法事
「全額リッカの村に寄付とか、考えられないのですが?」
ガダの街についた早々、ハーフエルフのリタが尖った耳まで真っ赤にして怒った
リッカから馬で半日と聞いていたのだが、刻は夕刻を過ぎていた。
「入門に通行料取るとかさすがは代官が納めてる街であるな?関心、関心。」
やっと荷馬車の運転がうまくなったわし、
「銀貨1枚ぐらいないんですので?」
守衛の言葉に対しミリエラが小袋を探したがどうも無いみたいである。
あても無く、ただ、リッカの村から逃げるように来たので戻るわけにもいかなかった。
「・・・サバイ何とかを討伐したんじゃ、入らせてはくれんかの?」
「?なんだ?ガキがか?嘘をつくな!!」
「本当です!この子がサバイ一党を討伐したんですよ?」
ミリエラの言葉にも耳を貸すことも無く、一向に門を通過させてもらえなかった。
「・・・で?どうするのですか?野宿します?んで明るくなってからガダの壁、迂回移動してあてもなく?」
リタがジト目でレインを見た。
レインが驚いた。
「若い娘を野宿とか?わしは考えられんぞ!!」
「・・・無計画ですが意外とやさしいのですね?レインさま?」
リタ殿にあきれられてしまった。
・・・この曲刀でも路銀に換えるか・・・
(時間戻ること昼時)
貿易都市ガダ領主、ゲオルク・リフテン侯爵息女、マイラ・リフテンはガタの守衛任務についていた。
父から一応は結婚までは自警団の長をしてていいと許可を貰っていた。
その矢先、隣国で騒がれていた盗賊団がどうも自国に侵入したと情報が入った。
風渡りのサバイ、曲刀波斬りを所持しており、その刀は一振りで騎馬を3騎切り捨てたと聞く。
ゲオルクは直ちにサバイに懸賞金をかけ、マイラに降りかかる火の粉を払おうとしていた。
近隣の村にも伝令を送り、サバイの捜索及び、討伐を急がせた。
が、今しがたリッカからの伝令が帰って、血相を変えてマイラに駆け寄った。
「風渡りのサバイ、討伐!!リッカ村にて確認いたしました!!」
「!!まことか!?」
朝、父の命令で街中と各村に伝令を飛ばし、昼には朗報が帰ってきたのである、
「討伐者はレインと名乗る男・・・の子」
「男・・・の子?落ち着きなさい!」
「はぁ、はぁ、討伐者レイン、6歳、男の子、リッカ村、首の数10!!確認いたしました!!」
「6歳!?」
名のある盗賊がたった6歳の少年に討伐されたと伝令から報告をうけ、侯爵に報告にいった。
侯爵は興奮しながら金貨200枚をただちに用意させ、マイラにその少年を連れてくるように指示した。
先に金貨200枚を持った使者がリッカに向かい、1時間後にマイラと護衛の騎馬が出発した。
マイラが到着したのは夕刻で、途中、妙にふらつく荷馬車と帰りの使者にすれ違った。
リッカの村で村長のオスロンが侯爵の娘、マイラが来たので対応した。
「・・・で、村長?その男の子と言うのは?」
「明け方にサバイの馬と荷馬車がなくなってまして、どうも使者さまと途中ですれ違い、これを私共に。」
とオスロンは金貨200枚をマイラに見せた。
「!!あの荷馬車か!!」
マイラは直ちに馬を反転させ、ガダへ帰った。
日没がきてしまった。
門がしまった。
守衛と交渉している6歳の男子
ジト目と焦っている娘が二人、情報では赤毛の少女とハーフエルフの少女
荷馬車に似つかわしくない軍馬、
「見よ、この曲刀の輝き、そこらの銘刀とは違う事お解りだろうて?」
「・・・だから坊主?オジサン達は曲刀とかいらねぇから。物じゃ通せないんだよ?な?」
「ぬぬぬ・・・二束三文にもならぬということか・・・・このナマクラ包丁め!!」
守衛に恐ろしい暴言で刀を侮辱する子供である。
「・・・少年?その刀は魔刀だ。銘は波斬り。風の力で遠くの物も斬れる」
