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悪役転生…させんっ!  作者: とる
悪役令息転生
14/29

14. 戦闘演習

 トントントンとリズミカルに寮のドアを叩く音が聞こえる。俺は昨日ダンジョンを制覇して疲れてるんだ。まだ寝かせてくれ。


「ファルドさまー、起きて下さい!今日は演習っす!」


 騎士見習い三人組の声が聞こえる。そういえばひと月前に悪役令嬢が言い出しっぺでクラス対抗の戦闘演習が決まっていたな。今日は昼まで寝て、午後から屋敷に帰って溜まってる用事を片付けたかったんだが。

 俺は寮の食堂で騎士見習い三人組と朝食をとってから学園の敷地内にある戦闘演習場に向かった。


 この戦闘演習場は丘や川や森に小ぶりながらも砦まで用意した、王国軍でも使えるレベルの本格的な演習場だ。演習の勝利条件は相手陣地に立てられた旗の奪取、もしくは演習時間内に残った生存者の数となっている。

 演習では救命の魔導具と呼ばれる古代のアーティファクトを使用して安全が確保される。演習の参加者に致命的なことが起きた場合に一度だけ肩代わりする力があり、肩代わりされた参加者は頭上に救命の紋章が浮かび上がるので、そうなれば速やかに演習場の外に出なければならない。もちろん参加者は紋章の浮かんだ人間への攻撃は禁止だ。これさえ守れば死にはしないようになっているが、怪我は普通にするので、それは回復薬や魔法で治療する。これらの説明が学園の教師から悪役令嬢が率いる黄クラスと第三王女が率いる赤クラスの生徒になされた。青クラスの生徒は演習場の外で観戦している。


 ちなみに今回の事の発端は第二王子派の貴族が第三王女に嫌がらせをしたことだ。それを助けた主人公に悪役令嬢が喧嘩を売り、その喧嘩に青クラスの武闘派令嬢が口を突っ込み、戦闘演習で決着を着けようぜとなった。いや、勝者が何を得るという取り決めもしていないから、ほんとにただのマウント合戦でしかない。黄クラスと赤クラスの戦いの後、黄赤連合軍vs青クラスと予定されてるから尚のこと意味がわからなくなっている。だが我らが悪役令嬢は演習の勝利だけが目的になってしまったみたいで、派閥関係なく演習に全力を尽くすことをクラスメイトに求めた。派閥色関係なく一つの目標に邁進したのが良かったのか、今の黄クラスはなんとなく纏まっている。…俺以外。


「練習通りに動けば必ず勝てますわ。皆それぞれの持ち場につき自らの役目を全うすること。ただし死亡事故が起きないように救命の魔導具の紋章が頭上に浮かんだらすぐに演習場の外に退避しなさい」


「「「はいっ!」」」


 悪役令嬢の激励にクラスメイト達が力強く返事をする。


「あのー、私は何をすればいいでしょうか?」


「ファルド卿は後ろで見学していたらどうかしら!わたくし指揮に忙しくて練習に出てもいない方のお相手をする暇がありませんわ!」


 悪役令嬢にお伺いを立ててみると、案の定一ヶ月丸々練習をサボったことを凄く怒っていて戦力外通告された。仕方ないので悪役令嬢の後ろに立って見学させて貰うことにした。


 両クラスが自陣に移動したら演習の始まりの合図が鳴り響き、皆がいっせいに動き出した。黄クラスは悪役令嬢が小高い丘の上に立つ砦で旗を護りながら指揮を執り、護衛として魔法兵×2、近接戦の兵士×2をそこに配置、砦の周りに土魔法で堀を掘らせて防御陣地を作成して魔法兵と弓兵を置いていく。遊撃に技量の高い兵士と魔法兵を割り当て、自陣の近くでのフォローにあたらせるという遠距離戦兵主体の防御的布陣となった。ちなみに騎士見習い三人組は遊撃隊に振られていた。


