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The Sixth Sense  作者: 山井 隆次
第零章 ―終わり、そして始まり―
9/9

決闘申請

 更新が遅くなって遅くなって、申し訳ない。活動報告にも書いたが、アイデアが出なくなっていて、テストもあり完全に存在を忘れていました。

 活動報告も更新してないし、やっぱりこういった管理は杜撰だな、自分。

 今回も内容が薄っぺらいのは仕方ないね。

 きっと無理やり感が出まくってるからだ……

 こちらに向かって歩いてくる少年とは、もちろん藤沢真人だった。

「石口……蓮……ちょっと来い」

 授業中だというのに、いいのだろうかと周りを見渡す。周りは状況がよく分かっていないのか、ぽかーんとした顔をしている。僕も混乱しているし、誰かに助けを求めたいというのに……。何とかこの状況を打破しようと、頑張って声を出す。

「授業……中、だよ……?」

 やっとの事で、そんな言葉が喉から出てくる。

 だが、そんな言葉に聞く耳持たず、僕の腕を掴んでそのまま引っ張り出されてしまった。そのまま、廊下に出てしまった僕は仕方なく、藤沢真人の後ろを付いていくしかなかった。

 しばらく歩くと、林のような場所に出た。学園の中にこんな所があるなんて知らなかった僕は、少なからず驚いてしまった。

 そこに出ると、藤沢真人は歩みを止める。

「……石口連。さっきは……済まなかった。その事については、謝る」

 僕は驚いてしまった。さっきは、あんなにわがままだったはずの藤沢真人から、謝罪の言葉が出たのだ。

「謝ってくれるなら……もう怒ってないし」

「そうか、それはよかった」

 これで万事解決かなとそう思っていた僕は、次に出てくる真人の言葉にまたもや驚いてしまった。

「俺と、決闘してくれ」

「……え? なんで?」

「流石にやられっぱなしは嫌だかんな。借りは返す」

「えっ? 何のこと?」

「保健室での事だ。あんなダサいやられ方したまんまにはできねぇ! そうだな、場所は闘技場だ。期日は来週の週末(金曜)、時間は15:00だ。必ず来い」

「ちょっと、待ってよ。僕はそんな……」

「そんじゃ、教室戻るぞ」

 僕の言葉をまた聞き流し、教室へと戻っていってしまった。しばらくどうしよう、と悩んでいたが、我に返り慌てて教室へと戻った。




 一・二時限目の初級魔法基礎が終わり休み時間になる。授業を途中で抜け出した罰として、特別に出された課題に手をつける。

「ねえねえ、あれからどうなったの?」

 そんなとき、横から美月に声をかけられた。

「あれからって言うと……僕らが抜け出した後?」

「そうそう」

 視線は課題にあるので、想像だが恐らくコクコクと頷く美月。

「あー、うん。保健室でのことを謝られた」

「藤沢君が? 意外と素直なんだね」

「僕もそう思ったんだけど、その後に決闘を申し込まれた」

「……えっ!? 決闘?」

 思わず大きな声を出してしまう美月。まあ、確かに驚くよね。

「そ、それで? 決闘はどうなったの?」

「うん、来週の週末に闘技場でやるらしい」

「止めときなよぉ、決闘なんて……。危ないって!」

「まあ、この学校なら死なない限り治療で直してくれるらしいし、大丈夫だよ」

「し、死なない限りって……。でも痛いんでしょ?」

 心配そうな……少し涙交じりの声で話しかけてくれる。

「うーん、痛いんじゃないかな? まあ、仕方ないって。決闘だし」

「まあ良いんじゃないか? どうせレンが勝つに決まっている」

 光華も会話に交じる。光華はどうやら、僕が勝つと思っているようだ。

「光華は僕のことを買いかぶりすぎなんじゃ無いかなぁ……」

「それでも、貴族だからと有頂天になっているやつに、レンが負けるはずは無いな」

「そうかな? 勝負は時の運っていうし、どっちが勝っても負けてもおかしくは無いと思うんだけどね」

「確かにそうかも知れないが、実力に差がありすぎるだろう。レンはあんな複雑な魔法を操れるんだ」

「複雑? 何かしたっけ?」

 僕の言葉に美月と光華が驚く。

「もしかしたらと思ってたけど、レン君自覚無い?」

「え?」

「あの水属性魔法と火属性魔法と風属性魔法の融合魔法で、名前を作っただろう?」

「ああ、あれか。先生にも褒められたし、結構辛かったから確かに複雑な魔法だね」

「あんなに器用に操れる事自体凄いというのに……」

「まあ、母親にみっちりと指導を受けたからね」

「かなり努力をしてきているレンに、お坊ちゃまが勝てるはず無いというのはもはや真理だろう」

 やけに自信満々だな、光華は。

「それでも、万が一って事があるし……。やっぱり断ろうよ」

「プライドの問題があるからねぇ……。多分聞いてくれないよ。っと、課題終了っ!」

 今まで解いてきた課題を一纏めにする。

「よし、課題を先生の所に出してくるよ」

 そう言って席を立ち上がり、先生の所へと向かった。






 先生のいる部屋に着くと、既に先客がいたようだ。中から声が聞こえる。

「君が授業を抜け出すなんてなぁ……。君はあの晶さんの息子なんだから親の顔に泥を塗っちゃいけないじゃないか。今度からは気をつけるように! 分かった?」

「はいはい、わかっていますよ。俺が藤沢真人じゃないって事はね」

「なんだその言い方は! 教師を馬鹿にしているのか!?」

「申し訳ありませんでした、教師様。それじゃ私はこれで失礼します。……ふぅ」

 そう言って、こちらに向かってくる足音。扉が開くと、中から真人が出てきた。真人は僕を見て少し驚いた……というか気まずそうな表情をして、何事も無かったかのように歩いていった。

「誰かいるのか?」

 中から僕の影が見えたのだろう。先生が声をかけてくれる。

「あ、はい。僕です。石口連です。課題を持ってきました」

「おお、そうか。入れ!」

 中に入ると、想像以上に綺麗な部屋だった。そのギャップに少し驚きながら先生に課題を出す。

「はぁ……お前もか。どうして課題を出さなきゃならないような事をした奴に限って、パパッとできてしまうのかねぇ」

 先生はため息混じりに、そう呟く。そして課題の中をパラパラと見て、

「ちゃんとやってるな。こんな短時間で……」

 と、ぼやいた。

「よし! お前も戻って良いぞ。これからはこんな事が無いようにな!」

「はい、それじゃあ、失礼しましたー」

 そんなやりとりをして、教室へと戻る……途中のことだった。チラッと窓の下に何かが動いているのが見えた。

 不思議に思って、窓に近寄り見下ろすと、そこには真人の姿があった。どうやら魔法を使っているようだ。属性は恐らく風だ。いろいろと試行錯誤して魔法を出している。興味が沸き、しばらく何をしてるのかなーと眺めていると、僕は次の真人の行動に驚いた。自分で生み出した風魔法に向かってジャンプしたのだ。そして、風魔法に接触すると、まるでトランポリンか何かに乗ったかのように……とまでは行かないが真人の体が跳ねたのだ。

 どうやら、風魔法で上側に向かう風を生み出したのだろう。あんなことができる真人を僕は心から感心していた。そして、先ほどの光華の声が頭に浮かんだ。

 ――貴族だからと有頂天になっているやつ

「ははっ。……全然そんなこと無いじゃないか」

 




 

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あとこんな作品に評価をつけていただきありがとうございます

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