「?左様な力などいらぬわ.3人も切れば刃コボレだらけじゃ.」
と、レインはその声の主を見た。
白い甲冑に細面で堀が深い南蛮人が立っていた。髪は黒髪で若干、クセっ毛の腰が太い、よい子を沢山産めそうな娘だった。
「お帰りなさいませ、隊長。」
そう言うと守衛が門を開けた。
「侯爵の客人である、手厚くもてなせ!!」
「!!ではこの坊主が?ホントに?」
「剣士レイン殿とミリエラ殿とリタ殿ですね?ガダ自警団長のマイラ・リフテンと申します。以後お見知り置きを。」
マイラは貴族男子固有の右手を左肩にそえ、目を瞑りながら、レインに会釈した。
レインは刀を鞘に収め、左腰から抜き、右手にもちかえ、会釈した。
騎士道では敵意がない事を示し、武士道でも敵意が無い事を示した。
「館まで案内いたします。部下の非礼、お詫びいたします。」
「・・・かたじけない、マイラ殿・・・」
のちの剣聖皇女マイラ・リフテン=アーデランとその師、剣神レイン・ガイラード=バドッシュの初めての出会いであった。
ガダ領主、ゲオルク・リフテンは興奮を覚えた。
「レイン殿!!それから?それから?」
レイン達はゲオルクから晩餐によばれ、その席でゲオルクから盗賊団討伐の経緯を聞かれた。
「落馬武者の首を段平で掻き斬り、最後の武者の元へ向かうと、落馬の衝撃か。首を折って絶命しておりました。」
「おぉ!!さすがじゃ」
「父上・・・レイン殿はまだ6歳でございます。もうその辺で・・・」
「ぬぬぬ・・・なんと見事な武勇か!!いやぁ見事!見事じゃ!!」
ゲオルグは妻との間に子供は一人だけ、マイラ・リフテンだけである。
マイラの出産は難航を極め、出産後、妻は帰らぬ人となった。
マイラは妻の忘れ形見である。
そんな娘がやたらと剣術に興味を持ち、今では自領内最強となっていた。
「マイラ様にお教えする事はもう、ありません。」
リフテン領護衛隊長の話では皇国領内でも通じるぐらい強くなったと言う。
しかし、先の情報、風渡りのサバイとその一党がリフテン侯爵領に入ったのである。
そんな、二つ名、風渡りなど付く盗賊である。大事な一人娘に何かあれば大変である。
あるが故に領内にただちに手配書と法外な賞金をかけた。
だが、昼には討伐されていた、しかも齢6才に、
「恐縮至極に存じます。」
「して?レイン殿?その方ほかに何か出来ないか?」
「父上!いい加減に!」
マイラがゲオルグを制止し、6歳の男子を早く休ませてやりたかったのだが、レインがマイラに手の平で制止して
「たしか、この刀は野党共の親玉の物と聞きました。強いては・・・」
と曲刀波斬りを抜き
「酒でも一献、斬られし者達に与えたいと存じます。」
そう言って小皿を持ち、再度波斬りを鞘に収め、小皿を上になげると、抜刀し、小皿を剣先に乗せた。
「申し訳無いマイラ殿、酒を小皿に注いでくださらぬか?」
と小皿の乗った剣先をマイラに向けた。
「はっ、ハイ!!」
マイラは言われるがままに、小皿にワインを注ぐ、すると剣先の小皿からワインが流れ、刃を伝たって床に落ちた。
「・・・見事じゃ!」
ゲオルグは心酔し、
「・・・マイラ・リフテン、レイン殿!弟子にしてください!!」
マイラはレインの一番弟子となり、リフテン領の食客となった。
「ではこの型の流れをやれば師匠のようになれるので?」
「・・・そんな簡単になれたら、教えなど請いますか?基本の素振りなどの他にです。」
次の日から自警団待機所での訓練が始まった。型の流れの中、悪い所を修正される。
そしてまた1の型から始め、修正され・・・・
「・・・いつまで?これを?」
「永遠です。良いというまで」
「・・・はぁ。」
その訓練を遠くから眺めている暇そうな少女が2人いた。
