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3話  作者: マグciel
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集結

ギルドへ入ると中は多くの人達で賑わっていた。3人は集会所を見回しながら歩いていき、とりあえず席に着く事にした。すると男性や女性が近づいて来てエリスに話しかけた。

「お嬢ちゃん!いい目をしてるな、どうだうちのパーティに入らないか?」

「君、かわいいね。うちのパーティに入ってよ!」

「いや、うちのパーティに…」

数人が押しかけてエリスをパーティに誘い出したが、白やアルスが誘われることは無かった。アルスは違和感を感じつつも、今にも手を出しそうになっている白を(なだ)めた。エリスも白たちと別れるつもりも毛頭無いため、断っていた。

「白さん、落ち着いてくださいね?」

「私はお姉ちゃん達と一緒なので、ごめんなさい。」

押しかけてた人々が離れていきつつある中、これとは別で騒がしくなっていた。ギルドの出入口辺りに人だかりが出来ており、白達の方にも声が聞こえてきた。

白銀の輝き(グロージェント)が帰って来たぞ!」

「あのプラチナランク冒険者(リテア)か3人もいるパーティじゃん!」

「Aランクモンスターを撃退したこともあるパーティじゃねぇか!」

その人だかりの中心には名前の通り白銀の鎧に身を包んだ男性と銀髪の魔法使いらしき女性、金髪の魔法使いらしき女性の3人が居た。男性は人だかりを押し退けつつ、エリスの元へとやって来た。

「やぁ、僕はシルバ。こっちの銀髪の子はラータ、金髪の子はルイスって言うんだ。2人とも大切な仲間さ!それと僕はここのギルドではまぁ、1番強いかな〜。どうだい、君も僕たちと共に行かないかい?」

「私にはもう仲間がいるので。」

爽やかにキメつつエリスを誘ったシルバだったが、エリスにあっさりと断られてしまった。断られると思っていなかったのか、その後もシルバは続けて話した。「こんな(・・・)方達よりも僕達と一緒に来よう!装備もお金も用意するし、寂しい思いもさせないよ。」

「いや、結構です。」

エリスは淡々と返した。するとシルバの横にいた2人の女性は納得いかなかったのか文句を言い始め、シルバはそれを(たしな)めていた。

「貴方みたいな子供を誘ってあげてるってのになんなの。」

「そうよ!シルバの優しさをありがたく受け取りなさいよ。」

「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。そうだ、このギルドの地下には修練所があるんだ。そこで3対3の勝負をして、僕らが勝ったらパーティに入ってくれないか?負けたら何でも言う事を聞いてあげてもいい。」

上から目線で提案してきたシルバに対して白は殺る気満々だったが、エリスがそれを止めた。

「いいよ、やろうか。(半殺しなら許されるよね…)」

「お姉ちゃん、ここは私一人で十分だよ。私の事は私で片付けるの。困ったら頼るから、ね?」

「エリスがそう言うなら…(エリスちゃんかわいい〜♡)」

白とエリスのやり取りを聞き、「またこの人は」と思っていたアルスをよそに、シルバは少し驚いたがやがて、

「そっちがそれでいいならいいよ。できれば君は傷つけたくなかったんだけどね。さぁ、こっちだ!」

と言うと、白たちやグロージェントを含む多くの冒険者(リテア)達は修練所へと移動した。冒険者(リテア)達と共に、白とアルスはエリスvsグロージェントの決闘を見ることとなった。修練所へは先程まで誘ってきていた者や、他のリテアまでもが観客席へ座った。白とアルスは関係者として特別席へと案内された。

「もう一度言う。ほんとに1人でいいのかい?」

「充分。」

シルバとエリスがそう交わすと、観客席に座っていたリテア達は盛り上がった。

「嬢ちゃんがんばれよ!」

「グロージェントも意地見せろぉ!」

「うぉぉおおおおおお!!!」

盛り上がったリテア達を他所に、ギルドの受付嬢が来て開始の合図をした。

「それじゃあ始めます!」

そして鐘を鳴らすと、いよいよ決闘が始まった。まずはラータが魔法で攻撃を仕掛けた。

「アイシクルランス」

尖った氷をエリスに向かって放った。その横ではルイスがシルバに向けて補助魔法をかけていた。エリスはその様子を見ながら魔法を放った。

「インパルス」

雷属性の魔法は氷属性魔法と相殺した。ラータは「(不利属性出1位階上の魔法を相殺!?いや、若干押されてた…あの子と私にどれだけの差が……)」と思いながらも次の魔法を放つ。

「レイドヘイル」

エリスに向け無数の氷の粒が放たれた。しかしエリスはこれも余裕そうに受けた。

「オスキュリテ」

闇属性の魔法は無数の氷を飲み込むと、ラータへと向かった。しかしこの魔法は強化されたシルバが剣でかき消した。するとシルバはエリスに正面から距離を詰めた。そしてルイスとラータが魔法を放ち、シルバが攻撃をした。

