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いざ決戦

「もう来るみたい」


ピロンとテルウスからメールが入った。


「間もなくらしい。そろそろ行ってくる」


「よーしっ、大暴れしてやんぜっ」


「ヘスティア、お前たちは天界で待機だ。もしなんかあったらどうすんだよ?」


「もしなんかあったらあったで避難しててもしょうがねぇだろ?俺様はセイと一緒にいくからな」


ヘスティアは元よりウェンディもアーパスも天界にいることもここに残る気もさらさらないらしい。


「俺と命運を共にする気か?」


「当たり前だろ?」


「当然」


「セイは私の面倒を延々と見る約束でしょっ」


ヘスティア、アーパス、ウェンディはそれぞれそう答えた。


「分かった。俺はこれからもお前らの面倒を延々と見る。だから誰も死ぬなよ」


セイは皆を連れていく覚悟を決めた。そして必ず守り抜くと心に誓って。




セイはアマテラスと月読、そして女神ズと共に神道を通って決戦に向かうのであった。



連絡役をしてくれていたテルウスに避難しとけと言うとここまで来てノケモノにする気?と言われる。


「セイよ、ワシラは小物を相手にしておいてやろう」


クラマがひょうたんから出てきてそう腕を組んで言った。


「俺様を小物相手にさせるとは見くびられたもんだな。悪鬼と恐れられた力を見せてやるぜ」


「僕もやるー」


「セイ、雑魚はあたし達に任せておきな。妖怪の力を悪魔共に見せてやるいい機会さね。二度とあたしらのツラを見せたくなくなるように躾けてやろうってもんさ」


「お前らまで…」


「心配するでないよ。妖怪と神は紙一重なんだろ?なんとかなるさね」


ひょうたんから出てきたタマモたちは既に戦闘態勢に入っていた。もう戦う気満々だ。仕方がないので絶対に死んでくれるなよと願いを込めて妖力を込めていく。


「俺様たちにも力をくれよ」


ヘスティアにそう言われたセイは抱きしめて妖力を流す。


「こうした方が早いんだろ?」 


ブチュー


「あーーっ、ヘスティアっ、勝手に何してくれてんのよっ」


「おっ、こりゃすげぇ。こんなに一気に流れてくんだな。ウェンディ、そんなに怒るなって。もしかしたらこれが最後になるかもしんねぇんだ。ケチケチすんな」


「じゃあ私も」


ブチュー


アーパスもセイに口付けをしててエネルギーを充填。


「もう、しょうがないわね」


チュッ


テルウスまで口付けてエネルギーを吸い取った。


「キーーーーっ 次から次へとっ」


ウェンディは皆に怒りつつ、自分も目を閉じてセイに唇を伸ばした。


セイはウェンディだけには自分から口づけしゆっくりとエネルギーを流していった。


「長ぇぞっ」


ヘスティアにそう呆れられて離れた二人。


「さ、準備万端だな。行くぞっ」


セイは皆と共にドラゴンスポットに瞬間移動をしたのであった。





ゴゴゴゴゴゴ


ドラゴンスポットに地響きが鳴り響き、宙を舞うドラゴン達が異常な雰囲気を察して飛び回って逃げていく。


ズズッ ズズッ


そして転移の魔法陣から悪魔達が溢れ出してきた。



ヒュンッ


そこに到着したセイ達。


「おーし、暴れて来るか」


ゴキゴキと首や指を鳴らしながら出て来たサカキ達は出て来た悪魔たちに突っ込んでいった。


「ようセイ、皆で助太刀に来たったで」


「えべっさん…」


元の世界の神々もドラゴンスポットに通じるトンネルに集まっていたらしく、わらわらと出て来た。


「お前達もも出てきな」


タマモが号令をかけるとひょうたんから全妖怪が出てくる。


「ぬらりひょん、あんたが百鬼夜行を動かしてたまには役にたってみせな」


「たまにはとはなんじゃっ。セイ、ワシが総大将というのをよく見ておけ。百鬼夜行突撃っ」


ぬらりひょんが百鬼夜行を率いてどんどん出てくる悪魔達に突進していった。



妖怪達の戦いを見ているアマテラス。


「妖怪達の心意気は見事やけどあんまり攻撃が効いてへんみたいやねぇ。あの子らだけやったら相性悪そうやなぁ。あんたら、自分と相性の良さそうな妖怪に加護付けたり。ほなら攻撃も効くやろ」


アマテラスに命令された神々は妖怪達に加護を付けていく。それにより妖怪達も神格化し始め悪魔達に攻撃が効くようになっていった。そして戦闘能力のある神は闘いに参加し、そうでない神々は神の力を加護を通じて妖怪達に注いでいく。


