表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ゲーマーは無限レベルアップで成り上がる!  作者: おさない
第四章 目指せ無限レベルアップ
102/131

第99話 被害が大きすぎます!


「ふ、ふれんどりー……ふぁいあ……っ!」


 ハオランによって派手に吹き飛ばされ、満身創痍となったルッタ。


 彼は周囲の瓦礫や同じく犠牲となった幻夢流の人を押し除けながら、よろよろと立ち上がる。


「ひ、被害の状況は……?」


 ハオランの背後にある町の広場では、大変な騒ぎになっていた。


「何が起こったっ?! 賊の襲撃かッ?」


「違う……化け物だ……ッ! 魔人が出たんだっ! み、みんな逃げろおおおおおッ!」


「いやあああああああああッ! 私の子には何もしないでええええッ!」


「おがあざんこわいよおおおおっ!」


 人々は先を争うように逃げていき、あっという間に静かになる。


(これでは……衛兵が来てしまいます……!)


 かくして、ハオランが投獄されるまで秒読みの状態となったのだった。


「……おや? ルッタがいないぞッ! どこへ行ったんだルッタッ!?」


 当の本人は今さらルッタが隣に立っていないことに気づいたらしく、慌てた様子で周囲をきょろきょろと見回している。


「ここに……います……!」


「ルッタッ!?」


 ハオランは深手を負った彼のことを発見し、大急ぎで駆け寄った。


「視界が……ぐにゃぐにゃしています……混乱状態です……あうぅ……」


 かなり深刻なダメージを負ったらしく、ルッタはそんなことを言いながら再び倒れ込む。


「しっかりするんだッ! ルッタ! ルッターーーーーーーーーッ!」


 それを叫びながら受け止め、何度も体を揺さぶるハオラン。


「う、ぁ、あの……今の僕を、あまり動かさないでください……」


 ルッタの混乱時間が延長された。


「一体何があったんだ! 誰にやられたッ?!」


「ハオランです……」


「お前を一瞬でここまで追い込むなんて……とんでもなく強い奴だな……ッ! どんな奴なんだ……ッ!」


「ハオランです……」


 消え入るような声で必死に訴えかけるが、何故か彼の耳には届かない。


「こうしちゃいられないッ! オレはすぐにそいつの後を追いかけるから、ルッタはここで休んでいるんだッ!」


 そう言って、地面にそっとルッタのことを置き直すハオラン。


「だめです……僕の手には……負えません……!」


「うおおおおおおッ! よくもルッタをーーーーーッ!」


 彼はそう叫びながら、道場の中へと突撃していくのだった。


(……ハオランが範囲攻撃で味方を巻き込むキャラだということを……すっかり忘れていました……!)


 一人残されたルッタは、魔法で自身の体を治療しながらそんなことを考える。


「……全身が痛いです」


 そして、涙目で言いながら立ち上がるのだった。


「……でも、今ので僕がハオランの経験値になったので……結果的に良しとしましょう!」


 しかし次の瞬間には元気を取り戻し、トコトコと半壊した道場の中へ入っていったのである。


 *


「いたぞッ! あのガキだ!」


「とっ捕まえて縛り上げてやる!」


 ダンジョン攻略を開始したルッタの行手を阻むのは、もちろん幻夢流の門下生たちである。


「とうっ!」


「ぎゃああああああああっ!」


 向かってくる敵たちを拳で蹴散らしつつ、師範とハオランを探してどんどん先へ進んでいくルッタ。


「むなしい……!」


 しかし、いつもより攻略に乗り気ではない様子である。


「経験値が……無駄になっています……っ!」


 理由はもちろん、未だにレベル上限を突破できていないからである。


「なんてもったいない……っ!」


「や、やめてくれええええええッ!」


 ――バキッ!


 そんなこんなで、ルッタは自らの手で無意味に生み出されては消えていく経験値たちを見ては悲しみに暮れていた。


(無益な争いです……っ!)


 だがしかし、たまたま迷い込んだ小部屋の棚に、それは並んでいた。


「…………おや? この入れ物は……もしや……!」


 原作で見覚えのある『霧玄むげん』と書かれた瓢箪を目にし、ルッタの瞳に輝きが戻る。


 彼は素早く棚に近づき、少し背伸びをして陳列されていた瓢箪を入手した。


「間違いありません……ムゲン水ですっ!」


 軽く振って中身を確かめながら言うルッタ。どうやら、予想外の場所でお目当てのアイテムを発見することができたようだ。


「でも、どうしてこんなところに?」


 おそらく、師範が持っていたものを幻夢流の人間が没収してここに保管していたのだろう。


「……今はそんなことを考えていても仕方ありませんね! とにかくレベルアップあるのみですよっ!」


 ルッタは微塵の躊躇もなく栓を抜き、中に入っている水を飲み干した。


「まったく美味しくありませんっ! 苦いです!」


 味は微妙だった様子である。


「――んんっ?! ふ、ふおおおおおおぉぉぉぉぉおおッ!?」


 しかし次の瞬間――彼の全身に力がみなぎり、意識が覚醒する。


「おおおおおっ! ふぉおおおおおっ! おーーーーーーーーっ!」


 ルッタは瓢箪を天高く掲げながら何度も叫んだ。


「レベル上限突破ですっ! ここまで凄く長かった気がします……っ!」


 再びレベルアップできる喜びを噛み締めるルッタ。


「とにかく……今すぐ経験値が欲しいですっ! 経験値! 経験値! 経験値!」


 こうして、町に解き放たれた怪物は更なる力を得てしまったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