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剣聖輪転  作者: 遊喜菜園
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宿敵

学校編書いた。デタラメだわ。

- レインへ。

汝の活躍は見事である。故にここに恩賞を送る。皇帝オーヴェリオン・ルナス=アーデラン


「父上からの恩賞じゃ。受け取るがよい。レイン・リフテンよ。」


ジュナスから渡されたのは一振の剣であった。


「父上の常剣、ミスリル鋼で出来た名剣、フランベルジュじゃ。」


「ありがたく頂戴いたします。殿下?ファルコンは?」


そう言えばガダから常に腰に刺してた聖剣(なまくら)ファルコンが見当たらない。今ジュナスの腰物は、サーベルであった。


「ぬぅ、ファルコンは父上に没収されたのじゃ。汝にはまだ早過ぎだとか。だが、これもなかなかの名剣、フェンリルじゃ!」


この世1番のお坊ちゃまは、また分不相応の剣を装備してるみたいだ。


「これは、2代目皇帝の愛剣、オリハルコンとミスリルの混合金属で出来ておる。」


やはり、分不相応だった。


「では、朕は授業に参るぞ?ミリエラ、リタ、頼むぞ。」


リタは相変わらず凄いジト目で見てきていた。ミリエラは普通に、いや。お登りさんみたいだ。


「では、僕も授業とやらに参加しなくては。」


スレイマン・サラ・サン=ロイヤルは三部学年別である。

幼、成、貴と別れており、各学年が4年制となっていた。

レインはまだ7才なので幼、殿下とミリエラ達は12才なので成、13から貴となっている。

幼の部屋に向かって歩いていると、レインと同じぐらいの少女と殿下と同じぐらいの少女が2人歩いてきた。

1人はショートカット、1人は黒髪ロング、

レインは立ち止まり、頭を下げ道を開けた。


「汝が殿下の随身のドラゴンキラー?」


多分リフテン家より位の高い家のはずである。レインは答えざるおえなかった。


「恐れおおい、レイン・リフテンと申します。以後お見知りおきを。」


赤髪の縦ロールのいかにも貴族令嬢、おじいちゃんなら、若すぎるわ!とどなりそうである。


「・・・リフテン、侯爵家です。」


と、となりのショートカットの茶色髪のメガネが似合っている、おじいちゃんなら・・・


「!」


違う!無意識に剣に手がいっていた。

なんだ、この憎悪、狂気は!

もう一人の黒髪ロングの女性からだ!


「如何致した?リフテン卿?」


その言葉は聞こえてなかった。黒髪の女性はゆっくりと近付き、耳元で囁いた。


「・・・八幡源十郎・・・」


その名は知らない、知らないはずなのに名前を聞いた途端、体が恐怖しだした。


「ランゼ!あまり幼子をいじめるでない!」


「はーい。お嬢様もうしわけありませんでしたー。」


黒髪の女性はお嬢様に咎められ、気当てを解いた。


「侯爵家です。身分差があります。直接会話は。」


「よいではないか?殿下の側近ですよ?マキナ」


「はっ、では、レイン・リフテン卿!ミッシェル公爵家令嬢、アイナ様である。無礼無きよう。」


だが、レインには、ランゼと呼ばれた黒髪のお付きから目が離せなかった。


「・・・むぅ!わらわよりランゼの方が気になると申すのかー!!」


「それは、私の方がお嬢様よりいい女だからだと思いまーす。」


「なに?誠かレイン卿?」


アイナはレインを見た。


「はっ?決してその様な事はございません!アイナ様が一番です。」


「なんと!ドラゴンキラーに告白されてしまうとは、わらわも罪な女じゃ!」

と頬を染めた。


「えっ?」


レインから緊張の糸が切れた。


「だが、汝とはな、その、身分の差がな?あるのだ、だから。いや、わらわは嫌とかでなくて、あと、両親にもだな?その・・・」


マキナが静止に入った。


「お嬢様は御乱心なされた為に、日を改めて後日挨拶に来ていただきたく思います。」と言って、ランゼがアイナを担ぎあげ、レインに振り向き、


「・・・次は負けん・・・」


そう言い放し、去って行った。

八幡源十郎、恐らく出会わなければ二刀流の使い手として、天下に名を響かせただろう。だが、出会ってしまった二人は闘い、敗れた。つまり、おじいちゃんの敵であった。


「なんと?汝、アイナ卿にあったのか?」


昼休み、ジュナスにそれとなく振ってみた。

ミリエラとリタがジト目になった。


「目をつけられましたか?元々、殿下護衛は公爵家の方がするのでしょう?」


「父上まではな。」


昼食の後のティータイム、レインから話題を振られ結構嬉しいジュナスであった。


「朕に近い者が全員女人なのじゃ。」


とカップを啜る。


「別に良いのと思いますが?」


「ドラゴンキラーに敵う女人か?養子か?まあよい、教えておこう。レインよ?」


とジュナスは本来なら・・・と語ってくれた。

本来、S・S・S・Rは生涯の師従、伴侶を貴族、皇族が見つける為の場所であった。言わばお見合い場所である。

ジュナスは父に憧れていたため、ゲオルグに、隠し子の男児がいた事がわかり、同じように、ゲオルグの子と盟友になりたい一心にお忍び?でガダまで現れ、レインとであったのである。


「本来、此処に来るまでに、護衛はいてはならぬのじゃ。分かったか?」


「だからドラゴンキラーが先走ったんだ!」

と声を上げたのはミリエラだった。


「ウム!ミリエラは聡明じゃのう。左様、誰あれ?では無い、ドラゴンキラーなら随身に相応しいと言う事じゃ。まぁ運が良かったのじゃ。」


それは、お前がな?


