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稼がねば

お目当てのドラゴンの皮をゲットした一行はセイの扉でバビデの店に直行した。


「お前らついに手に入れたんだな」


「おう、これで世界最強武器と防具を手に入れることが出来るぜ」


「シーバス達はまぁそれに値するからいいが、ケビンとラーラもその歳で大したもんだ」


「へへっ、まぁな」


ケビンは鼻を指で擦りながら自慢気な顔をした。


シーバス達とケビンはノーマルドラゴンの皮、ラーラとオルティアはピンクドラゴンの皮を染色してもらうようだ。


「じゃ、シーバス達は金貨100枚、オルティアとラーラは金貨120枚な」


「えっ?加工賃だけでそんなに取るのかよっ」


「当たり前だ。シーバス達は払えるだろ。ケビン、ラーラ、オルティアはツケにしておいてやるからしっかり稼いで払えよ」


「マジかよ・・・」


「ギルマスはどうすんだ?」


「俺は別にいらんぞ。皮も余ってる訳じゃないからな。俺は素材を買い取ってくれ」


「しょうがねぇな。お前の子供が払ったら買い取り金を払ってやるよ」


「ったく、しっかりしてやがんぜ。俺の取り分が担保ってわけか」


「そういうこった」


「チーヌ、私の分も払ってよ」


「二人分も払えるかっ。テメーの分はテメーで払えっ」


「払ってくれたっていいじゃないっ」


チーヌはオルティアの分を払うほど余裕はないようだ。それならチーヌが借金をして私の分を払えとか喧嘩する二人。


「チーヌ、どうすんだ?」


「オルティアの分をツケで頼む」


「ひっどーーーーいっ」


「うるさいっ」


結局、ケビン、ラーラ、オルティアは借金を背負う事になったのであった。


ヘスティアの試練を受ける3人はボーッケーノに残り、ドラゴンの皮の防具が出来るまで依頼を受けて稼ぐ事になり、シーバス達はアクアに送っていくことになった。


「あれ?チーヌも帰るのか?」


「オルティアはケビン達と臨時パーティ組んだままでいいだろ?俺は残してきたやつらの面倒を見なきゃならんからな」


「ふーんだっ。ケチーヌは帰ればいいのよっ」


「しっかり稼げよオルティア。払えなかったらドラゴンの皮は没収されるからな」


痴話喧嘩したまま別れた二人。セイはシーバス達を送った後、ギルマス達も送って屋敷に帰ったのだった。



「はぁ、やれやれだぜ。アマテラス、続きしようぜ」


「サカキ、勝負が付いてないから続きは飲み勝負だな」


「おっ、いいぜ。爺も参加させるか」


帰ってきたばかりなのに元気な奴らだ。



翌日オーガ島に毘沙門を送っていき、そのままみんなの防具が出来るまで滞在することに。



「えべっさん、毎日釣りしてて飽きないのか?」


「飲んで食ってしかしとらん奴らがようけおるからな。釣っても釣っても足らんくらいやな」


確かに酒飲みながら魚食って相撲したり見たりしてるだけの神ばっかりだ。鬼の方がよく働くとか変な世界だ。


それになんかどんどん神が増えてるからあまり関わらないようにしておこう。関わると色々と用事を言いつけられて面倒なのだ。



そうこうしている内に防具が出来上がり、ケビン達はヘスティアの試練を受けに行ったのだった。



「セイ、見に行かねぇのか?」


「見てたら手出ししたくなるだろ?」


「ほんじゃ俺様だけ行ってくるか」


「イフリートも参戦させるのは本気か?」


「当たり前だろ?あいつらドラゴン装備で挑むんだからよ、サラマンダーだけじゃ荷が重いってもんだ」


確かに。


「即死するような攻撃はさせんなよ」


「多分な」


ヘスティアの返事は本気か冗談かわからんな。そしてアマテラスも見に行くとのことでヘスティアと一緒に消えて行った。


「ウェンディ、どうする?」


「ごろごろしてたい」


と言った癖に屋敷でごろごろしてるとすぐに飽きたようなのでアクアに移動した。



「ヌシ様、遊ぼう」


すずちゃんが顔を見るなり嬉しそうにそう言って来たので遊ぶことに。やるのはお手玉だ。


「一番はじめは一の宮♪」


すずちゃんが歌いながらお手玉をポンポンと投げていく。3つのお手玉を上手に操るものだ。自分は2つまでしかできない。