 俺は悪役令嬢の後ろで見ていて意外な指揮ぶりに驚いていた。赤クラスの突出した戦力である主人公と聖女令嬢の二人にモブを当てても蹴散らされるだけなので、正面から当たらない立ち回りが正解と俺も思っていたが悪役令嬢もそう判断していたとは。

 彼女の性格ならイケイケな攻撃的布陣で正面突破を図るだろうと思っていたが、黄クラスの突出した戦力が悪役令嬢一人だけという現実を冷静に捉えて判断したのだろう。


「小さき風よ、囁きの旋律を奏でよ。来なさい翼の精霊」


 悪役令嬢が詠唱を始めると、空中に描きだされた薄緑の召喚陣が輝き、小さい鳥のような見た目の精霊が召喚された。


「精霊召喚とは珍しい資質だ」


 俺がつい小声で感想を漏らすと、悪役令嬢から返事が来た。


「精霊召喚はわたくしの得意な術ですわ。精霊と感覚を共有させれば空から戦場を俯瞰することも可能なのです」


 小鳥を空に解き放ち、赤クラスの陣地に向けて飛ばした。視覚を繋いでクラスメイト達に赤クラスの様子を教えてくれる。


「赤クラスは自陣に王女殿下と護衛を何人か置き、聖女と護衛騎士が率いる部隊ともう一つの部隊の二つに分けて同時侵攻してくるようですわね」


 悪役令嬢は遊撃役のクラスメイトを敵の侵攻ルートに合わせた場所へ伏兵させる。


「赤クラスはシンプルな力攻めで来ましたわね。奇策とか出してくれたら裏をかいて大打撃を与えられますのに」


 不満そうに唇を尖らせる悪役令嬢の説明を聞いていて俺は思った。精霊召喚はヤバイ。冷や汗が止まらない。空を飛ぶ精霊と視覚を共有してリアルタイムに戦場を俯瞰するとか。悪役令嬢が一人居るだけで敵の戦術は丸裸だ。しかも長い時間使っていて負担を感じさせないから支払うコストも安そうだ。


 悪役令嬢は赤クラスの動きに合わせて防御陣地や罠の作る場所も細かく指示を出していく。赤クラスと会敵する前には完璧に準備が終わっていた。


「赤クラスは森に潜んで攻撃準備をしているようですわね。突撃を待つ必要もありませんわ。近くの防御陣から攻撃を撃ち込みましょう。伝令を出して」


 こちらから先に仕掛けるべく悪役令嬢から出された命令を受け取った最前線の兵士達は、防御陣同士でタイミングを計って森に潜む赤クラスへの矢と魔法攻撃を始めた。魔法は土属性を主体とした攻撃だ。火属性で森を燃やすのはなるべく止めてくれと最初に学園からお願いされているので、その攻撃は今回禁止している。


 突然、矢や石の一斉射を受けた赤クラスの攻撃部隊が浮き足立つ。伏兵していた黄クラスの遊撃兵が切り込んで何人か斬り捨てたが残念ながら救命の紋章が浮かんだ生徒はいなかった。学園生は魔法に長けた貴族の子女なので生半なことでは致命傷を受けることは無いのだ。


 まさか自分達の動きに合わせた攻撃がこんなに早く来るとは思わなかったのだろう。悪役令嬢が上空からリアルタイムで監視しているからこそ出来る芸当だ。だがさすがに主人公と聖女令嬢が率いる部隊は立て直しが早い。主人公は飛んでくる弾を先頭に立って斬り落とし、黄クラスの遊撃兵にも何人か救命の紋章が浮かぶほどの攻撃を加え、聖女令嬢は負傷者を即座に回復させていた。今回の演習では回復薬など財力で差がつくモノは一人一個と個数が制限されていたので、無制限に回復できる聖女令嬢の力はチートと言える。まあ、悪役令嬢の精霊召喚もたいがいなのでバランスは取れていると言えるのか?