「で?ミッシェル公爵家に何かあったか?」


「の側近の2人は何者か、殿下に聞いてもわかりませんよねぇー?」


ジュナスにそれとなく聞いた。


「・・・すいません!レイン、負けました!」

と謝ったのはリタだった。


「フム、見事に負けじゃった。武の授業が朝じゃった。クラスが一緒での?あの?なんと申したかの?」


「・・・八幡源十郎。」


日の本の名前で呼んだ


「何を申しておるレイン?女子じゃぞ?」


「・・・二刀流でした。申し訳ありません。」


「もう一人には勝ったんですけど・・・リタがね?」


ミリエラは申し訳なさげにレインに言った。

リタの様態の方が心配になった。


「ケガは?」


「それは大丈夫です。」


と服を捲りお腹を見せた。両脇腹にくっきりと木剣の後がついていた。


「素人だと思って油断しました。次は・・・」


?次?


「負けません。」


「本当に!?」


レインは驚いた。


「?はい。負けませんよ?」


何処からくる自信なのだろうか。

自分が倒した相手だが、弟子が倒せると言ったのである。まさかとは思った。


「・・・ところでリタよ?朕の命令である。その白き白樺をしまわぬか?」


ジュナスの言葉で我に返り、耳まで真っ赤にしてお腹を隠すリタであった。



3日後に決着はついたらしい。

同じく昼食の時であった。なぜかジュナス達が機嫌良さげだった。


「殿下、何かあったので?」


「フム、レイン。汝の姉は見事に有言実行したわ。」


と。口に物が入った状態で話だしたジュナス、行儀が悪いですよ?と一応注意をする。

すると、アイナ御一行が近づいてきた。


「これはこれは、殿下、ご機嫌麗しく。」


「フム、ミッシェル、息災か?」


レインに小声で言う。


「朕はアイナは苦手なのじゃ。」


「本日は当家のランゼが殿下にお見苦し何処をお見せしたようで、お目を煩わせたのではないかと、このように侘びに来た所存にございます。」


とランゼ、八幡源十郎を見た。両手が包帯で巻かれていた。

リタが耳元で言った。


「両手小指だけ折らせていただきました。2ヶ月は剣が持てないはずです。」


我が弟子ながら恐ろしい事をやってしまう。剣士の命、小指を折るとか。ちょっと怖くなった。


「・・・また負た。今度は弟子だ。来世でも貴様にも勝てなかった。何故じゃ?」


「ランゼ!勝手に喋るで無い!しかも、汝の国の言葉とは!!恥を知りなさい。」


マキナがメガネを直しながらランゼを怒った。


「はーい。マキナさま、ごめーよ、」


「また!ふざけながら!」


「あなたは、私に斬られた時、狂気に支配されよ。先に逝ってる。でしたよね?」


ランゼ以外が不思議な顔をしながら見た。日の本語で喋るのだから。


「狂気を克服して、私は83の天命で死にました。今はレインと言う名前と自我があります。」


「貴様もそうなっていたのか。まぁ、今はランゼの自我なんだが。そうか。狂気を克服したか。」


ジュナス、アイナ、ミリエラ、リタ、マキナが凄く不思議な顔で見てきた。

咳払いし、


「アイナさま、ごめーよ?」


「すいません、ジュナス様。」


「・・・おっ、おお、終わったのだな?了解した。」


「何を話してたのじゃランゼ?」


「・・・レイン様同郷だと知ったら、すっごい情熱的に口説かれてしまいましたわ。もう、抱かれてもいいかも。」


とランゼに聞いた瞬間、顔が真っ赤になりアイナが切れた。


「レインよ!汝はわらわを口説いておきながら、わらわの側近まで口説くとは何様のつもりじゃー!!」


「なっ、なんですとー!?」


また、レインは膝をつき、動けなくなった。

ミリエラ、リタ両名同時気当てであった。



「ミリエラどの?こーよ?」


ランゼがミリエラから剣技を教えて貰っていた。


「ランゼさんは筋が良すぎですね。もう、レインと互角ですよ?」


「もー死合う気は無ーよ?折角の第二の人生頑張ーよ?」


「じゃあ、次は私に2剣の使い方教えてよ。」


「いーよー」


ミリエラは二刀流をランゼから教えて貰う事となり、


「マキナさま?何と?」


「コホン。リタさまには、是非にランゼから勝利を勝ち取った魔法剣を教えていただきたく思いまして。」


「精霊魔法使えます?」


「少しなら」


「結構難しいですよ?私もまだ確立させていませんから。互いに研究していきましょう。」


マキナとリタは魔法剣の確立の研究をする事となった。

ジュナスには、まだ早いと言い訳して、授業で習う程度の剣の練習をさせている。

