共闘
色々浮気を
「あんまりレイン様にベタベタしないで下さい!あなた先生なんでしょ!!キモい!」
迷いの森に向かう馬車の中、レインの隣になぜかクレアが座っていた。
あまりにもレインとべったり身体をつけて座ってるのであまりにも腹がたったリタだった。
「やっぱり嫌われてるみたいだね〜。でもこのパーティーだと魔法使いはいると思うんだ〜。」
「多分先生の出番ないかもですよ?おそらく瞬殺するはずなんで。だから見てるだけでいいと思います。」
敵意向きだしでミリエラがクレアに言った。
「先生はどうして、そんな杖持ってるんですか?すごい文字が書いてありますね?」
レインはクレアの装備している杖があまりにも珍しく感じたので質問した。
「あ〜これ?これはね〜?前の夏休みに行ったギルドの仕事で手に入れた杖なんだ〜。すごいよ〜?龍神人文字で書いてあるんだよ〜?」
リタとミリエラは先生の喋り方にもイライラしだした。
(本当に先生かよ?)
「先生、少し離れていただけませんか?ちょっと馬車から降ります。」
「え〜?なんで〜?」
ミリエラとリタが飛び降り、抜刀した。
「まだ先ですよね?御者さん、迷いの森は?」
「まだ先だが?どうし!!」
御者の首が飛んだ。
クレアの身体を馬車に倒すと同時に切り上げた。
馬車の幌に切られた物は突っ込み、幌は血に染まった。
リタも一刀の元斬り落とし、ミリエラも下から切り上げ倒した。
ザームと言う怪鳥の一種で翼を入れると5メートル程になる大きさで極めて狂暴である。
「不覚、御者さんが。」
今回の襲撃は3匹だけだった。納刀し、御者の身体を馬車から下ろした。
「ここに埋葬しましょう。で、終わってからギルドに回収してもらいましょう。」
レインが穴を掘ってる間、リタとミリエラが幌とザームをかたずける。
クレアはまだ何が起きたかわからなかった。
「大丈夫ですか?先生?」
リタがクレアを呼ぶ。
やっと我に返るクレア
「何が起きたの?え?ザーム?」
「先生、探知使えますよね?もしかして現地まで安全だと思ってました?」
リタがクレアに水を与える。
リタから貰った水を飲み干した。
「・・・邪魔だけはしないで下さいね?人の遺体をかたずける身を考えていただけるなら。」
ミリエラが皮肉を言った。
「先生を責めないで下さい。御者さんが犠牲になったのは僕が未熟だからです。」
御者の遺体を埋め終わったレインが2人を咎めた。
自分の修業不足の責任である。と自分を責めた。
「ごめんね?先生勘違いしてた。キミが本当にドラゴンキラーだと先生思ってなかったから。」
それはそうだ。齢7才にて、ドラゴンを瞬殺する。誰が信じるだろうか?
クレアは魔法大学の優等生でギルドでも名前が通っていた。
もっともドラゴンキラーに近い人間と言われており、SSSRの魔法授業の先生にまで抜粋され末は皇国筆頭魔術師とまで言われていた。
それが、殿下の護衛でドラゴンキラーがいると言われ、見てみれば子供であったのだ。
その子供がギルドからランク外のドラゴン討伐を受けた。
ギルドマスターにコネを使っても参加し、事実を確かめたかった。
現実は彼女には重かった。
その7才の少年に助けられたのだから。
(・・・私達が規格外なんですよ先生。)
リタがクレアを励まそうと小声で言った。
さて、この前はおじいちゃんが運転したが今回は僕が運転だ。
「果たしてこのまま真っ直ぐ進むとその迷いの森なんだろうか?」
隣にリタが座ってきた。
[森の聖霊よ我が説に答えたまえ。]
「・・・ありがとう。レイン様、真っ直ぐです。」
「へ〜エレメンタル使えるんだ〜。」
(立ち直り早いわね、この女・・・)
ミリエラの顔を見た。
ミリエラはリタに苦笑いした。
「今の所大丈夫だよ〜。危険は無いよ〜。」
「先生助かります。僕達はギリギリまでが限界なんで。」