 赤クラスは部隊で足並みを揃えることは諦めて突撃を敢行した。黄クラスの防御陣地は丘の上の砦を中心に塹壕を掘り、二重の防御陣となるようにしている。突撃部隊の援護に後方から矢と魔法が第二防御陣地目がけて降ってくる。黄クラスも矢と魔法を応射して突撃の勢いを削いでいく。


「!?落とし穴があるぞ!」


 先陣を切っている主人公が第二防御陣地前に巧妙に隠された落とし穴を見破り、仲間に警告した。そのまま止まるか迂回するかと見ていると、主人公は剣に炎を纏わせ横一文字に振り抜いた。虚空を薙いだ剣閃は穴を蓋する地面を切り裂き、焔は切り裂いた地面を土砂に変え、防御陣地側に吹き飛ばした。

 突然の土津波に襲われた第二防御陣の黄クラスの兵は攻撃の手が止まってしまう。短い時間でも攻撃が緩んだ隙を逃さず、主人公率いる赤クラスの兵は高くなった塹壕手前の壁を駆け上っていき、塹壕に飛び込むと慌てる黄クラスの兵を斬り捨てていった。主人公に斬られて頭上に救命の紋章を浮かび上がらせた黄クラスの兵はすぐに戦場の外へ避難していく。その場に留まって攻撃に巻き込まれれば次は救命の魔導具の肩代わりがされないので必死だ。

 第二防御陣から第一防御陣へ登る細道を避難できた黄クラスの兵は赤クラスの追撃を止めるため、細道に魔法を撃ち込み崩してしまう。追撃の足が止まった赤クラスの兵に第一防御陣から矢と魔法が飛んできてダメージが蓄積し過ぎた赤クラスの兵の幾人かが頭上に致命の紋章を浮かべてしまう。自力で避難が難しい者は周りが戦場の外へ運んでいった。


 赤クラスの2つに分かれた攻撃部隊は主人公側が第二を破り第一防御陣まで辿り着き、もう一方は丘の別側面にあるもう一方の第二防御陣を抜けずにいる。黄クラスと赤クラスの双方ともに救命の紋章を浮かべた離脱者が出ていて攻め手側の赤クラスの方が離脱者は多い。だが主人公の奮迅で黄クラスにも少なくない離脱者が出ていた。


「第二防御陣の守りはもう下げなさい。赤クラスの先行している部隊に側面から攻撃を受ける危険がありますわ」


「はい!伝令に向かいます!」


 悪役令嬢の落ち着いた指揮ぶりのおかげで、黄クラスの生徒も浮き足立たずについて行けている。


「砦の壁の補強は終わっていますの?」


「はっ!完了しているとの報告がありました!」


「結構。では赤クラスの攻勢に絶えきれずに戦線を下げる体で砦に立て籠もりましょう。上手く赤クラスを引き付けられるようにお願いしますわね?」


「「「はい!了解致しました!」」」


 みんな凄いね。キビキビしてる。黄クラスの一体感も凄いし、何もやってない俺の疎外感も凄いわ!なんか悪役令嬢が凄すぎて、そのまま勝っちゃいそうなんだけど!このまま俺だけ何もせず終わったら、クラスで身の置き場が無くなるなるのでは?いや別にいいんだけど、いいんだけどね?

 俺がもんもんとこれからの学園生活のあり方を考えているうちに、戦況に大きな動きがあった。


「全員、砦の中に引きなさい!赤クラスが砦の壁を越えないように抑え込んでくださいまし!」


 悪役令嬢が砦に隠れて魔法の授業でも見せた雷の大魔法の準備に入る。あれは砦の壁越しでは当てられないはず。どうするのだろうか?