「異世界の神々並びに異形の者達よ。この世界への助力感謝する」


戦いの場に現れた大神はアマテラスに礼を述べた。


「あんたがここの大神なんやねぇ」


「いかにも」


「気にすることあらへん。みんなここが気に入ってしもたからな。せっかく手に入れた遊び場を荒らされたくないだけや。2つの世界の神の力、妖怪の力、それにセイがおるんや、いくら悪魔が強い言うたかてなんとかなるやろ」


「間もなく一番大きな魔法陣から四天王と魔王がやってくる。お力添えを頼む」


「月読、あんた準備は出来とるな?」


「無論」


「ほなら未来の流れをちゃんとコントロールしいや」



わらわらと出てくる悪魔達を神の力を得た妖怪達と神が殲滅していく。その中でもサカキ達は強そうな敵を選んで倒していっていた。




ズズズズッ


「来るで。ヘスティア、ウチと力を合わせて焼き尽くすで」


「おっ、いいぜ。俺様の力を全開にしてんやんぜ」


アマテラスはヘスティアと力を合わせて灼熱の玉を作り上げていく。


この二人なんてことをしやがるんだ。あれではまるで太陽がそこに現れたのと同じようなものだ。ここにいる皆が焼き尽くされてしまう。


セイは大神にも頼んで二人で力の限りを尽くしてその太陽を結界で包んでいく。


「ようわかってるやん。ウチらはそっちに意識さかれへんからあとは頼んだで」


こいつら…


アマテラスとヘスティアは熱を込めることだけに意識を集中して四天王や魔王が出てくる魔法陣の所に太陽を作り出していた。


「ウェンディ、アーパス意識を集中していてくれ。一気に決めるからな。テルウスは土でシェルターの準備を頼む」


「セイよ、流石にもう結界であれを塞ぎ続けるのは無理じゃぞ」


娘たち(女神ズ)に力を分け与えていた大神の力は完全ではない。セイと力を合わせた結界の維持に限界に来ている。


「大神、もう少し頑張ってくれ」


「セイ、四天王が出て来た瞬間を狙え。勝機はそこにしかない」


「魔王はどうすんだよっ」


月読が未来を読み切った攻撃のタイミングは四天王が出て来た瞬間。アマテラスとヘスティアの作った太陽が向こうの未来を読む力を遮っているらしい。先に未来を読める奴を倒さないと勝機がなくなると叫ばれた。


「今だっ」


月読が叫ぶ。


それを合図にアーパスが全力の水の玉を結界内に産み、ウェンディが全エネルギーを込めた業風を上空へと吹き荒れるように放出。


「神力開放っ」


アマテラスが太陽に込めていた力をすべて神力に変換。ヘスティアもそれに合わせて浄化の力へと変えた。神々もすべての神力をその太陽にこめた。


「シールドっ」


テルウスが幾重にも土の壁で地上にいる悪魔共々神の力を宿した壁で皆を囲った。


カッ


その瞬間、宇宙を照らすような閃光と星をまるごと引き飛ばすような爆発が四天王を襲った。


時が止まったような空白の時間が流れ、その後に形容し難い音と衝撃がそこにいる者達を襲う。ウェンディの全力を込めた業風がその衝撃を上空へと逃しはしたものの幾重も張ったテルウスのシェルターを破壊し溶かしていった。




力を使い果たした神々と女神ズ。


「大丈夫かっ」


その場に倒れ込んだ皆に叫ぶセイ。


シェルターで守られて居ないところは吹き飛び、ドラゴンスポットを囲んでいた山々は吹き飛ばされ融解していた。


崩れたシェルターの下からサカキ達ががらがらと瓦礫を押し退け出て来る。


「ふぅ、死んだかと思ったぜ」


「セイー、終わったー?」


「みんな無事か?」


「他の奴らは伸びてるが死んでねぇぞ。ま、悪魔共も死んでねぇがな」


「神々も大丈夫やで、物理的な事では死なへんし、それに最後にウチらの熱の玉を神力に変換したからな」


ヘロヘロになったアマテラスがそう説明してくれた。


「セイ、数千年に渡って溜め込んでいた先読みの力も今ので使い果たした。魔王はお前がなんとかしろ」


「セイ、妖怪共も力を使い果たしちまってるからはひょうたんの中に戻すよ」


タマモがそう言って伸びている妖怪達をクラマとぬーちゃんが運んで来てはひょうたんの中に入れていく。


「サカキ、あんたも手伝いな」


「わかってるよっ。瓦礫を避けるからとっとと運び出せ」


もう元の世界の神々も大神も女神ズも力を使い果たしていた。


「みんなゆっくりと休んでてくれ。後は俺がなんとかする」


四天王はこの世界に来た瞬間に今の攻撃で消滅した。残る敵は悪魔の王、魔王を残すのみ。


セイは魔王との決戦に向けて力を身体中に込めていったのであった。






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