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エピローグ

「サカキ、後で相撲で決着つけようぜ」


「おう、後から行くわ」


「おいサカキ、なに毘沙門と相撲の約束なんてしてんだよ?」


「セイはこれから忙しくなりやがるだろ?俺は邪魔にならんようにオーガ島で待機しててやるわ」


「アホかーーっ。お前らにも手伝わせるからなっ」


「セイ、お腹空いたー。今食べたいのはクレーレプとー、唐揚げとー」 


「うるさいっ。ウェンディ達にも大神の仕事を手伝わせるからなっ」


「えーーっ」


「セイ様」


そこにいきなりイフリートが現れた。


「どうした?」


「各地でドラゴンが飛び廻っております。いかがなさいますか?」


「ドラゴンが?」


「はい。この地にいたドラゴンが世界各地に逃げたようです」


マジかよ・・・


「大神、古竜を呼び出してくれ」


セイは大神の眷属である古竜を呼び寄せた。


「お前にも仕事を手伝わせる。各地のドラゴン討伐をせよ」


しかし古竜一匹だと時間が掛かって被害が出るな。


「マキ、悪魔共にの力はどれぐらい残ってる?」


「ほとんどないのじゃ。四天王はこの世界の魔族と呼ばれる者たちと同じぐらいは残ってるかもしれんの」


それなら戦力になるな。


「四天王、各地にいるドラゴン討伐を命じる。お前らは元の世界に帰るまで俺の指示に従え」


「ハッ」


こうしてセイはこの世界の神の仕事と元の世界の仕事を代行することになってしまったのであった。



「おいおいおい、ドラゴンがやってきやがったぜ」


シーバス達はアクアに向かって飛来してきたドラゴンを見付けて討伐に向かう。


ボッケーノではケビンたちが、アネモスではマモン達とシルフィードやフェンリルが対応していた。


ガイアもまた冒険者達が集まり対決に挑んでいた。



セイは各地の様子を見に行き、戦力的に厳しそうなところへ古竜と四天王を配置していく。


「意外ととなんとかなりそうだな」


セイも参戦するつもりだったが各地でドラゴンと戦っている者達を見て手出しをするのをやめた。その代わりポーションをどっさりと置いていった。皆でなんとかなるならその方がいいかもしれない。今後、ドラゴンが生まれてきたら自分たちで倒せるようになっていたら神の力で浄化する必要もなくなるのだ。


各地のドラゴン戦は一週間歩道続き、討伐や追い払う事に成功をしていた。



次は元の世界の事か・・・


ひょうたんからぬらりひょんを呼び出して誰にどの神の加護が付いたかリスト化をさせる。


「何をやらせるつもりじゃ?」


「それぞれに神の代行をやらせる」


「妖怪の俺等に神の仕事をさせるつもりかっ」


「当たり前だ。たまには役立て。総大将なんだろお前?」


「ぐぬぬぬぬ」


ぬらりひょんにそう命令をしてオーガ島にいる神々と仕事の引き継ぎをさせておいた。


アマテラスと月読の加護を持ってるのは俺だけだからこれは自分でやるしかない。


「アマテラス、お前の仕事はなんだ?」


「今はそないにあらへんで。よそから余計な神がこんようにしたりとか、いらんことする奴にバチ当てたりとかぐらいやわ。ウチはもうアホらしなってそれもしてへんかったけど」


「月読は?」


「私は別に。先を見ていただけだ。あまりにも不味いものが見えたらアマテラスに伝えてはいたがな」


俺はそれを一人でやるわけか。


この世界の大神の仕事はすぐにやることがなさそうなので元の世界の仕事がしばらくメインになりそうだ。


神と引き継ぎが終わったものから各地の神社へと送り込んでいく。


マキは付いてこれないのであっちの世界でお留守番。ウェンディとヘスティアとアーパスは毎回付いて来ている。正直邪魔でもあるがそれを言うとしばかれそうなので黙って連れて来ているが。