「アトラペ。フラッシュ」

「エンチャントフローズン。アイシクルランス」

「レイドスラッシュ」

ルイスはエリスの体を魔法で出来たロープで拘束し、フラッシュで目眩しをした。エリスがロープで拘束された際には、アルスの横で"ガタッ”と椅子から立つ音がした。その後ラータはシルバの剣に氷属性を付与し、氷魔法を放った。そしてシルバは氷属性を纏った剣でエリスに斬りかかった。しかしエリスは拘束を力ずくで解くと目を瞑りながら、

「フェルド」

炎魔法を放ち氷魔法を唱えたラータはそのまま魔法による攻撃を受けボロボロになった。魔法を唱えるとほぼ同時にエリスはシルバの横腹を蹴り飛ばし、シルバは修練所の壁に衝突して気絶した。そしてエリスはゆっくりと歩きながら残されたルイスへと近づいた。ルイスはその場にへたりこんでしまったが、何とか言葉を放った。

「わ、私たちの負けです、許してください。」

土下座をして声が震えているのが分かった。するとこの降伏したと認められ、ギルドの受付嬢は終了の鐘を鳴らした。

「勝負あり。そこまで!」

「嬢ちゃんすげぇな!」

「おいおいグロージェント、なにやってんだよ。」

「うぉぉおおおおおお!!!」

観客席はまたもや盛り上がった。そんな中エリスはルイスに近づき、耳打ちで要件を伝えると白たちの元に戻った。白はどんなお願いをしたのか気になり聞いてみた。

「エリス〜どんなお願いしたの?」

「ん〜ひみつ♪」

だがエリスはイタズラな笑みで応えると、白はそれ以上は聞かないけどと言った感じでエリスをくすぐりだした。

「お姉ちゃんに秘密をつくるなんていけない子だね♡」

「ちよっ、お姉ちゃん!くすぐったいって、あはははは」

白とエリスが楽しそうにしているのをアルスは横でただ見ていた。「羨ましい訳では無い」と自分の中で考えていると、白と目が合った。

「あれぇ?もしかしてアルスもやって欲しかったのかな?」

「いや、結構です。早く戻りましょう。」

アルスが照れくさそうにそう言うと、白はムスッとした。

「アルスはもっとお姉ちゃんに甘えてもいいんだよ?」

「いやだからいいですって!」

白はエリスに撫でられたことで機嫌を直し、アルスは「まったく…」と少し寂しそうにしながらも3人と観客達は集会所へと戻った。グロージェントは、もうしばらく安静にすることにした。集会所へ戻った3人の元に兵士がやってきた。

「賢者の方々、王様がお戻りになられましたので城へ案内致します。」

そうして3人はギルドでの一連の件の対処をギルドへ任せると、城へと向かった。城壁に囲まれた城は大きく、圧倒されるように感じたが城内へと入り、ある一室に案内された。

「こちらになります。」

入った部屋は広く、中には既に、銀髪青眼の男性と綺麗な薄い緑の長髪に腰羽のある女性、黒髪ポニーテールの女性の3人の賢者と思わしき者達がいた。


広い部屋に招かれた白たちは賢者と思われる三人と対面した。その中でも黒い髪の女性がまず挨拶をしだした。

「あなた達も賢者なのでしょう?私はイグニスから来たヘスティアよ、よろしく。」

「私はシエル、アイレ生まれの空翼族(エール)だよ。んで…」

「俺はソイル、アイレ生まれだけど地土族(ヒロント)だ。よろしく。」

続いて薄緑長髪の女性シエルと銀髪碧眼の男性ソイルが自己紹介がてら挨拶をした。それを聞いた後、白たちも自己紹介をした。

「私は白、ルナールから来た白狐族(ルナール)です。」

「私はミッドナイトから来た吸血鬼族(ディアグレ)のエリスだよ。」

「僕はレース・アルカーナ出身の森精族(エルフ)と人間のハーフのアルスです、よろしくお願いします。」

エリスとアルスも白に続いてそういうと、三人も席について呼ばれるのを待つことにした。特にやることもなかったが、ヘスティアは”そういえば‘と思い立ったように話し始めた。

「私たちのリーダー?敵なのを決めておいた方が何かと楽だと思うのだけれども、何かいい案はあるかしら?」

「じゃんけんでいいんじゃない?この中だったら誰がやっても変わらないでしょ。」

白は席から立ってその話に乗っかった。面白そうといった感じのシエルとエリス、何でもいいといった感じのアルスとソイルの様子を見たヘスティアは白の案を採用してじゃんけんで決めることにした。

