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ピンクゴールド

なんかちょっとかっこいいかも。


サイン入り特製ナイフってのも記念バットみたいでいい感じ。


「それ、焼入れすんぞ」


「このままでいいよ」


「なんでだよ?剣と同じにしてやるっていってんだよ」


「だからいいって。神様のサイン入りナイフなんてかっこいいじゃん」


「やっ、やめろよバカ・・・」


何をテレてんだ?


こちらから宝石店に伝える事が終わって、後日ヘスティアプレートを持ってくることに。


「タマモ、ちゃちゃっとプラチナが手に入るか確認してくるからウェンディ達とボッケーノで待っててくれ」


宿代とかお金をわたしてぬーちゃんと飛んで行く。ウェンディを乗せていないから速い速い。セイも必死でしがみついて当日に到着した。


「寒かったぁ。ヘスティアにマント貸したままだったしな」


「だいじょーぶー?」


「明日の朝に街に行って服を買うよ」


で、未開発のダンジョンはやはり入口を閉じているので話しかけてみる。


「悪いけどさぁ。プラチナってのが欲しいんだよね」


ゴトンゴトン・・・


早いなおい。


「これ食う?」


といくつか残ってたオーガ肉を出すと少し入り口が開いたので投げ入れる。凍ってても大丈夫みたいだ。


オーガ肉を吸収したら入り口をあけたダンジョン。


「またなんか欲しい時にはお土産持ってくるから宜しくね」


ゴトンゴトン


今は出したのはなんかピンク色した金属だ。


「これもくれんの?ありがとうね」


一旦屋敷に帰って風呂を楽しんで就寝。翌朝にデパートみたいな店で防寒具、マット、ついでにテントを購入した。ぬーちゃんも入れるサイズだ。


そしてまたボッケーノに飛んで、いつもの宿でタマモ達と合流した。


「飯食いに行こうか」


と熱々のスパイシー料理を食べると身体がホコホコだ。ヘスティアは膝におっちんしてフーフーしてから食べてたけど。


「明日はビビデの所に行ってヘスティアプレートを作って貰わないとね」


「プラチナはどうなったんだい?」 


「手に入れたよ。あとこんなのももらったんだけど」


「へぇ、ピンクゴールドじゃないか。金の価値としては下がるけど装飾品に使うのにはいいものだよ。こっちに来てから初めて見るさね」


タマモって本当になんでも知ってるよな。


翌朝、ビビデの所でメラウスのプレートを作ってもらう。


「なるほどのぅ、神様御用達店のってか。べっぴんさんの考える事はすばらしいのぅ」 


ビビデはタマモにデレデレだ。


ついでにビビデとバビデの工房もヘスティア御用達店にすることにした。


ヘスティアがプレートにサインをしていくとビビデは小躍りして喜び、明後日の方向を拝んでいた。


次に向かったバビデも大喜び。


「ヘスティアがね、ワイバーンの服を作って欲しいらしいんだけどドラゴンの血ってもうないよね?」


「悪いがあれは手に入るかどうかわからんなぁ。本当に神様が欲しいと言ってるのか?」


「いま俺のマントを着てるよ」


「そっ、そうか、そうか、俺の防具を神様が着てくれているのか」


明後日の方向を拝むバビデ。


サカキが出てきたので忙しいのに宴会を始めるようだ。神様御用達の祝杯らしい。ビビデも呼んでくるとタマモも参加してほしいといった。面倒だからウェンディとヘスティアも押し付けておく。



次は宝石店だ。


「プラチナ持ってきたよ。はい」


「え?え?こんなにたくさんどこから・・・」


「未開発ダンジョンから。あとこんなのもあるんだけどいる?」


とピンクゴールドの塊を渡す。


「なっ、なんですかこれはっ」


「ピンクゴールドっていうらしいんだよ。金より価値は落ちるらしいけどタマモがアクセサリーにはむいてるんじゃないかって」


「いえ、価値が劣るとかそんな・・・。こんな美しい金属は見たことがありません。あーなんと言うことだろうか。創作意欲が湧いて止まりませんっ。くそっ、こんな時にこれに見合う宝石があればっ・・・」


「じゃあ、宝石を渡しておくからこれ使いなよ」


「い、いえっそんなわけにはっ」


「じゃあ、売れたら使った分の仕入れ代金頂戴。それなら資金調達に困らないでしょ?」


「いっ、いいのですか?」


「俺が持ってても使い道ないからね。あとプラチナとピンクゴールドって今回のアクセサリー代に充当出来る?」


「もちろんでございますっ。残りは商品が売れた時に仕入れとして払いますっ」


「預かり証も別にいいから頑張っていいの作って儲けてね。あとこれはヘスティアプレート。この店と武具のビビデの工房、防具のバビデの工房と3箇所がヘスティア御用達店になったから」


