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小田からの贈り物

闇、病み、已み

作者: 小田虹里
掲載日:2015/07/21

 こんなにも苦しいのは、身体中の傷の所為じゃない。


 誰も、わかってくれないからだ。


 こんなにも苦しくて、こんなにも病んでいて。


 誰からも必要とされていない、俺は……赦されない存在なんだ。




 ひとは、当たり前のように朝起きて、食事をし。

 学校や仕事へ行く。


 昼にはまた、食事をとり、午後から動く。


 夜には帰宅し、最後の食事をして風呂に入り、眠りにつく。




 それが、当たり前。

 出来て、当たり前。




 だが俺は、そのどれも……まともに出来ない。




 こんなにも沢山の薬を手にし。

 一気に飲み干す、合法医療ドラッグ。


 眠れない。


 起きれない。


 食べれない。


 制御できない。




 何を?




 俺を……。




 自分が分からない。

 自分が怖い。

 自分が止められない。

 自分が嫌い。

 自分が信じられない。




 何も、信じられない。




 だから、傷をつくる。


 止められても、忌み嫌われても。


 自分を確かめたくて。

 自分の存在が欲しくて。

 自分の血が見たくて。




 あぁ、刃が皮膚を切り裂く。


 滴れ落ちる赤い液を見つめる。

 どうしてこんなにも、こころが安らぐのだろう。


 俺が病んでいるから?

 血液を流すことに、安定作用があるから?




 痛みなんて、無い。


 些細なもの。


 心地よさが、広がっていく。

 ようやく、眠れそうだ。

 



 トク、トク、トク……。




 心音が聞こえてくる。


 どうして俺は、ここまで病んでしまったんだろう。

 どうして誰も、俺をここから救い出してくれないのだろう。

 どうしてひとは、俺を異端だと決め付けるのだろう。




 俺だって、「ひと」なのに……。




 薬が無いと落ち着かない。

 薬が無いと眠れない。

 薬が無いと動けない。

 薬が無いと優しくなれない。




 薬で成り立つ俺は、ひと以下?


 クズなのか?




 社会人は偉い。

 学生は偉い。




 フリーターは、普通。

 ニートは、クズ。




 世間の目は厳しい。




 夢がある。


 応援される。




 夢がない。


 哀れまれる。




 俺に、自由は赦されないのか。




 世界は、平和。


 日本は、戦争なき国。


 否、戦争をやめた国。




 俺は、恵まれている。

 俺は、救われている。




 ただ、小さな戦争……虐めは続く。


 今日もまた、泣いている声がする。




 俺だけじゃない。




 この国は、この世界は、病んでいる。




 病んでいるところには、傷口には、薬を。

 癒しと治療を施さないと。


 広がる一方。




 一度広がれば、治りは遅くなる。




 止めろ、止めろ、止めろ。




 闇よ、病みよ、已め。




 すべてのものに、平穏を……。




 生まれてきた喜びを、俺は知りたい。




 俺にも、誰にでも希望はあるのだと、信じたい。




 こんにちは、小田虹里です。


 「永遠」は、夜なかなか寝付けず、言葉が浮かんできたので綴り。


 今度は早起きしてしまって、言葉が浮かんできたので、「やみ」を綴りました。


 主人公「俺」は、現代に多いんじゃないのかな……と、思えるような人物像にしてみました。


 「もっと辛い」「生ぬるい!」という声も、あるかもしれません。


 「闇」も「病み」も真っ暗で。


 それでも、いつかは「已む」のだと信じたい……私は。


 そんな願いをこめて、綴りました。


 「もっと、見て」「自分を見て」「関心を持って」と。


 そんな声を、届けたかったのかもしれません。




 読んでくださり、ありがとうございました。



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― 新着の感想 ―
[一言] 私も、心を落ち着ける薬とかを飲んでいますからね…… 同感できます、彼には。 クラスメートも私を『異端』だと思っていて。よく悪口を言われたり……。 でも、先生が話してくれて変わろうとしてくれて…
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