赤毛の少女ミリエラとハーフエルフの少女リタである。
「ミリエラ様?レイン様はいつもあんな事してたので?」
「初めて見るよ?レイン君、剣なんて、盗賊くるまでもった事なかったもの。」
リタはあれ?って顔でミリエラを見た
「お姉ちゃんですよね?レイン様の?」
「?ちがうよ?」
「・・・?近所?」
「・・・近所。」
「・・・・惚れてる?」
「ななな!!何言い出すの?そりゃあ年齢近くてお姉ちゃん扱いしてくれてたけどあっ、あと・・・」
「・・・惚れてんだ。」
「ァウ、アウ、あゥ・・・」
「一緒に習って来たらどうですか?じゃないとマイラ様にとられちゃうかもです。レインさま~!!」
「リっ!リタ!!」
ミリエラの静止を無視しレインに駆け寄り、リタはレインと何か話すとレインはなにか閃いたような顔をしてミリエラを自分の側に呼んだ。
「ミリエラ殿こちらへ。」
「あっ!アウゥ・・・」
顔を赤らめながらレインの元へ近づいた。
「マイラ殿、よろしければこちらのミリエラ殿とリタ殿にも稽古をつけたく思います。」
フフン!私のおかげ?というようなドヤ顔してたハーフエルフの少女は驚いた。
「わっ?私もですか?」
「お二人とも嫌ならやめてもらってけっこうだ。嫌々やらせてうまくなる物ではないのでな。人斬りなど」
「あっ?それは無理です!!」
「おや?マイラ殿?弟子になったのにもう意見を?」
「いっ、否。リタは亜人種の奴隷です!!奴隷に武器を持たせる事は奴隷法により禁止されています。しかもハーフエルフと言う災いの象徴!!」
その瞬間マイラは只ならぬ恐怖により膝を付き顔が青くなった。
彼女は死を覚悟した。
いや、させらてた。
「貴様もか?権力者などはすぐに差別したがる。我らが来てガダに災いが起きたか?左様な考え方の物に人斬りなど教えぬ。」
マイラの変貌を見て我に返るわし。
(いかんな。わしもオトナゲない。気当てをマイラ殿に使うてしまったわ。)
マイラに対する気当てを解いた。
目から涙をこぼし、息を切らしてるマイラにミリエラは介抱についた。
「はぁ、はぁ。師匠・・・今私は死にました。申し訳ありませんでした!!今一度この不肖、マイラ・リフテン!心入れ替えます!!なにとぞ!!」
「いや、わしもすまなんだ。オトナゲない。侘びよう。以後身分差は禁止じゃ!!」
「は!!ハイ!!」
なるほど。
南蛮では奴隷に武器を持たせてはいけないと。
「ところで奴隷とは何で見分けるのかの?」
とリタに問い合わせた。
「普通烙印が体のどこかに押されて初めて奴隷と判断するらしいです。私は烙印を押される前にサバイに奴隷商の馬車からさらわれて、そのままこの耳のおかげで買い手が付かず。あの?やはり奴隷なんでしょうか?烙印無しでも?」
「問題ないのではです?マイラ様?」
ミリエラがマイラに問いた。
「リタ殿は烙印無しでございましたか?では奴隷ではありません。・・・こう言えばなんですが。すいません。お二人共に切磋琢磨していだけると私もうれしく思います。」
「あっハイ。よろしくお願いします。マイラ様。ミリエラです。!!」
「リタと申します。よろしくお願いします。」
こうして剣聖皇女、焔の剣聖、魔法剣聖が初めて出会い、剣神に弟子入りしたエピソードが終わった。
49日目
南蛮に転生して今日まで色々とあった。
リッカの村での盗賊討伐から、治安維持のためのガダ内部の喧嘩仲裁に盗賊改め、近くに青鬼が出たから討伐、虎の類が出たから討伐などなど。
「青鬼じゃなくてトロールね。虎とか、キマイラです!!」
あい解った、ミリエラ、
「しかし、師匠のおかげて考えられない物まで討伐しております。さすがです。」
いやいやマイラよ、まだまだじゃぞ?