 悪役令嬢が詠唱を進めるにつれて、以前見せた魔法とは違い、砦内部にどんどんと黒雲が魔方陣から生み出されていく。


「──外に流して!」


 悪役令嬢の合図で5人の魔法兵が風の魔法を使って、砦内に溜まった黒雲を壁を越えて砦外に押し出していく。壁の外に取りついていた赤クラスの生徒が、突然もの凄い勢いで砦から溢れ出した黒雲に慌て出す。


「!?みんな退避だ!丘の下まで走れ!!」


 主人公が危険を察して皆に警告を発する。


「既に遅いですわ!サンダーサーペンツロア!!」


 砦の上に立った悪役令嬢が魔法を発動すると、黒雲から紫電の大蛇が無数に躍り出て赤クラスの生徒を貫き蹂躙していく。雷に蹂躙される赤クラスの生徒が、体力の限界が来た者から一人、また一人と救命の紋章を頭上に浮かべて倒れていった。紋章の浮いた生徒を大蛇が避けるようにしている悪役令嬢の制御力も素晴らしい。


「くっ、負けられない!みんな、まだ倒れないで!」


 聖女令嬢が全体回復の魔法を赤クラスの生徒達にかける。紫電の大蛇に打たれ体力が尽きようとした赤クラスの生徒達が、聖女令嬢の回復の光で持ち直し、また雷で体力を削られては回復しの繰り返しに歯を食いしばって耐えている。

 そんな拮抗状態を破らんと、黄クラスの兵が砦の壁に登り、聖女令嬢を射ようと弓を構えた。


「──母なる大地よ、其の恵みを呼び起こせ。緑の息吹よ、眠れる種子を目覚めさせよ。精霊への賛歌と共に生命の調べをここに奏でん。ヴェルダンチャント・アルザンスカイ」


 狙いが定まり黄クラスの弓兵が矢を放とうとしたその時、朗々とした歌うような詠唱の魔法が発動し、緑の木々が砦の壁を崩壊させながら凄まじい勢いで生い茂った。


「きゃあああ!?」


 崩壊する砦の壁から悪役令嬢が転げ落ちる。紫電の大蛇の魔法は維持できずに霧散し、聖女令嬢の回復の光が赤クラスの生徒達を癒やしていく。

 壁を崩した魔法は本拠地から出てきた第三王女の植物魔法だ。まさか学園の演習で手を出すとは思わなかった。そういえば主人公への好感度が高まると戦闘にも参加するようになってたな。


「今がチャンスだ!」


 主人公が叫び、炎を纏った剣の一振りで生い茂る緑の木々を斬り飛ばした。倒れる悪役令嬢に向かって赤クラスの生徒達が剣を構えて突撃する。黄クラスの兵は崩れた壁や未だ伸びる木々に阻まれ、悪役令嬢の助けに間に合わない。最高戦力の悪役令嬢が倒れれば、瞬く間に旗を奪われ敗北するのは間違いない。剣を振りかぶった六人の赤クラスの生徒が瓦礫を飛び越えて悪役令嬢に迫る。


 ドドドドドドッ!!!!


 突如発せられた謎の連打の音。見えない壁にぶつかったようにもんどり打った六人の生徒全員の頭上に救命の紋章が浮かぶ。

 誰もが悪役令嬢が討ち取られると思った。黄クラスの兵たちで助けられる位置にいる者は居ないと思われていた。ただ一人、今の今まで空気と化し、演習に全く参加していなかった者を除いて。


「──だいぶ強くなったようだね。君たちが今どれぐらいの強さに至っているか、未来のために俺にその力を見せてくれないか?」


 ごめん、主人公に向けて意味深な台詞を言ってみたが、ほんとのところ、手を出した理由はここで俺が何もせずに黄クラスが負けてしまうと、ヤバいぐらいにクラスで浮いてしまいそうだったからなんだ。

 なんかシチュエーションといい、タイミングといい、ここで手を出さないともう出番ないよって感じだったからやっちゃった。これって中ボスムーブになるのかな?敵か味方かわからない謎の強キャラムーブのつもりなんだが。


