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The Sixth Sense  作者: 山井 隆次
第零章 ―終わり、そして始まり―
8/9

魔力測定

ストックがついに尽きてしまいました……。出来るだけ速く投稿出来るように頑張ります。


小説での話ですが、貴族って何だかよく分からないで使ってます。いろんな小説でよく見るので、書いてみたかっただけです。貴族とかそういうのを調べてみるつもりですが、詳しく知っている人がいれば、教えてくれると嬉しいです。


長文失礼しました

「よーし! 俺の授業では魔法は必須だ。ってな訳で、諸君にはまず最初に魔力測定をしてもらう!」

 相変わらず大きな声で、そう告げる。そして僕たちは保健室へと移動した。

 その時に、『魔力測定評』と書かれている紙を受け取った。その紙には12歳……つまり僕たちの年齢の魔力量魔力の平均が書かれていた。その紙から察するに12歳の魔力量は1000ps~1200psのようだ。psとは魔力の単位である。読み方は「サイ」だ。この数字は一見して多いような気もするが、大した量ではない。初級魔法ならば数十回は発動可能だが、中級魔法となると数回程度、上級魔法になればよくて一回発動できるか出来ないか程度だ。

 僕達はその紙を持ちながら、魔力検査機に並んだ。自分の魔力量はまだ、見たことが無く、ワクワクして心臓が高鳴った。

 そんな風に待っていると、前のほうがざわついた。一体何が?

「ねぇねぇ、何があったの?」

 僕は前に並んでいた生徒に尋ねる。

「ん? あぁ、実は藤沢君の魔力が1500psもあったんだ」

「凄く高いんだね! 羨ましいなぁ」

 そう呟いたときだった。

「ふっ。まぁ俺様は貴族だからな。これぐらいは当たり前さ」

 近くから声が聞こえたのだ。振り向くとそこには濃い紫色の髪を片目にかぶせた少年がいた。

 この人が噂の人だろうか?

「君って貴族だったんだ?」

「そうさ。藤沢晶(あきら)の一人息子、藤沢真人とは俺様の事だ!」

 藤沢晶と言えば確かに有名人だ。藤沢家の領地に住む人々達のために学舎(まなびや)を建てるなど、結構人々の為に尽くしているらしい。

 藤沢晶は元々普通の家の生まれだったが、勇戦協会に入会後、その剣の腕前で一気に有名になり、巨大モンスターから王都を護ったことで貴族の位置にまで上がったのだ。

 勇戦協会を目指している中で藤沢晶の名前を知らないものなどいないだろう。

 だから、その事を公言した事で、さらにクラス中がざわめいた。

「あの晶さんの息子だと!?」

「うわぁ、凄っげえなぁ!」

「俺に魔法教えてくれないかなぁ?」

「道理でただならぬ貫禄があったのか」

「晶さんの息子で、魔力が多くてかっこいいなんて素敵ねぇ」

「でも少しナルシストっぽーい」

「何言ってんのよ。そんな所も良いんじゃない!」

 クラス中からいろいろな声が沸く。

 そんな中でも勿論、魔力検査は行うわけで、気が付けば僕の番だった。

「はい。じゃあここに手を置いて魔力を流してみて」

 魔力検査にあたる人は竜馬先生では無く知らない女性だった。

 僕は言われるがままに、検査台の上に手を置き魔力を流した。検査台の針が動き、とある数字を指した。

「3623psね」

 そう言って魔力測定表にその数字をありのままに書いていった。何か何事も無かったかのように、書き込まれたが、3623psって藤沢真人さんを超えてますよね……?

 僕がそう気づいたときには既に、クラス中の空気が半ば凍りついていた。

「は? 何でお前みたいな平民がこの俺様よりも高けえんだよ!」

 え? え? 何で僕絡まれてるの?