「じゃあそれでいいわね。いくわよ、じゃんけん…」

6人で行ったじゃんけんは白がグー、他5人はパーという”事前に打ち合わせをしたのでは?‘といった結果となったため、白が一応のリーダーという形になった。エリス以外は「面倒くさいことは全部白に丸投げできる」と心の中で思っていた。当の本人である白はそのことよりもじゃんけんで負けたことに悔しがっていた。そんなことをしていると部屋の扉がノックされて外から声が聞こえた。

「皆様、国王様がお呼びです。玉座にご案内いたします。」

6人は白を先頭に部屋を出て兵士に付いていき、玉座へと案内された。玉座に入ると6人は横並びとなった。玉座に座っていた王様は賢者の6人を一通り見ると、賢者たちに向けて話し始めた。

「賢者の皆殿よくぞ来てくれた。私がこの国の王、メディウスである。私の都合で待たせてしまって申し訳なかった。それはそうと、皆殿が力を授かった理由はもう分かっているであろう。何としても暗黒神が再びこの世界に現れる前に撃ち倒してもらいたい。これは賢者に与えられた使命でもある。だが今のままでは暗黒神を撃ち倒すことは困難であろう。ゆえに世界を周り、さらなる力を得るのだ。この国もできるだけ協力していきたいと思っている。そのためまずはギルドに登録しに行ってはくれぬか?こちらから話は通しておく。それとこれは地下室のカギだ、役に立つであろう。先ほどまでいた部屋は城にいる際いつでも使ってくれて構わない。では頼んだぞ。」

「承知いたしました。では失礼します。」

王様の話を聞き、白がカギを受け取り了承の返答をすると白たちは玉座から退出し、とりあえず先ほどまでいた部屋へと戻った。6人はそれぞれのやりたいことをやるため、白とシエルは城下町へ行き、アルスとソイルは地下室へと向かった。

─────

部屋に残ったエリスとヘスティアは初対面でありながらも普通に会話していた。

「ヘスティアはなんでここに残ったの?私は日光に当たりたくないからだけど。」

「私が残らなかったらエリスが一人になるじゃない。それにどこか行く用事もないからね。」

エリスが話しかけると、ヘスティアは普段と変わりない様子で返した。ヘスティアは白とシエルとは違い何度もここへ来たことがあった。その為、特に物珍しいものもなかったので残ったという理由もあった。

「ヘスティアってもっと怖い人かと思ってたんだけど、優しい人で良かった。」

自分が思ってたよりもかかわりやすいと思ったエリスはそのままの気持ちを声に出した。そう思われていたことにヘスティアは少しだけショックを受けていた。

「え…私そんな風にみられてたの。」

「いや違くて…ヘスティアは綺麗だし怖いとか思われてないと思うよ!」

慌ててエリスが取り繕おうとした。そんな様子を見たヘスティアは‘ふふっ”と笑った。

「ごめんなさい、少しからかってしまっただけよ。」

「嫌われちゃったと思ったよ~」

ほっと胸をなでおろしたエリスは、ちょうどいい機会だと思ってもう一つ気になっていたことを聞いた。

「私は1人っ子で兄弟はいないんだけど、ヘスティアは兄弟とかいるの?」

「弟がいるわ。私とは違って真面目でいい子だからお父様も気が楽でしょうね。」

エリスはヘスティアがしっかり者であることは見たときに分かっていた為驚いた。ヘスティアは自分よりも弟の方が真面目だと思っていた。そしてもう一つ気になることが出来たエリスは続いてヘスティアに聞いた。

「ヘスティアの両親は心配してなかった?」

「お父様は心配していたわ。お母様は…会ったことがないの。お父様が言うには私が生まれた時に村を出たって言ってて、まだどこかで生きてるって…。だからこの暗黒神討伐の旅で、お母様と会いたいって思っているのよ。」

先ほどまでの和やかな雰囲気とは変わり、少し暗い空気が流れていた。その空気感に押されるようにヘスティアからもエリスに訊ねた。

「エリスはどうなの?一人娘なら旅に出ることも駄目って言われそうだけれど。」

「私のお母様は昔、私たちの居たミッドナイトを守るために戦って…守り抜いて亡くなったの。そんなお母様みたいに強くなりたいし、会ってみたい。でも死者に会うには霊界に行かなきゃいけないってお父様が言ってたんだよね。」

「霊界って、死者だけが行けるって言われてる場所でしょ?」

「うん。でもみんなと一緒にいたら死ぬ以外にも霊界に行ける方法があるんじゃないのかなって思ったんだ。」

「そう…」

暗い雰囲気が二人を包んでいた。お互いに母親に会いたいと思う気持ちがあり、母親に会うことも目的としていることが分かった。

「じゃあ一緒だね。私もヘスティアもお母様を探して会って、暗黒神も倒してハッピーエンドだね!」

暗い空気を吹き飛ばす勢いで元気よくエリスがそういうと、

「いいわね、その考えに同意だわ。」

とヘスティアも同調した。暗かった雰囲気は穏やかな雰囲気へと戻り、二人は普通に会話をし始め時間が過ぎていった。


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