 主人公や聖女令嬢や赤クラスの生徒、悪役令嬢や黄クラスの生徒、つまり全員が何故か固まっている。そんなに驚くようなことしたか?悪役令嬢や第三王女の魔法の方がだいぶ派手じゃないか。まあ止まってくれてるのは都合がいいので今のうちに数を減らしとこう。


 俺は右手の89式銃魔法でタタタタタと赤クラスの生徒を撃ち抜いていく。学園地下遺跡ダンジョンで散々大量の魔物共を相手にしたので、学生程度が防ごうとしたり避けようとしたところで、簡単にヘッドショットを決めていける。次々と頭上に救命の紋章を浮かべながら目を回して倒れていく様が気持ちいい。異世界人の記憶にこんな感じのゲームがあったなと思い出しながらどんどん倒していく。

 主人公が炎を纏った剣で技を出してこようとしたので、89式銃魔法を5発ほど叩き込んでキャンセルさせる。さすが主人公というべきか、弾丸は全て剣で受け止められていたので、10発ほど追加して丘の下まで押し戻しておいた。


「エリザベス嬢、お怪我は御座いませんか?」


 地面に座り込んだままの悪役令嬢の傍によって助け起す。惚けていた彼女も立ち上がるときには我に返ったようで、(まなじり)を釣り上げた般若顔で言葉にならない声を発していた。これは嬉し恥ずかしではなく、サボりまくってた不真面目な奴が、良いところを掻っ攫っていったことに怒ればいいやらお礼を言えばいいやらで感情が千々に乱れている表情だな。


「──これはどういうことですか?」


「どうとは?赤クラスの生徒に退場して貰っただけですが」


「そうではなく!いや、そうなんですけども、どうやってこんな一瞬で大量の生徒を倒せるんですの!?詠唱もない魔法で?指先から何か飛び出してましたわね。とんでもない速さで!」


 矢継ぎ早に悪役令嬢から質問が飛ぶ。詠唱無しで貴族の魔法防御を一発で抜く威力に興味津々のようだ。この娘はご令嬢然としているが、実のところは研究者気質なのかもな。


 主人公と聖女令嬢と第三王女が合流した。俺が赤クラスの前線にいた兵をほとんど退場させたので、形勢は大きく黄クラスに傾いている。俺は三人に向かって丘を下りていった。


「お二人とも僕の後ろに!ファルド様の攻撃は魔法防御を容易く突破してきます!」


 主人公の対応はいいね。俺の銃魔法は派手さは無いが、普通の魔法とは桁違いの魔力を込めているから、紙装甲の後衛では受けると痛いだろうしね。


「ファルド様!なぜそちらに味方するんですか!?」


「ファルド卿…そんな力を隠していたのですね」


 聖女令嬢は何を言っているんだ。婚約破棄の時に君と主人公の仲を応援するよと言ったがリップサービスに決まってるだろ。ていうか黄クラスの俺がなんで演習で味方すると思うんだ。

 それと第三王女殿下、隠していたとは人聞きが悪い。貴女方のイベントにほとんど関わらなかったので、見せる機会が無かっただけです。


「ファルド卿、力を見せろとはどういう意図ですか?」


 演習に自然に参加するために適当に言ったことです、とはさすがに言えんよな。人間性を疑われる。


「それは貴女方ならわかるのでは?聖女殿は特に必要としているはず」


「!?…ファルド様、貴方はいったい何を知っているのですか?」


 聖女令嬢が光魔法の威力を高める聖杖を握りしめて不審げな顔をして身構えた。ゲーム知識で良ければラスボスどころか裏ボスまで知っているぞ。なんなら主人公の10股を越える女性遍歴も知っている。


「君たちが魔王に勝てる可能性があるのか、それを見せて俺を安心させてくれ」


 最後の言葉は三人だけに聞こえる程度の小声で呟き、腰の後ろから愛用のサバイバルナイフ風の短剣を抜いて、主人公に斬りかかった。


明日は6時30分に投稿します。

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