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第一話
12月の午後五時に、なぜか外へ走り出したが、寒さと己の体力のなさに打ちひしがれている自分を嘲笑した。立ち並ぶビルもくすんで見えて、ここには何もないことを強調している。家に帰るだけなのに、無意識にコンビニを探してしまう。そう思うとなんと頼りになる店なのだろう。ふと見降ろしたビルの隙間に、だれか経っていた。雪の色をしたそれは、人間の見た目をしていたが、人ではないだろうなと思った。
「ひとりか?」
見ればわかるようなことを聞いた私に、それは答えた。
「うん。助けてください」
私は少しだけ、非日常の感覚に笑みを浮かべ、「分かった。とりあえず何か食べよう。」と提案。やすやすと承諾したところを見るに、生活に困窮しているようだ。帰宅後すぐに、冷凍の餃子を取り出しレンジへ入れる。温まるまでの沈黙、破ったのは向こうからだった。「おじさんの名前は?」
そう呼ばれるだけの年月を生きてはいないが、突っかかるのも面倒で「斉藤悠馬だ。
おまえは?」「01番」「、、、」
それを名前というには人数不利が過ぎるので、こちら側に寄せた名前を考えることになった。
「希望する名はあるか?」 「、、、ふゆめ」
本人たっての希望なので、ふゆめはふゆめになった。
初作品




