始まる前は無限に休みが続くように思えたがなるほど、始まってしまえば一日一日があっという間だ。それは、俺たちの毎日がバスケ漬けであることも関係しているに違いない。


今日は午前中に富川第二の練習の監督、そして午後からは、杉崎達と共に、俺たちの大会の練習を行うことになってきた。そのとき、一緒に行きたいとのことだったので、まだ元気のあった智代と灯も連れてきた。他の奴ら、特にもえと奈央はなぜかとても行きたがったか、体は正直なもので、結局、実力的な問題でもこの二人だけ同伴を許すことにした。


「熱いわね……。真夏の炎天下の中、公園でバスケするなんて、兄さんたちはドMなのかしら?」

「文句言うならなんでついてきたんだよ……」


俺たちが練習場所に選んだのは、富川第二中学校からバスで20分ほどのところにあった公園のバスケッコート。うだるような暑さの中、外でバスケをする物好きは俺たちしかいないらしく、コートは俺たちの専用コート状態だった。

それから待つこと5分、陽炎の中、二つの人影がコートにやってくる。

そのうち一人は見知った顔、杉崎と。もう一人は、天を突くような長身の男だ。


「よお野田。待たせたな」

「いや、俺らもついさっき来たところだ。それで、隣がお前が連れてくるって言ってたセンターか?」

「ああ、野田も見たことはあるだろ? 早坂淳也。高校の時のチームメイトで、祈の兄貴でもある」


祈というと、神楽坂の大人しそうなセンターの子か。見るからに荒くれ者みたいなお兄ちゃんとは似ても似つかねえな。てか杉崎の奴、ここでも主人公力をいかんなく発揮してくるなあ。この設定どこかで見た気がするぞ。


「お前、浦高の6番だったろ? 嫌らしいプレイが多かったのを覚えてるぜ」

「そりゃどうも。てか相変わらずアンタはでかいなあ。身長いくらあるんだよ?」


俺の質問に早坂は不敵な笑みを浮かべる。


「今年の春に190の大台に乗ったよ。ま、この一年であと5cmくらいは伸びるだろ」

「化け物め……」


身長高いの羨ましいなあ。俺も176cmあるから小さくはないけど、センターするんだったら中途半端な身長なんだよなあ。


「灯と智代も今日はご苦労様。怪我だけはしないようにね」


杉崎は智代と灯に顔を向けると、にっこり微笑んで言う。すると照れたように智代が顔をそむける。


「は、はい。ありがとうございます」

「なに智代、あなた杉崎さんに照れてるの? 確かに、うちの兄さんより数倍イケメンだけど、微笑まれただけで照れるのはやめなさい。処女だとバレるわよ」

「灯ぃぃいい!! お前はなぜいつもそうやって余計な事を言うんですか!」

「ていうか、さらっと俺貶すのやめてくれない?」


事実だから何も言い返せないのがタチ悪い。

あはは……と杉崎は苦笑すると、話を変えてきた。


「ところで野田の連れはまだ来てないのか? 沙織と遥香は、もうすぐそこまで来ているらしいんだけど」

「え、今日遥香達も来るの?」


杉崎の言葉を聞いた灯が目を輝かせる。


「ああ、あの二人ならなんとかついてこられると思ったし……あ、噂をすればきたきた」

「すみませーん、遅くなって!」


小走りで来たのは、練習終わりに直接来たらしいジャージ姿の遥香と沙織。ちなみに遥香は皆言うまでもなく分かるだろうが、沙織は神楽坂のPGをしていたスラッシャーの女の子だ。


「フフフ、遥香。久しぶりね」

「灯ちゃん! 二人も今日来てたんだ!」

「二人とも、部活終わりでそのまま来たのですか?」

「うん。そっちも同じみたいだね」


JC達は思わぬ再会に喜び合う。すると遠くからどたどた走ってくる足音。太陽に照らされて鈍く光る茶髪がうっとおしい。


「悪ぃ、寝坊した!」

「お前はキャラぶれないなあ、東」


遅れてきたのは最後の一人、東修平だ。


「お、お前も見たことある顔だなあ。馬鹿みてえに試合中ずっと走り回ってたうるせえ奴か」

「あん? んだてめえ見たことある面だな? どちら様でしょうか?」

「相手がデカいって分かった途端敬語になるのな」


メンバーも揃ったところで練習が始まった。


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