リタの話では魔術師は探知の魔法を持っており、先生のはさらに規格外で現在のレッドドラゴンの位置までわかるらしい。
しかも他人にそれを映し出し見せれる。
「ただすご〜く、厄介なんだ〜。」
「何がです?」
「これ、エンシェントドラゴンだよ〜?古竜12王の1体だね〜。」
クレアな言葉でリタとミリエラは驚く
「強いんですかそれ?」
レインの一言に回りが絶句する。
「レイン様!古竜12王ですよ?強いの次元超えてます!!依頼放棄しましょう!」
「だから言ったんですよ!帰れって!」
リタとミリエラはその一言で黙った。
レインはギルドで散々帰れと言ったがついて行くと言ったのは自分達であった。
「喧嘩してる場合じゃないよ〜?どうするの〜?パーティーリーダーはレイン君だよね〜?」
「森に着いたら3人はギルドに帰って下さい。」
レインに帰れと言われた。依頼放棄を言ったのはリタだ。レインの命令にしたがうしかない。
しばらく沈黙が続いた。
だか、沈黙を破ったのは、クレアだった。
「や〜だよ〜。」
「なぜです、先生?」
「レイン君が負けた時点で逃げ道ないもの〜。レイン君が倒せないんじゃ誰も倒せないよ〜?皇国にきたら皇国もタダじゃ済まないだろうね〜?だから、ここしか今安全な場所無いもの〜。」
確かに。レインが負ければそれで終わりである。現在、ドラゴン討伐の可能な人間がいないのだから。
「やっぱり、一緒にいます。先生の言う通りです。」
「そうだよね?レインの側が一番安全だものね。」
「はぁ〜。どうか、末席のエルケイオンでありますように。」
リタは12王の末席、エルケイオンの名前を言った。
「パースラーズかもよ〜?」
クレアは第6王の名前を出した。
「最悪のアルカリアだったりして。」
ミリエラは第1王、燕王アルカリアの名前を出した。
きたるべきエンシェントドラゴンの討伐前に皆んなが仲良くなってくれたので安心した。
仲良くなったね?とは口が裂けても言わないでおこう。そう思うレインであった。
森の手間に付くと一人の狩人がいた。
エルフの男であった。
「ギルドから来た人ですよね?ドラゴンキラー?」
「ハイ、受領書だよ〜。」
クレアはエルフの男に見せた。
「ようこそ迷いの森へ。討伐目標はレッドドラゴン、燕王アルカリアだ。」
燕王アルカリア。
エンシェントドラゴン12王の第1王と言われ、確認されてるエンシェントドラゴンの中で最強であると言われている。
元は牙龍山と言うドラゴンの巣窟の頂点に君臨していたがここ最近迷いの森に住み着いたらしい。
「で、誰がドラゴンキラーなんだ?」
リタ、ミリエラ、クレアはエルフの視線からそれた。
「あっ、僕です。始めまして。レイン・リフテンです。」
「やぁ、噂は聞いている。エルフは耳がいいんだ。依頼主、イフェーラ様の所に案内しよう。」
狩人は森の中へと入って行った。
(不思議なんです。)
ミリエラとリタに言った。
((私達もです。))
レイン、リタ、ミリエラはその気配に驚いていた。
燕王アルカリアに殺気が無い事を。
「まぁ、それは大変でしたね。ギルドには私共から連絡いたしましょう。」
迷いの森のエルフ族長、イフェーラ・ランに森に到着するまでの経緯を話した。
「今回のドラゴンの討伐は骨が折れると思いますが、よろしくお願いします。」
なるほど。族長はなぜアルカリアが迷いの森に来たか知っているみたいだ。
「クレア先生、討伐とは倒して討伐なのですか?」
「?なんか難しい質問だね〜。わからないな〜。」
「ではアルカリアに会いに行きましょう。」
「作戦は〜?」
「まず話し合いたいと思います。」
「?」
村から森の中央にむかった。
中央に進むにつれ、木々はより生い茂っていった。
案内がなければ確実に迷う。
「ここだ。」
案内の狩人が木々を分けた。
赤黒いレッドドラゴンの皮膚が見えた。
インスピレーションがつまる