僕の方は、


「レインよ?そなたの姉上達からいつも凄い目で睨まれるのだが、どうしたものかの?」


「はぁ、」


「まぁマキナとランゼに何とか盾になって貰っておるがの。」


「はぁ。」


「味気無い返事じゃの?まぁ、殿下にしかりわらわは帥が気になるのじや。致し方なかろう?」


「・・・出来れば膝の上から降りていただきたく思いますが?」


アイナ様が告白と勘違いしている様子である。

ランゼ骨折から授業中は僕にべったりつきまとい、の限界を越えている。

先生もミッシェル公爵息女なので見て見ぬフリをしている。


(我慢してくれ、レイン。)


(先生。)


「レインよ、帥とわらわの関係はその、卒業までなのじゃ。堪えてたも?わらわとは学校だけの恋なのじゃ。在学中に帥と駆け落ちなどと・・・」


終業のベルが鳴り、マキナ、ランゼ両名により、やっと引き剥がされる。


「レインよわらわとの恋には障害かつきまとうのじゃ。互いの恋は悲恋なのじゃー。」


卒業まで長い苦痛の一つなのだろう。

辛抱もまた修行のひとつとして自分に言い聞かせるレインであった。

剣神レイン・ガイラード=バドッシュと生涯の伴侶、アイナ・ミッシェル=バドッシュの恋の駆け引きはこうして始まった。





「マスター、校内で後輩達に嫌がる私をグルグルと。みたいな事する気じゃないでしょうね?」


黒衣のローブに身を包んだ女性が金髪の青年に卑猥な事を言い出した。


「して欲しい?したいけど、アライナの体は余の物だから二人っきりの方がやっぱり燃えるんだ。」


「・・・早く二人っきりになりましょう!マスター!!」


「マスターは嫌がる私を無理矢理孕ませて転売する鬼畜プレイが好きなんです!アライナみたいな従順娘はそのうち飽きられるんです!」


もう一人同じ格好した女性があらわれ、また卑猥な会話をふっかける。


「ラナンも余は絶対捨てないよ。二人とも余の大事な家族なんだから。」


オスカール・ルナス=ブリデッシュ大公爵。

現皇帝の弟の忘形見で10才で即位し、SSSRの現生徒会長である。

その取り巻きは元奴隷で亜人種、ハイエルフの娘ラナンとダークエルフの娘アライナ。生徒会会計と書記である。

オスカールの権限で役職につかせた。


「今日こそ、ジュナスに挨拶に行かないと余の首が危ないじゃないか。伯父上殿も余に内緒で入学させるとか。余は嫌われてるのだろうか?」


「マスターが生徒会役員を帰らせた後、私達にお情けを下さるのは嬉しいのですが、やはり貴族としての礼儀は重んじた方が。素直に挨拶しておけば今頃に慌てて行く羽目にあうのです。」


ラナンが右に駆け寄り、腕にくるまり甘える。


「余は貴族を止めてみんなで森の奥で静かに暮らしたいのだ。大体奴隷制度などあるからお前達に不自由させるし、わが領民ですら迫害をうける。謀反だ、余は謀反を起こすぞ!」


左からオスカールの前に回り込みアライナはハグしてきた。


「領民も、私達も、マスター以外は奴隷です。仕方ない事ですわ。また謀反とか言って宮殿言っても陛下にあしらわれて終わりでしょ?」


「謀反起こす気全く無いクセに。あっ?ドラゴンキラーです。」


レインは嫌ーな気がしたので振り返ると最上級生が三人こっちに歩いてきた。

レインは一礼し、道を開けた。

レインを不思議そうに見た後、オスカールはジュナスに膝まずき、臣下の礼を行った。


「殿下には御身置かれまして、挨拶が遅れた事お詫び申し上げます。」


「兄上!兄上ではありませんか!」


オスカールに飛びつくジュナス。

ジュナスの頭をナデナデしてやるオスカール。


「まだ兄として慕ってくれるのですね?ジュナス。」


「もちろんですとも。朕の兄上はオスカールしかいません。」


やっぱり、ジュナスは男色の気があるんだと確信するリフテンメンバー。


「兄上!紹介します。朕の盟友のレイン・リフテンです。そしてレイン、朕の甥兄、オスカール大公じゃ。」


「やあ、君が殿下の、あの、・・・」


「ドラゴンキラーです。マスター。」


アライナはすかさずフォローしたが、照れ笑いしたが間合いを分かっているのか、近づこうとしなかった。


「・・・あぁ、わかりました!<高幹>ですね?」


たかもと、その名前だけは日の本語だった。






続く



























さて、オスカールは誰でしょう?

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