 そんな事聞かれても知らないし……。

「おい、そこの検査係! その魔力測定器壊れてんじゃないのか? あーあ、これだから安物の魔力測定器は駄目なんだよ」

「この魔力測定器は異常はありませんよ? それに最新型の物なので精度は確かかと」

「あん? 俺様に逆らうのか? 俺様は貴族だぞ?」

「この学園では貴族も生徒です。それに、この学園は国と繋がっていますよ?」

「うっ……」 それっきり黙ってしまった藤沢真人。だが、

「いいや、絶対に壊れてるに違いない! もう一回俺様に測らせろ!」

「でしたら、もう一度後ろからお並びください」

「はぁ!? なめてんのか? 痛い目見せるぞ?」

「はぁ、貴族貴族と言うわりにはただの我侭な子ですね」

 ちょっと待った。この検査係のお姉さん、逆に怒りを煽ってるような……。

 そう思って、藤沢真人を見てみると、かなり苛立っているのがわかる。その直後藤沢真人の口が動く。

 詠唱だ。こんな室内で魔法を使おうとしているのだ。周りに生徒がいるのに……。

「ウィンドカッター!」

 風が刃となり相手を傷つける魔法だ。それが検査係の人に飛ぶ。

 皆、その様子を見て、これはやばい状況だと把握したようだ。距離を置くものや、泣き出しそうになるもの、慌てるものや、顔を覆うもの。

「させない!」


 【石口流双剣術守の型:虧月】

 剣を素早い速さで振ることにより、生まれた真空によって強烈な風が吹き、あらゆる飛び攻撃の威力と速度を減らす。こちらの力が上回れば打ち消すことも出来る。


 室内で魔法を……とか何とか言ったわりには僕自身こんな場所で剣を抜いてしまった。少し反省。

 藤沢真人のウィンドカッターと僕の技がぶつかり、ウィンドカッターが打ち消される。それを確認して僕は一安心した。

「貴族だか何だか知らないけど、簡単に人を傷つけて良い訳が無いだろ?」

 僕は藤沢真人に近寄り、そう言い放つ。多少の怒りを覚えていたが、その感情を押し殺す。

 藤沢真人は怒りの表情と、驚きの表情が混ざったような顔をしていた。

「は……はっ! お前なんか親父に言いつけてやる! 精々今のうちだけ格好つけてればいいさ!」

 そう言って、部屋から飛び出して行く藤沢真人。

 僕はその言動の意味がわからず、一人ポカーンとしていた。僕、何か悪い事したかな? それに格好つけてるつもりは無かったんだけどなぁ……。

「ふふ、助けてくれてありがとね」

 そんな僕に向かって感謝の言葉が述べられた。検査係の人だった。

「何か、余計に彼を怒らしてしまった気がしますけどね」

 そう言って僕は苦笑した。

「レン君も災難だったわね。まあ、晶さんは優しい方だから何も無いと思うわ。万が一何かあっても、あなたには危害は及ば無いから安心していいわよ」

 そう言って、計測係りの人は優しく微笑んだ。そして、

「さて、検査の続きをしなくちゃね」

 そう言った。切り替えは素早く、大きな声でまだ測ってない人は並んで! と声を張り上げていた。




 魔力測定が終わった僕らは、教室へと戻ってきた。

 先ほど飛び出していった藤沢真人の姿は無い。いったい何処へ行ってしまったのだろうか?

 そんな事を考えていたが、そんな事を気にも留めず授業は続く。

「さっき何かあったのか? それに藤沢の奴もいねぇしな」いったい何処へ行ってしまったのだろうか?

 そんな事を考えていたが、そんな事を気にも留めず授業は続く。

「さっき何かあったのか? それに藤沢の奴もいねぇしな」 僕達から何かを感じたのか、竜馬先生は聞いてきた。というか、もう生徒の名前を覚えてるのか。

 記憶力はいいのかもしれない。伊達に教師を名乗っているわけではないだろう。

「まぁ、いいか。さて、最初に自分の名前を魔法で作り上げてくれ。まぁ、最初にしては難しいかもしれないが、魔法を安定させる上で結構良い訓練になる。さて、開始!」

 結構投げやりに授業が開始された。ってか放置してもいいのだろうか? 貴族だったのでは?

 そんな事を考えながら、僕はどうやって名前を作り上げるか迷っていた。

「レン君。どうすればいいのかな?」

 そんな時、美月ちゃんが話しかけてきた。彼女と僕の席は近いわけじゃないのに、わざわざこっちまで来たのか。

 さて、どうしよう。

「先生は特に指定してなかったし、こんな感じでいいのかな?」

 そう言って僕は手のひらから火を生み出し、石口蓮と変形させた。

 その様子を見た美月ちゃんはかなり驚いていた。あれ? なんだろう?

「どうかしたの?」

「え? あ、その……」

「やっぱりこれぐらいじゃ駄目なのかな?」

 んー。先生も難しいと言っていたし、今のは簡単すぎかな。

 という訳で、水魔法で石口蓮の名前を作り上げ、闇魔法でそれを凍らせる。その氷の中に火を灯すが、その熱で氷が溶けないように風魔法で熱を遮断した。流石に制御が難しい。どうだろう? これで駄目だったら、流石にこれ以上のものを作れないので補習かなぁ……?

「レ、レン君?」

 その声に気づくと、僕はいつの間にか周りから好奇の目で見られていた。何故だろう……クラス中の視線が集められ、緊張してしまう僕。

 竜馬先生にすらそんな目でみられていた。

「あ、あの……えっとぉ……」

 ついついどもってしまう。恐る恐る先生に確認をとる。

「あー……先生、これでいいですか?」

 その声で竜馬先生もはっと我を戻したのだろう。

「あ、ああ! 大丈夫だ! 優秀だな、石口は」

 僕が優秀? その言葉を聴いたのは初めてだった。

 父さんに稽古をつけてもらった時も、母さんに魔法を習ったときも、優秀といわれた事は無かった。

 それなのに、まさかLiMACの先生に優秀と褒められ、僕は浮かれてしまった。そして、次の瞬間、パリーンという甲高い音が教室中に鳴り響く。

 僕の作り出した氷が割れたのだ。原因は恐らく、浮かれたために風魔法の制御が疎かになり、熱せられた風が氷を貫いたのだろう。

 火を纏ったまま落ちる氷の破片は、窓から差している日に当てられ、キラキラと燃える火という幻想的な光景が出来た。

「……綺麗」

 隣で見ていた美月ちゃんも僕と同じ事を思ったみたいで、そう口にした。その時、教室の向こうの廊下に人影を見た。よく見ると紫色の髪をした少年がそこに立っていた。

 その少年も目を大きく見開き、僕のことを見ている。僕と目が合うと、顔を元の表情に戻すと、僕の方へと歩いてきた。

誤字脱字の報告、アドバイスや感想待っています。

読んでくれた方、お気に入り登録をしてくれた方、ありがとうございます。


修正

『その時、教室の向こう、壁を挟んだ廊下の法に紫色の髪の少年もその様子に驚いていた。

僕と目が合った少年は、僕の方へ向かって歩いてきた』

『その時、教室の向こうの廊下に人影を見た。よく見ると紫色の髪をした少年がそこに立っていた。

 その少年も目を大きく見開き、僕のことを見ている。僕と目が合うと、顔を元の表情に戻すと、僕の方へと歩いてきた。』

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