「ありがとうございますっ。ありがとうございますっ。セイ神様と呼ばせて頂きます」


「いや、そういうの別にいいんで」


俺はあんなにワガママではない。



「ぬーちゃん、面倒なの誰もいないから温泉に入りにいこうか?」


「うーん」


前にヘスティアに案内してもらった温泉にぬーちゃんと入りに行く。角有りを焼いて食べ温泉に浸かっているとイフリートがやって来た。


「セイ様、お待たせ致しました」


「場所わかった?」


「はい。人類未踏の地となりますが、地図で申し上げると」


「待て待て待て待て。なんだよ人類未踏の地って」


「未だかつて人類が足を踏み入れてない・・・」


「それはわかってる。なんでそんな恐ろしげな所に行かないといけないんだよっ」


「ドラゴンがたくさんいるからでございます」


「あのさぁ、ヘスティアの服作るだけなんだぞ。一匹で十分だろうが」


「血を求めるヘスティア様が一匹しかいないドラゴンが血ではない物に変わったらと思うと・・・」


そう言ってブルッと震えるイフリート。ヘスティアがアレとはいえ、血を求めるとかバンパイみたいに言ってやるな。


「はんっ。別に俺様はお前の血でもいいんだけどな」


「へッ、ヘスティア様っ」


ヘスティアをバンパイア扱いしたのを聞かれたイフリートは直立不動になった。


ニヤニヤ笑いながらポキポキと指を鳴らしてイフリートに近付くヘスティア。まだ刺繍していないのに、マントに喧嘩上等の文字が見えるようだ。


「ヘスティアやめろ。イフリートはお前の為に色々探してきてくれてんだぞ。ありがとうぐらい言ってやれ」


「こいつが嫌な言い方しやがるからだろうが」


「誤解だ。そんな意味じゃない。取り敢えず風呂から出るからあっち向いてろ」


服に着替えるとイフリートは俺の後ろに隠れた。お前の方が何倍もデカいから隠れられてねーぞ。


「お前さぁ。イフリートって眷属なんだろ?もっと労ってやれよ」


「こいつがサボってたり嫌な事を言ったりするからだろうが」


「お前が遊んでる間も働いてんだろ?サボってるとか言ってやるな。休憩くらい自由にさせてやれ」


「ちっ、わかったよ」


「セ、セイ様」


シュウシュウと目尻から湯気を立てるイフリート。これぐらいで泣いて喜ぶな。


俺の後ろに隠れながら大雑把な世界地図を炎で描いて位置を示す。


「移動にどれぐらい掛かるかな?」


「アネモスからここまで丸1日とすると恐らく一ヶ月は必要かと」


随分と遠いなぁ。往復で2ヶ月か。


「ヘスティア、大体の位置わかったか?」


「まぁな」


「なら、春になったら出発だな。アクアに行くのは後回しにしてやるよ」


「ほんとかっ」


「本当だ。緊急事態にならなければな。だから離れろ。そしてマントを返してくれ。空を移動中それがないと寒いんだよ」


「ちぇっ。本当に作ってくれよな」


ヘスティアはマントを脱いでバサッと投げてきたので顔に掛かる。なんとなくヘスティアの温もりが残ってるのが恥ずかしい。


「ここで飯を食おうぜ。先に風呂に入ってくるわ」


ヘスティアはご機嫌で風呂に行った。飯はさっき食った所だけどいいか。


「ぬーちゃん、黒豚バラとネギと串貰って来て」


砂婆を呼ぼうかと思ったけど、ヘスティアはなんとなくこのメンバーだけで食いたいと思ってるのかもしれないと思って呼ばなかった。セイはぬーちゃんの持ってきた黒豚とネギをヘスティアナイフで切って串に刺して行くのであった。



「旨ぇなこれっ。砂婆の飯も旨いけどセイの旨いぜっ」


「大袈裟だよ。串に刺して焼いただけだろうが」


「いえ、本当に美味しいです」


イフリートにも食わしてみたらちゃんと食った。指先でつまんで、つまようじで食ってるみたいだ。


酒も入って上機嫌なヘスティアがイフリートに旨いよなぁっとバンバン背中を叩いている。その度にイフリートの口からボッボッと火が出るのが面白い。


それから日が暮れるまでそれは続いたのだった。




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