「ウェンディもやって」


「こんなの簡単よっ」


くぬっ くぬっ


2つですら苦戦するウェンディ。アーパスも3つ出来るな。


「キーーーっ」


ベシッ


「なんで俺にぶつけてくんだよっ」


「笑ったじゃないっ」


「笑ってないわっ」


べしっ


笑った笑ってないでお手玉合戦を始める二人。遊びを見ていた他の子供達も参戦してきてお手玉以外にもドロ団子とかの投げ合いになってしまった。


「何やってんだよお前ら?」


べしっ


子供達と騒いでいたセイ達を見に来たシーバスも巻き添えを食い参戦。いつの間にやら暇人達も混じりドロ団子合戦へと発展していったのだった。



ー試練の間ー


「いいかイフリート、あいつらはドラゴンの装備を身に着けているが負けたらどうなるかわかってんだろうな?」


ヘスティアに凄まれて汗をシュウシュウと蒸発させるイフリート。


「だ、大丈夫です」


「この子強そうやねぇ。そやけどあんたヘスティアにいじめられてんのぉ?可哀想になぁ。何やったらウチが面倒みたろうか?」


アマテラスはおっとりとイフリートにそう言った。


ギロリンっ


腕を組みながらイフリートを睨むヘスティア。


「めっ、滅相もございません。自分はヘスティア様の眷属でございますので」


「そうなん?ヘスティアが嫌やったらいつでも言いや」


「はっ、ありがとうございます」


そう返事したイフリートはヘスティアにケツを蹴っとばされていた。


「しっかし、あいつら遅ぇな。いつまでかかってやがんだ」


「ここのダンジョンは階層が増えましたので時間が掛かるかと」


「そうなのか?」


「はい。セイ様がダンジョンを育てたお陰でお宝類も増えて人も増えました。その分罠も増えましたので」


「死ぬやつが増えてダンジョンもまたデカくなってやがんのか」


「はい。無謀な人間も多いです」


「あいつら罠にやられてんじゃねーだろうなぁ?」


ヘスティアの心配をよそにケビン達はドラゴン装備の支払いをするために見付けた宝石をせっせとかき集めていた。


「ラーラ、土のドームを作れ。これで天井が落ちてきてもあの宝石を拾えるぞ」


「わかった」


ケビン達は宝石を見付けるとラーラがドームを作り天井崩落を防ぐ。こうして安全に宝石をかき集めていた。


「しっかし、このダンジョンはラーラが居れば楽勝だぜ」


「おにいちゃんに土魔法を教えて貰ったかいがあったね」


「おうっ。次はあれだ」


またもや宝石を発見したケビン達はドームを作った後にいそいそと宝石に近付いた。


「ダイヤモンドゲットだぜ・・・うわぁぁっ」


「キャァァァっ」


ガラガラガラガラ


天井崩落の罠をことぐごとく掻い潜られたダンジョンは罠を落とし穴に変更をした。まんまとその罠に掛かったケビン達は深い深い穴の底へ。


「風の防御っ」


オルティアは落下スピードを落とすために風魔法を使ったことにより、底に叩きつけられるダメージを軽減した。


ドスンっ


「痛たたたた。ケビン、ラーラ大丈夫?」


「オルティア助かったぜ。罠に落とし穴とかもあんのかよ」


「ケビンが欲張るからでしょっ」


「ラーラも喜んで宝石取ってただろうがっ。俺だけのせいにすんなっ」


「兄妹喧嘩はいいからここから脱出する方法を考えないとダメでしょ」


二人よりお姉さんのオルティアは二人をたしなめてそう言った。


「地面を盛り上げて上に登るから大丈夫よ」


「なら早くやれよ」


「そんな言い方するならケビンだけ置いていくからねっ」


ラーラは土魔法を使って地面を盛り上げて元の場所まで戻った。


「あれ?あれっ?」


「ケビン、どうしたのよ?」


「集めた宝石の袋が無い」


「ええーっ?あんなにたくさん集めたのにっ」


「落とし穴に落ちた時にどこかにいったんだ。ラーラもう一度掘ってくれ」


「もうっ。先に進むわよっ。宝石は帰りに取ればいいじゃない。このままだと食料が足りなくなるわ」


せっかく集めた宝石も無駄になってしまったケビン達はラーラの言う通り先に進むことにしたのだった。








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