あっ、絵馬にいたずらしてるやつがいるじゃないか。


セイは大神の力によってテレポート能力を授かっていた。それをこちらの世界で使うと精神体と言うべき存在になり人々から見えなくなる。


不届き者を見つけたセイはバチを当てていく。


ゴチンっ


「痛っ」


「どうしたんだよ?」


「いきなり頭の上に石が落ちてきがった」


「屋根から落ちてきたんじゃね?」


「ギャハハハハッ。いたずらしてっからバチが当たったじゃねーか」


絵馬にイタズラ書きをしていたクソ共はそう言って笑い合う。


そんな事をするなら神社にくるな。石をぶつけたセイはそう怒鳴るが聞こえはしない。


「こいつめっ」


石をぶつけられたバチあたりは絵馬を奉納している屋根の柱を蹴りやがった。その様子を動画に撮ってゲラゲラ笑っている奴らも同罪だ。


小石で勘弁してやろうかと思っていたがもう許さん。


セイは絵馬を奉納している屋根を崩してそいつらを下敷きにした。死にはしないだろうが賠償金を払いやがれ。


ベキベキぐしゃっ


「うわぁぁっ」


屋根が倒れる時に逃げ出そうとした奴らの足首を掴んで逃げられなくしてやり全員下敷きにした。今の様子はあの防犯カメラで撮影されているから神社の責任は問われないだろう。


下敷きになった馬鹿者共は慌てて駆けつけた神職の人達に救出された後警察に引き渡されていた。


ー後日ー


「こっ、これ・・・」


各自が撮影していた動画を見ると逃げられなかった仲間の足首が誰かに掴まれているのが映っていた。


「ま、マジのバチじゃねーかよっ」


馬鹿者共は恐怖に怯え、また同じような目にあうのではないかと悪ふざけをした神社に必死で謝りに行ったのであった。


これはネットニュースになり、各地でバチが当たったと言う奴らが次々に現れ、社会問題となっていた悪ふざけ動画を撮影していた者はビクビクと怯えて暮らす事になっていく。


それは神社にいたずらをしたものだけでなく、いじめ動画や犯罪動画を撮影していたものまで波及していった。セイがバチを与えた者もいれば自然現象でそうなったものも全てバチだと認識されていく。


