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The Sixth Sense  作者: 山井 隆次
第零章 ―終わり、そして始まり―
7/9

自己紹介

あぁ、次でストックが無くなってしまう……

気が付いたら、ユニークが1000超えてたとか……ありがとうございます

 寮に帰ると部屋の前で海斗が立っていた。

「朝から頑張るじゃないか、レン」

 そう言って、スポーツドリンクを渡してくれる海斗。

「ありがとう」

 それを受け取り、僕はからからになっていた喉を潤すため、ゴクッゴクッと喉を鳴らして飲み干した。

 それを飲み干したのを確認すると海斗は口を開いた。

「朝練に行くのは全然構わないんだけどさ、一言声を掛けてくれると嬉しかったかな。朝起きたらレンがいないんだもん。流石に驚いちゃったよ」

「あぁ……その、すみませんでした」

「まぁ、危ないことをしてるって訳じゃ無いみたいだし、今度から僕達に言う必要は無いけどね。でも朝練以外のことをするなら、その時は一言声を掛けてほしい」

「わかりました」

「よし、ならシャワー浴びてきなよ。僕達は食堂で待ってるから」

「了解です」

 そう言って海斗と別れた僕は、シャワー浴びて、制服に着替えてから食堂へ向かった。





「おーい! レン、こっちだ!」

 食堂に入ると、拓也から声がかかった。大きな声で……。多少恥ずかしかったが、拓也は全然恥ずかしそうにしていないので、僕も恥ずかしいと言う感情を振り払った。

 どうやら、僕の席を確保しておいてくれたらしい。僕は、ご飯を貰い拓也たちの所へ向かう。

「揃ったね。それじゃあ、食べようか」

「「「いただきます」」」

 そう言い、僕達は食事を始めた。食事を終え、学園に向かう。





 校舎の中に入って、拓也達と別れる。

 僕のクラスは指輪が教えてくれるらしい。

 指輪に目を向けると、文字が浮かび上がってくる。

『石口蓮 一年一組』

 このLiMACという学園は一学年で、一組か十組まで存在している。一クラス平均四十名なので、一学年だけで、既に四百人近い生徒がいるのだ。そして学年は一年から六年まであるのだ。それだけでも、この学園の校舎がどれだけ広いのか理解いただけただろう。クラスの振り分け方は、全クラスの能力が平等になるように振られる。例えば、学年トップの成績の奴と、学年最下位の成績のやつが同じクラスになるのだ。と言ってもあくまでこれは三年までだ。四年になると成績がいい順に一組から十組まで振り分けられる。

 早速僕は自分のクラスである一年一組へと向かった。教室の中は緊張や不安と言った物でピリピリとした空気が感じられた。僕の席はどうやら、窓側の一番前の席だった。僕は自分の席に荷物を下ろすと、ザッと周りを見回した。本を読む者、音楽を聴く者、何もせずにボーっと机を眺めてる者。そんな風に見渡していくと一人、見知った顔を見つけた。

「美月ちゃん、久しぶり!」

「え?」

 彼女は突然自分の名前を呼ばれたことに驚いたのだろう、体をビクッと震わす。そして恐る恐るといった感じで、こちらに目を向けた。

「あ! レン君~。誰かと思ってびっくりしちゃったよ」

 彼女はホッと安堵の笑みを浮かべた。

「あはは、驚かせてごめんね」

「いえいえ、大丈夫です。それにしても、合格おめでとうございます!」

「美月ちゃんも合格してて良かったよ」

「ありがとう。それにしても、試験合格して、クラスも一緒だなんて何か運命を感じますね!」

 凄く嬉しそうに話す美月ちゃんを見ていると、僕も嬉しくなってくる。

 それにしても、運命はちょっと大げさな気もするけどね。

「同じクラスの者どうし、一年間よろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

 そんな感じで、久々の美月ちゃんと会話をしていたが、クラスのピリピリとした雰囲気に急に気まずくなる。

 彼女もそれを感じたようで、笑顔が引きつっていた。

「そ、それじゃあ、僕は戻るね」

「は、はい」

 僕は自分の席に戻ると、それから何をするわけでもなく、ボーっと空を見上げていた。案外、空を眺めているだけで時間はあっという間に過ぎてゆき、気づくと担任が教室に入ってきた。

「あーそうだな。言う事はたくさんあるが、とりあえず諸君、入学おめでとう!」

 そう言う男性教師。ツンツンとした赤色のベリーショートの髪だ。声が大きいことや、ラフな格好という事もあり、見た目は教師と言うよりかは町によくいるごろつきのようだ。周りを見てみると、クラスの四割ぐらいの生徒がおびえていた。

 そんな事は全く持って気づいていない先生。

「さて、俺はこれから一年間、この一組を担当することになった高橋竜馬だ! 教科担当は『初級魔法の使い方』だ! 諸君には、初級魔法のコントロールを一年掛けて完全に習得してもらうつもりだ! 一年間よろしくな!」

 声が大きいよ! さっきよりも、おびえてる人が増えてるよ!

 教師ってみんなこうなのかな?

「さて、早速だが自己紹介をして貰おうか。そうだな……出席番号一番から順に行くか。出席番号一番、起立!」

 出席番号一番。それは誰かと言えば、この僕だ。

 あぁ、ついてない……。

「……はい」

 僕は一番最初だと言うプレッシャーで、声が小さくなる。

 みんなの視線が僕に集まった。緊張するなぁ……。

「石口蓮です。武器は双剣を使います。一年間よろしく」

 言う事がわからず、これだけの事をポツリと言った。でもこれだけで良かったらしく、自己紹介は次の人へと移った。

「徳川光華。武器は片手剣」

 僕の自己紹介よりも明らかに、口数が少ない人がいた。

 光華ちゃんだった。このとき初めて僕はこのクラスに光華ちゃんがいることを知った。先ほどの暗い顔などは、全然無かった。

 光華ちゃんを見ていると、彼女も僕に気が付いたようで、笑いかける。しかし、すぐにそっぽを向いてしまった。

 その後も自己紹介が続く。

「え、えっと、ふ、藤田美月です! 銃を使います! よろしくお願いします!」

 美月ちゃんの自己紹介は、物凄く早口だった。おそらく緊張しているのだろう、まくし立てるようだった。

 光華ちゃんとも美月ちゃんとも同じクラスとは、先ほどの言葉ではないが、確かに運命を感じた。

 そんなこんなで自己紹介は終わった。

誤字脱字の報告、アドバイスや感想待っています。

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