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それぞれのドラゴン狩り

「もうそろそろ休憩ポイントに着いた頃じゃないか?」


「そこよっ、ヘスティアぶっ叩いてっ」


「ウチが爆弾仕掛けたよってはよ逃げよし」


ゲームの中でも狩りに夢中なヘスティア達。こりゃ、休憩ポイントに行く気さらさらない無いな。


結局野営ポイントに到着するぐらいの時間までゲーム三昧して、ウェンディはおやつをたらふく食って寝ていたのだった。


ガチャ


野営ポイントと思われる場所に行ってみるも誰もいない。


「まだかしら?」


「もっと先に行ったのかな?」


「なら次のポイントまで行こうぜ」


とヘスティアが言うので先に先に行ってもいないし、戻ってもいなかった。


「あらぁ、どこにもいないわねぇ。しょうがないわ帰りましょ」


ソリはカントが持ったままだからトンネル内を探しに行くのも手間だ。ぬーちゃんに走って貰おうかと提案したら別にいいじゃないだと。奥さん相変わらずスパルタだな。


皆を見付ける事が出来なかったので屋敷に戻って飯にする。シーバス達はアイテムバッグを持ってるから飯はなんとかなるだろう。


結局翌日以降も皆を見つけられず探しに行くのを止めた。というよりヘスティア達がゲームに夢中で行きたがらなくなったのだ。




「そろそろドラゴンポイントに到着している頃だろ?待っててやらないとまずいんじゃないか?」


「あらそうなの?仕方がないわねぇ」


扉でサカキと毘沙門を迎えに行きドラゴンスポットへ移動すると皆が恨みの目を向けて待っていた。


「許さんっ」


カントはドラゴンソリの上に座って睨み付けてくる。


「文句は奥さんに言ってね」


カントの怒りは奥さんで回避しておいた。俺のせいじゃないからね。


飯と風呂と皆に言われて用意をしてやることに。今日はここで野営して明日の朝からドラゴン狩りだ。


クラマは勝手にせいと不参加。サカキと毘沙門を含めた臨時パーティを結成してドラゴン狩りをすることになった。


「ぬーちゃんは手伝ってくれんのか?」


「ぬーちゃん、ドラゴン狩りやる?」


「セイはー?」


「俺は見てるだけ」


「じゃー、やらなーい」


「ちっ、なら地上からやるしかねぇよかよ。おら、作戦決めんぞ」


シーバスとカントがリーダーになり、各々が何を得意とするか聞いて作戦を立てて行くがサカキと毘沙門は聞いちゃいない。あの二人は勝手に競争してどっちがたくさん倒すかで酒を飲みながら盛り上がってやがる。臨時パーティから脱落だな。


セイは皆に任せて先に寝ることにしたのであった。



夜明け前の暗い内に朝飯を食いながら作戦を聞いてみる。


「結局どうやんの?」


「多分オルティアとラーラの武器はドラゴンには効かねぇだろ?だから二人は魔法で支援だ。二人のガードはガッシーがやる」


「言っておくけど火魔法は効かないからね」


「あぁ、わかってる。サラマンダーの時で懲りてるからな」


ラーラが水魔法攻撃、オルティアは風魔法でドラコンを地面に落とす予定みたいだ。風で吹き飛ばすのは出来るかもしれないが落とせるのだろうか?


日が昇って明るくなってきたときに皆が外に飛び出して行った。



「大丈夫かしらぁ?」


言葉ではそう言う奥さんだが顔は笑っている。


「ウチらは見ているだけなん?」


「俺様達がやっつけてもアイテム出ねぇんだよ」


「なら止めは私が刺せばいいのかしら?」


「おっ、それなら出るかもな。俺様とアマテラスで弱らせてやんよ」


結局、ヘスティア達も参戦することに。しかしアマテラスって攻撃力あんのか?


何やらゴニョゴニョと相談して飛び出して行った3人。ヘスティアには皆のサポートをお願いしようと思ってたけどゲームの続きみたいな感じで行きやがった。


「セイは見てるだけ?」


「うわぁぁぁぁっ、アーパス。いきなり隣に座ってんなよ。驚くだろが」


「私だけおいてけぼり」


「すずちゃん達と遊んでたんだろ?」


「マダラに預けてきた。今日はここにいる」


ということでアーパスも加わって皆の戦いを見物することに。



サカキ達は空飛ぶドラコンをどうするのかと思ったら二人して石を投げる。原始人みたいだな。凄まじい威力でドラコンに当たるが石は石、当たっても砕け散るだけであまり効果が無いようだ。怒ったドラコンがタメを作っている。


「毘沙門、来やがんぜ」


ゴウぅぅぅぅっ


火炎放射器のような炎が放たれるのをさっと避けてまた石を投げる二人。こりゃ持久戦だな。さてとシーバス達はどうだ?