被害にあっていたもの達は神に感謝をし始める。


「助けてくれてありがとうございました」


次は熱心に感謝の祈りを捧げていた人がそのようなことから開放されたと広まっていく。それが徐々に世間に広まりつつあった。


「えーっ、またバチを与えに行くのー?クレープはー?」


「それは後だ。ここで大人しく待ってろ」


セイが精神体でバチを当てに行くときは肉体が無防備になる。セイは毎回ウェンディ達に肉体の監視と守りをお願いしてからバチを当てにいく。


その間おやつを食べ尽くし退屈をもて余すウェンディ達はセイの肉体にいたずらをするようになっていた。


「題して、目を瞑ってるのに起きてるセイだ」


今はヘスティアがまぶたに目玉を描いてゲラゲラ笑っていた。


ウェンディは鼻にティッシュを詰めたり耳に詰めたりして遊んでいる。アーパスはそんな事をしちゃダメといったあとに。


「するなら綺麗にしてあげないと」


セイに買ってもらったお化粧品でセイに化粧をしていくが技術が伴っていないのでケバケバしくなっていく。


「うっひゃっひゃっひゃ」


それを見て大笑いするヘスティアとウェンディ。


「ひぃぃっ」


「やっべ、外に人がいるじゃねーかよ。隠れんぞ」


セイの肉体があるのは既に神職がいなくなった古神社。ここには誰も来ないだろうということでいつもここを使っていたのであった。


「気のせいだっつってんだろ。本当に誰かいるならやべぇ、お前見てこい」


人目の付かない所で盗んだ物を山分けするのに悪い奴らがここへ来たのだ。


見てこいと命令された下っ端は恐る恐る神殿の扉を開ける。


そこで目にしたものは鼻や耳にティッシュを詰められた動かない肉体というか遺体に見えた。しかし目は開き、この世の者とは思えない顔をしている。


「ヒヤァァァッ」


声にならない叫び声を上げた下っ端はそこで腰を抜かした。


「何大声をあげてんだっ」


仲間がやってきた時にセイが肉体に戻った。


ん?なんだよこれ。鼻や耳になんか詰まってるしっ。


セイは何をされたのかと立ち上がった。


「ギャァァァッ」


ヤッベ、人がいるじゃんかよっ


その姿を見た悪人達は一目散で逃げ出し、石の階段へと走っていく。しかし恐怖のあまり足がもつれ転がり落ちていったのだった。


腰を抜かしてその場から動けなかった下っ端はセイが神殿の奥にすうっと消えて行くのを見ていたのであった。


ピーポーピーポー


血塗れになって階段の下で倒れていた悪者を見つけた通行人が救急車を呼び、そして警察もやってきた。


「そこのお前、何をしている?」


警察官が見た者は腰を抜かしたまま、バチだ、バチだと呟き続けていた。


後日の取り調べで連続強盗と空き巣犯だと判明し、下っ端が神社からこの世のモノでないものがバチを当てたと供述したことが大きく報道された。


被害にあった人達はこの寂れた神社の神が犯人にバチを当ててくれたと感謝するようになり神社は再建されていく。


こうして元の世界ではセイのバチとたまたま悪いことをしたやつに不幸が訪れると全てがバチと思われるようになっていったのである。



「大神、お前さんもイケる口じゃなぁ」


「酒がこんなに旨いものとは知らなんだわ」


「ほれ、鯛の塩焼きと一緒にやらんか」


大神はセイに仕事を任せた事により、天界に戻らずにオーガ島で元の世界の神々と楽しく酒を飲んでいた。


「しかしえらい、神力が集まってくんの早よなったな」


元の世界の神々がそう呟く。


「しっ、まだいいじゃない。神力が集まってるかどうかセイにはわかんないんだし。恵美須が早くても千年は掛かると言ってくれてたからそれまでは大丈夫よ」


「お主らはもう神力が戻ってきておるのか?」


「大丈夫、大丈夫。まだまだや。な、みんな」


「そうそう。なーんも気にせんでこうしておられるのもたった千年間の話や。大神さんもそやろ?」


「う、うむ。そうじゃな」


こちらの世界での大神の仕事は魔物がアイテムに変わる恩恵を与え、人と魔物の強さのバランスを取ること。それと他の世界からの侵入者を防ぐことだ。


大神は魔物がアイテムに変わる仕事はここでも出来る。人と魔物の強さのバランスはセイが見てくれるし、侵入者が来てもセイならなんとかするだろうと、ここにいる神たちと飲み食いする事を選んだ。それは既に神に戻れる達が出てきていることをセイに内緒にしておくということだ。


「お、そいつは何じゃ?」


「これは刺身というもんでな。それにはこっちの酒がよく合うからな」


「ムホーッ、これはまたなんとも」


一度も遊んだ事がない大神は刺身を食べ、楽しそうに酒を飲んだのいたのであった。


そんな状況を知らないセイはせっせと元の世界で信仰心が高まる努力を続けていく。


 

その合間に時々、こちらの世界で皆の所に顔を出していく。


「今度の嫁は悪魔とか何考えてんだお前は?」


シーバス達にマキを紹介するとそうあきれられた。


「嫁じゃないって言ってるだろうが」


「妾はセイと離れられなくなったのじゃ。そのうち子も出来よう」


誰が悪魔との子を作るといった?



「おにーちゃんずるいっ」


ラーラもにじのまちに来ていてそれなら私もずっと一緒にいるとか言い出した。それはアネモスでもビスクマリーにも同じことを言われ、セイはハーメルンの笛吹の如く皆が離れなくなっていく。


「ここの王様業務はどうすんだよ?」


「もう誰がやっても大丈夫じゃ。デイスラルにでも任せれば良い。あやつは民からの信頼も厚いし統率力もあるからの」


セイはもう諦めていた。もう誰に何を言っても皆の面倒を見るのことには変わりはないのだ。


「全員に仕事を手伝わせるからな」


そう言いつつも一番わがままなウェンディの希望を優先してフライドポテトを揚げているセイ。



「しかし、まさかあたしたちに神の仕事をやらせておいて永遠に()守りをするとはねぇ」


「ま、犬の代わりにいいんじゃねーか。いろんな種類が集まりやがったしよ」


「神向けのひょうたんがあればいいんじゃかの」


「僕もそのうちどこかの神様するんだってー」


タマモは勉学の神

サカキは戦いの神

クラマは豊穣の神

ぬーちゃんは薬の神


いつもの妖怪メンバーもまた行事のある時に神代行として派遣される事になっている。 



「次はー、プリンが食べたいっ」


ウェンディはプリン希望者を募り数を伝えて来た。


その様子をみてやれやれといった表情のタマモ達。


そしてセイはプリンを作りながら呟く。


「これは後何年続くんだろうか・・・」


「永遠にっ」×全員


「おまえらなぁ〜」


「だって一生私の面倒を見てくれるって言ったじゃない」


ウェンディはそうニコニコしてセイにチュッとしたのであった。


〜おしまい〜

ご愛読ありがとうございました。


次回作


【ポメラニアンもち転生 〜俺が望んだのはこっちではない〜】


https://ncode.syosetu.com/n1222ia/


こちらも宜しくお願い致します。

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