「師匠?この私の考えた魔法を乗せての剣技などいかがでしょう?」
追求することよき事である。リタ。
「マイラ?おおレイン殿もご一緒でしたか?」
型の練をさせている最中、ゲオルクがあらわれた。
「少しマイラをお借りしたい。よろしいか?」
「父上?」
型の練をとめたマイラがゲオルクを見た。なにかソワソワしていた。
「どうぞ。ゲオルク殿。その他は続ける。」
マイラがゲオルクに連れられ、館に向かっていた。今日は館の庭での修練であった。
「ミリエラ様?マイラ様とどこへ?」
「さぁ?リフテンの家の問題じゃないの?」
「そうじゃろう恐らく。ほらっ!!少し下がっておる!!」
「はっ!ハイ!!」
「マイラよ、まぁ、私の書斎へ。」
「はい?父上?」
ゲオルクはそんなに隠し事がうまい人間ではないことはマイラは承知していた。
この仕草はそうとうよい考えが浮かんだのではなかろうか?
「実はな?その・・・養子を迎えたいと思うのじゃが?」
「養子?ですか?よいのでは?次期リフテン侯爵候補にはやはり男の子でしょう?父上」
「う、ウム!と女の子一人じゃ。」
「弟と妹という処で考えてよろしいか?父上?」
「・・・レイン殿とミリエラ殿のことじゃ!!」
「はぁ。やはりで・・・。」
「なんじゃ?驚かないのか?」
「いえ!!大変うれしく思います!!よきお考えで!!・・・父上?二人?リタは?」
「フム。リタ殿は出生を考えての。リタ殿は当家の警護の冒険者としておけば問題なかろう?」
わが父ながら策士。
ハーフエルフの我が家での待遇までお考えとは。
「で、今日の晩餐にでも?皆に伝えようかと?」
そのへんは策士ではなさそうである。
「父上?内密に養子縁組をすすめて師匠が逃げれない環境を作ってからの方が得策です。恐らく、師匠はそのような事を言えば明日にも旅に出てしまうようなお方です。それに皇帝陛下より養子縁組は許可いただかなくてはなりません。」
「なっ、なるほど。」
「しかも期日は一年近くかかります。陛下よりレイン殿、ミリエラ殿両名をリフテン家の子息と認めてもらえれば旅立ったところでリフテン家の名が付いてまわります。逃げても逃げれない状態です。いかがで?」
「むぅ!!さすが我が娘!!見事じゃ!!さっそく皇都に使者を送り、手続きとしようではないか!!」
「おわかりいただけて光栄です父上。」
マイラは会釈した。
?なんじゃ?寝付けんの?はて?
ぬあ!!
夜あまりに体がだるく、目をあけたら、ふたたび浮いていた。
また?わし、死んだのか?
いや今回は違うみたいである。
わしの体6歳の上に83歳のわし、そしてその横に6歳の少年?
「レインか?」
と声をかけるとその少年は上に浮くわしを見てうなずき、わしの側に来た。
「おじいちゃん?僕のお父さんとお母さんの仇とってくれてありがとう。」
「う?ウム。」
「あっ。あっちで会ったよ。でね教えてくれた。」
「そうか・・・」
あっち、おそらく、あの世のことであろう。
「僕は河を渡れないんだって山本のおじちゃんがね言うんだ。」
!!勘助か!!
「おじいちゃんと僕はひとつなんだって。でね?おじいちゃんと変わらないといけないんだって。」
「・・・その通りじゃ。・・・すまんの?おぬしの体をかってに使っておった。」
「でもね?山本のおじちゃんが言うのはね?今変わると僕もミラ姉ちゃんもみんな死んじゃうんだって。」
「まことか?」
「だからおじいちゃんに剣を習いなさいってみんなが言ってたの。おじいちゃんの剣を全部覚えたらみんなが幸せになるんだって。だから・・・おじいちゃん?」
「なんじゃ?レイン」
「おじいちゃん、僕に剣を教えてください!!・・・みんな・・・この世界の全員を幸せにしたいんです!!」
わし、感銘を受ける!!
来世のわし、無欲!!
見事じゃ!心の真髄でわしに弟子入りとか。
あいわかった!!
「・・・型は見たかの?」
「うん!見て?こうでしょ?」
レインはわしに鹿嶋の太刀を見せた。鹿嶋の太刀・・・そのものであった。
「・・・・国摩真人様・・・」
鹿島流開祖、国摩真人様が見えた。
「だめだった?おじいちゃん?」
「!?いっ否!!見事な鹿嶋の太刀じゃ!!」
出来ておる。
むしろわし以上じゃ。
ではあとは何を教えるのじゃ?・・・まさか?