「オルティアっ!逃げろっっ」


「ヒィィィぃ」


ズドドドドと走って逃げるオルティア。ガッシーより足が速くなっている。大剣でドラコンの攻撃に備えたガッシーよりずっと離れてしまったオルティアをドラコンが追う。


ゴウぅぅぅぅっ


「キャァァァッ、ヘスティア様みたいな事をしないで下さいっ」


言葉の通じないドラコンに叫ぶオルティア。ケツを燃やされながら走る訓練がこんなところで役に立ってるじゃないか。


「早く風魔法でドラコンを落とせっ」


「走りながらなんて無理ですっ。イヤぁぁぁっ。もう一匹来たぁぁぁっ。熱いっ熱いっ」


「馬鹿野郎っ!こっちに逃げて来んなっ」


逃げ惑うオルティアが皆の所に逃げて来たので全員走ってドラコンに追われだした。見ている分には面白い。


「ウォールっ」


ラーラが土魔法で後ろに土壁を出してドラコンブレスを防ぐ。


「よしっ、オルティア今だっ」


「食らえっ!ダウンフォースっ」


ブフォッーーー


「うっぎゃぁぁぁっ」


オルティアのダウンフォースを食らったドラコン。そして同じくパーティメンバーも食らった。そりゃ上空から吹き下ろしたら自分達も食らうわな。


ドラコンが落ちてきたけど皆も散り散りに吹き飛ばされた。


「退却ぅぅっ」


カントの声で皆は落ちたドラコンを討伐出来ずにこちらへ走って逃げてきた。


「作戦を練り直しだっ」


当初の作戦は失敗だと分かり再度作戦を練るらしい。


そしてサカキ達も戻って来た。


「ダメだ。その辺に落ちてる石っ頃じゃ効かねぇ。セイ、硬い石を作れ」


「自分達の力でやるんじゃないのかよ?」


「うるせえっ。さっさと作りやがれ」


そんなに顔を近付けて来んなよ。


ソフトボールぐらいの大きさの硬い石をテルウスの力で作っていく。また取りに来るから作っておけだとよ。


「セイ、俺達にも作ってくれよ」


とシーバスが言ってくる。


「サカキぐらいの力で投げないと硬くても意味ないぞ」


「いいから作ってくれって」


「なら槍みたいにしといてやろうか?玉よりマシだろ?」


「おうっ、そりゃいいな。そうしてくれ」


投槍みたいな形で作っていく。シーバス達はアイテムバッグに入れられるから一度に持って行くようだ。


玉と槍をひょいひょいと作って渡し、玉は洞窟の外に積んで置いた。いちいちサカキに顔を近づけられるのもうっとおしいからな。


ヘスティア達はゲームみたいにドラコンを狩っている。アマテラスが飛んでいるドラコンの目の前に閃光弾みたいな物を出して足止めしたところにヘスティアが翼を焼いて落とす。落ちたドラコンを奥さんが土魔法のトゲというか槍みたいな物を滅多刺しだ。見事な連携だが神の力でやるのは反則だろう。


「セイ、ご飯」


ウェンディから飯の催促。もう昼時か。


「何食べる?」


「焼きそば」


ウェンディのリクエストで焼きそば屋台をすることに。


鉄板で豚肉を焼いてその油でキャベツを炒めつつ、麺を出汁でほぐして炒めていく。ソースを絡めて鰹節と青のりをかけてマヨビーム。実に簡単で宜しい。


ショワワワとソースの香ばしい匂いが洞窟内に充満する。ウェンディよだれを垂らすな。


どうせ掻き込むように食べるだろうから皿よりどんぶりの方がいいな。ぬーちゃんにもどんぶりに入れてやって次は自分のを作る。


自分のは海鮮焼きそばだ。イカとエビ、キャベツの代わりに玉ねぎを入れて出汁、塩、少し薄口醤油にニンニクも入れちゃお。


「そっひはふぁひ?」


ウェンディ、飲み込んでから喋れ。


「海鮮焼きそば」


「ほふぇもふぁべる」


自分の分を確保してからウェンディ達にも分けていく。


まだまだ食いそうだな。


海鮮焼きそばを食べつつソース焼きそばを追加。



「ダメだっ。槍も刺さらねぇ。てか、届く範囲まで降りてきやがらん」


シーバス達がぶつぶつ言いながら戻ってきた。槍を投げようとすると上空に離れてブレス攻撃をしてくるらしい。


「いい匂いですぅ」


オルティアはスンスンしながらウェンディが食べている焼きぞはに近付いていく。


「ほへはわふぁひのなんふぁふぁれっ」


山盛り焼きそばを口に入れどんぶりを抱え込むウェンディ。カバ丸かお前は?


「おにーちゃん、私も食べたいなぁ」


と、ラーラが腕を組んできて焼きそばをおねだり。


「はいはい、ソースと海鮮どっちがいい?」


「どっちもっ」×全員


皆の分も焼きそばを焼いていくとサカキ達はドラコン肉と皮を持って帰ってきた。


「まずは一匹ずつだ」


そしてヘスティア達はドラコンの皮の上にたくさんの戦利品を乗せて帰ってきた。


「チョロいわぁ。次は生け捕りにしてみる?」


奥さん、ドラコンの生け捕りなんてやめて下さい。そんなクエストは現実にはありません。


これで狩れてないのはシーバス達だけになったので焼きそばを食べ終えたシーバス達はすぐにドラコン討伐に戻ったのであった。



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