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転生ゲーマーは無限レベルアップで成り上がる!  作者: おさない
第四章 目指せ無限レベルアップ
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第93話 シャオメイとおつかいクエストです!


 師範の後を追いかけて途中で追い越し、その勢いのまま道場へと帰還したルッタ。


「ただ今戻りました!」


 彼が元気よくそう言うと、中で待機していたシャオメイとハオランが駆け寄ってくる。


「ルッタ! 結果はどうだったカっ?!」


「師匠から認めてもらえたのかッ?!」


 ルッタより試練を先に受けて合格を言い渡されていた二人は、他の弟子たちの結果が出るのを心待ちにしていたのだ。


「はい! 僕の心優しさを認めてもらうことができました!」


 そんな彼らに対し、ルッタは胸を張って返事をする。


「流石ネ! やっぱり私が見込んだだけのことはあるヨっ!」


「よくやったぞルッタッ!」


 それを聞いたシャオメイとハオランは、本人よりも大喜びした。


「そうだッ! 互いの健闘を讃え、今から闘おうッ!」


「……どうしてそうなるカ。意味が分からないネ」


 相変わらず理由をつけて闘おうとする兄を冷ややかな目で見るシャオメイ。


「そう慌てるな! お前もちゃんと混ぜてやるぞッ!」


「誰も混ざりたいなんて言ってないネっ!」


 その時、少し遅れていた師範がようやく道場へと戻ってくる。


「やれやれ……子供の体力には敵わんのう……」


 寄る年波を感じさせる呟きをしながら、ゆっくりと顔を上げる師範。


「ふむ、手合わせの後じゃと言うのに…… 二人とも元気じゃのう……」


 彼は喧嘩をしている――もとい騒いでいる兄妹を見て、感心した様子で言った。


「師匠、お帰りネ!」


「うむ」


 師範は手をあげて答えた後、道場の中をぐるりと見まわす。


「残っているのは……ロウスーとワンリーじゃったな。二人はどこにおるんじゃ?」


 そして、道場で待機していた兄妹の方を見て問いかけた。


「ワンリーさんは師匠との手合わせの前に軽く体を動かすって言って出たったネ。ロウスーは……緊張しすぎて便所に行ったヨ」


 シャオメイは肩をすくめる。


「ふむ、そうかそうか。……では、ワンリーの相手が先じゃのう。ちと探してくるか」


 師範はそう言って道場を出て行こうとしたが、その途中でふと立ち止まった。


「ルッタ、シャオメイ」


 入り口で振り返り、二人の名を順番に呼ぶ師範。


「どうかしたのですか?」


 突然のことに、ルッタは首を傾げながら問いかける。


「今日はお主らが試練に合格しためでたい日じゃ。わしがご馳走を作ってやるから、二人で山を下りて買い出しに行って来なさい」


 次の瞬間、シャオメイの表情がぱっと明るくなった。


「師匠……! それってつまり……シャオメイがルッタと二人っきりで買い物に行くってことカ……!?」


「だからそう言っておる」


「やったーっ!」


 両手を上げてぴょんぴょんと飛び跳ねるシャオメイ。


「師匠のこと大好きネっ!」


 彼女はその勢いのまま師範に抱きついた。


「これこれ、やめんか。ほっほっほっ!」


 そう言いつつ、師範の方も嬉しそうである。


「シャオメイはそんなにお買い物に行きたかったのですか?」


 その様子を見たルッタは思わずそう聞いた。彼だけ置いてけぼりである。


「お買い物大好きネっ!」


「でも、この前は面倒くさがっていたような気が……」


「お買い物大好きネっ!」


「…………」


 今のシャオメイの気迫は、ルッタをも黙らせるものであった。おそらくは修行の成果だろう。


「……そうじゃ、お金はお主に渡しておこう」


 師範はそう言って、金貨が入った袋を懐から取り出しルッタに手渡す。


「欲しいものがあったら、余ったお金で好きに買うとよい」


「ありがとうございます、師匠!」


「……シャオメイのことも考えてやらねばいかんぞ」


 お礼を言うルッタに対して、彼は小さな声でそう耳打ちするのだった。


「…………? はい、わかりました!」


 ルッタにはその意図を理解することができなかったが、師範の言うことなのでひとまず従うことにする。


(まさか、ここに来ておつかいクエストが発生するとは思っていませんでした! 一周回って新鮮かもしれません……!)


 彼は内心で、そんなことを考えていた。


「師匠! クエストが終わったらムゲン水を――」


「それじゃあ出発するネ! 町はシャオメイが案内するから、ルッタはついて来るといいヨ!」


 シャオメイは緩んだ顔でそう言いながら、ルッタの手をぐいぐいと引っ張る。


「あの、僕も町のマップは記憶して――」


「迷子にならないように、手も繋いでおくべきネ!」


 ルッタが最後まで話す隙など存在しなかった。


「行ってくるネーっ!」


「………………」


 かくして、ルッタは煮え切らない表情をしながら連行されていくのだった。


 つまり道場には師範とハオランだけが取り残されることとなる。


「……はっはっはっ! 二人だけでは心配だなっ! やはり、ここはオレも――」


 そう言って出て行こうとするハオランの肩に、師範がぽんと手を置いた。


「ハオラン。お主は留守番じゃ」


「なんだってッ?!」


 ――かくして、シャオメイの恋路を邪魔するものは全て排除されたのである。

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