「一の太刀か?」
「ヒトツノタチ?」
「レインや?お主?いつわしの元にこれる?」
「?いつも一緒にいるよ?」
「否、何時こうやって、わしとあえる?と言う意味じゃ。」
「たぶんおじいちゃんが寝たら。あっ僕が寝たら?か」
「あい分かった。よし、直々に教える。わかったか?寝たら出てくるのじゃぞ?」
「うん!!わかったおじ・・・いや、師匠!」
「おじいちゃんでよいぞ?レインよ」
たぶんレインはさらにわしの先にすすむはずじゃ!!必ず。
365日目(一回忌)
約1年が経とうとしている。
ミリエラの話では先日わしは7歳になったそうである。
この約1年でわしは3人に奥義を解いた。
まずは気当て
ここぞとばかりの殺意を対象に向ける。
心弱い物なら死んでしまうほどの技である。
これはマイラとミリエラは体が覚えているので彼女等はすぐに使えた。
次に気消
これだけ武器や武芸者がうろつく南蛮じゃ、おそらくわし並?いや以下でなくては困るが、そういう達人は大概抜ける場合がある。
死合う相手の気を読んでくる。
そこが穴、つまり抜けである。
だから気、つまり存在までもを消せれば開眼したも同然である。
これはリタがなぜかすぐにつかえた。
そして最後、気散
これも達人に対して使うのがいいじゃろう。
気を読むのであれば沢山の気を回りに展開してやればよい。
周りから自分にめがけ殺気がかかってくるのじゃ。
油断どころか常に神経をとがらせなければならない。
して相手に隙が出来たらわしの勝ち。
これはまだだれも使えないでいる。
「あとは汝たちで見つけ、もしくは進化していけばよい。」
「お師匠?いやレイン様?何かありましたので?」
リタは感が鋭いのか?いつもわしを見透かしているようであった。
「?なんのことじゃ?」
「・・・消えたり、いなくなったりしないで下さいましね?」
「だから何のことじゃ?」
くわばらくわばら。
夜、わしの体が寝入るとレインがあらわれた。
「では行くぞ?レインよ。」
「はい、おじいちゃん。」
鹿嶋の太刀の流れでわしとレインの刀がすれ違う。いやむしろ今は真剣の戦いをしている。まぁわしもレインも霊なんで死なぬが。
「?あれ?え?」
レインの動きが鋭い。
「まさか?これが?」
次の瞬間レインはわしに勝った。
「・・・・わかったようじゃの?レインよ?」
「え?おじいちゃん?今のが?」
「わしの究極奥義、一の太刀じゃ。」
「でも?え?どうやったの?」
わしもそれが教えればレインが出来たはず。
しかもわしは開眼まで1000日要したがレインは一年で身につけた。
この一の太刀とは自然に体がかってにやってくれる技なのである。
つまり自分の意識とは無関係なのである。
「これ以上わしはレインに教える事はなにもない。」
「おじいちゃん?」
「ん?おぉ勘助、それに将軍、おお!!レインのご両親。」
「え?おじいちゃん?僕見えてないよ?」
「レインよ主の両親からの言伝じゃ。・・・息災でな。元気で」
「え?おじいちゃん?」
おじいちゃん!?
目がさめた。
僕の体だ。
窓から朝日が差し込もうとしていた。
おじいちゃんは河を渡ったのだろうか?
おじいちゃんありがとう。
そして僕がはじまった。
たしか僕はこの時間に起きた時は、ベッドの側にある少し細くしたブロードソードを装備し、まず日の上る方向にお祈りして、中庭の噴水そばで鹿嶋の太刀を行う。
するといつものとうりにマイラ様。
「おはようございますお師匠今日も晴れそうですね?」
「おはようございます。マイラ様。」
「はい?師匠?」
続いてミラ姉が出てくる。
「おはようございます。マイラ様、師匠。」
「おはよう!!ミラ姉!」
「れ?レイン君?」
そしてリタが眠そうに
「やっぱり朝から太刀の型ですよね?わかります。」
「リタ姉?朝は挨拶だよ?おはようございます。」
「!?やっぱり!!」
リタ姉にはすぐにきずかれてしまった。
続く
勢いで書いてます誤字脱字お許しください