入学式の夜です。疲れたーー
もー宿題が山のように…
サッカーの合宿もあると言うのに…
二人の雰囲気がなんだか怖いです。
一緒に暮らすんだから、仲良くなって欲しいです。
僕が思うに、きっと二人は仲良くなれるから。
流石に、孤児院でずっとお姉さん役やってた奏姉は、料理以外は得意みたいです。
逆になんで、料理が出来ないのか謎です。
あれ?話してなかったっけ?
奏姉さんは、ずっと孤児院で皆のお姉さんがわりだったんだ。
4年前に、この高校はいるって孤児院を出て行ったんだけど…。
そう考えると、奏姉さんは卒業後1年でこの学校の先生に成ったってことか…すごいな。
あ…洗濯で氷華がまた失敗してる。
氷華は多分家事全般苦手なんだろうな。
あーあ悔しそうな顔してる。苦手ならやらなきゃいいのに。
まぁ苦手を克服するってのもいいことだよね。
そんなこんなで夜です。本当に奏姉さんは、料理以外は得意みたいで、片付けもすぐに終わった。
洗濯を二回に分けてやったのは少しもったいない気もしたけど。
寝ましょう。氷華は鞘で寝ると言ってたけど、僕は友達を作って家でお泊まり会するのが夢だったりするわけで、お布団3つ持ってきてあります。
氷華にも布団用意してあげよう。
一人だけベットってのもあれだから皆でお布団で寝て、ベットしまっちゃいましょう。
よし!お布団引くぞーと、押入れに取りに行った時でした。
氷華に、腕をガシッと掴まれました。
「遥は特訓があります。私は狼の姿でも戦えますが、霊獣として遥と力を合わせる時は、刀で闘う方が闘いやすいんです。だから、遥には刀の扱いを学んでいただきます。」
「え?うん、わかった。氷華に会う前はそのつもりだったし。」
……………3時間後
ゼエーハァーゼエーハァー
僕は全身の穴と言う穴から汗を吹き出して、息も荒く成っていました。
スパルタすぎる!
でも何故か、氷華が教える妖狐流古流武術は懐かしい気がする。
最初からやり方を知っていたような。体に叩き込まれていて、その動きを体が覚えてるような変な感覚。
「ゼエーハァー、遥本当に初心者ぁ?最初からこんなにできる奴なんていないわよ。この調子じゃ、1年もすれば私に見合う使い手になるんじゃないかしら?」
「ゼエーハァー、うん、そのはずなんだけど…、本当に!?やったー。ゼエーハァー。あっそう言えば、なんで氷華は狼なのに、妖狐流なの?」
「あぁ、私が生まれた村の長が空孤だったのよ。」
「空孤って!やばいやつじゃん。狐が3000年生きたと言われるあの空孤でしょ?」
「え?まぁ、長ははるか昔、妖怪と人間が共存していた時代の数少ない生き残りよ。」
「人間と妖怪が共存か…やっぱりなにがあったか、教えてくれないの?」
「ごめんなさい。私が知ってるのは長から聞いた話で、私もまだ本当の事を調べてる途中なの。それに、やっぱり貴方が理解してくれるとは思えない。」
「そうだよね。ごめん、また今度でいいよ。」
僕がそう言うとその話題は終わった。
僕は感謝を込めて、氷華を磨いてやる。
『伝説の不良が、夜中笑いながら刀を磨く』と言う、噂が流れるのはそう遠く無い話である。
今回で1章終了でーす
あ…3部少し変えました。
里親のところの娘さんを二人だったとこを一人にしました。