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アクアまで服を買いに行くはめに

「お帰り〜」


「なんだよっ、俺たちに働かせてもう飲んでやがんのかよ」


「新しい武器の試し斬りしたがったんだろ?」


「おー、こいつはすげぇわ。凄すぎて手応えがねぇ」


「シーバスの本来の剣筋に向いてるだろうからね」


「おう、もうすっぱりだぜ、すっぱり」


すっかり上機嫌のシーバスたち。ツバスの魔法も底上げされたし、パールフの支援魔法もかなり強化されたみたいだ。


「これならドラゴンでも狩れそうな気がすんぜっ」


「ならドラゴン狩りに行こうか。防具も自分たちで狩った素材で作りたいんだろ?」


「い、いや。言ってみただけだ」


そこで尻込みすんなよ。


「いやぁ、やっぱりSってすげぇよな。トロールなんて瞬殺だったぜ。あんなのなんの参考にもなりゃしねぇわ」


とアイアン達は呆れていた。


「オルティアにもやらせたの?」


「いや、今回は見ていただけだ」


「チーヌ、そろそろ剣の使い方とか実践交えて教えてやれよ」


「わかってるって。アネモスはオルティアにちょうどいいや。明日から実践交えてお前にもやらせるからな」


「はっ、はひっ」


「で、ウェンディと後二人は誰だ?」


「ヘスティアとアーパス。おいたすんなよ」


「おっ、また女神様かよ。どっから見つけてくんだよ」


と笑うアイアン。


フィッシャーズ達も乾いた笑いをする。


討伐完了の報告をしてからギルド酒場で晩飯。グリンディルとリタも来た。


「ソーセージ美味しい」


アーパスもここのソーセージが旨いらしい。


「ここのソーセージは結構旨いんだよ」


「結構ってなんだっ。素直に旨いと言えよ」


と、酒場の大将。


「他にもっと旨いベーコンとかがあってさぁ、それとくらべちゃうとね」


というと持ってるなら食わせろと言われた。


「ちょっとだけだぞ」


と、ラーラベーコンを少しスライスして渡すと焼いてきた。


「ほれ、うちのと食べ比べてみろよ」


と皆で試食する。


「うっ、セイのベーコンの方が旨ぇ」


「だろ?」


「これどこで売ってんだよ?」


「これは非売品。特製なんだよ」


「セイさんは女の子に作ってもらってました」


と、オルティアがいらぬことを口走る。


「お前、まだ他にも手を出してやがんのかっ」


と、アイアン達に突っ込まれるが誰にも手なんて出してはいない。


「あのなぁ、これはお礼に作ってくれてんだよ。俺がベーコンとか好きだからって」


「セイの野郎は俺様達を差し置いて浮気もんなんだよな」


と、ヘスティアが後ろから手を回して腕をで首を締めるような仕草をする。他の人からは抱き着いているように見えるのだろう。


「そんな美人にそんなことをされるなんて羨ましいぜ」


「やっ、やめろよぉ」


アイアン達に褒められて熱を発するヘスティア。


「熱い熱い熱いっ。またハニーフラッシュすんぞ」


「やべっ」


「セイ、ハニーフラッシュってなんだ?」


「こいつ人前で脱ぐんだよ」


「ぬっ、脱いでなんかねえっ」


アイアン達はそれを想像してエロい目でヘスティアを見て目潰しされかかっていた。


「よっ、フィッシャーズ」


「おっ、ギルマス。お疲れ様」


「お前らはいつまでアネモスにいる?」


「なんかあるのか?」


「暫く応援を頼みたい。ボッケーノからも応援を頼んでいるんだがな、これからおそらく全く手が足りなくなる」


「未調査ダンジョンを先にやっていいか?」


「なるべく早く終わらせてくれ。軽くでいいぞ。その調査が終わっても誰も潜る暇がないだろうからな」


「わかった。アイアン、ダンジョンの調査が終わったらこのまま組むか?うちの駆け出しも教えなきゃならんし」


「いいのかよ?」


「あぁ、勿論だ。セイは俺たちの恩人だからな。その恩人と組むのは悪くねぇ」


「ラッキーだぜ俺たちっ」


ということでマーメイ達の結婚式が終わったら暫くアネモスで行動することになったのであった。



フィッシャーズ達にパーティに出る為の服を買っておけよと言った時にヘスティアとアーパスのドレスも必要と気付く。


「私のアクセサリーはどうなったの?」


あ、忘れてた。アーパスのもテルウスのも取りに行かないと。


ということでボッケーノの宝石店に行く。空馬(飛行機)は目立つので夜に移動して近くに停めてから野営してぬーちゃんで街に入った。それでも狂信者達に気付かれたヘスティアはまたしがみつく。



「こんにちは」


「お待ちしておりました。こちらがご注文の品でございます」


と、まずアーパスのアクセサリーを貰い、テルウスのも貰った。


「へぇ、ステキじゃない」


テルウス顕現。


「どうしてテルウスのはこんなにキラキラしているの?」


と、アーパスが聞く。これはタマモの指示でカットしたダイヤモンドだから輝きが違う。お姉さん美人のテルウスによく似合っている。ゴージャス美人だ。


「セイ様。タマモ様より教えを頂いたカットは素晴らしいです。大きさよりも輝きこそダイヤモンドの真骨頂というのがよくわかりました」


「俺様のもダイヤモンドなんだろ?同じようにしてくれよ。後から来たテルウスのが一番綺麗とかずりぃぞっ」


「一番最初はわたしなんだからねっ」


と、ギャーギャーうるさいので皆の分も同じカットにしてもらうことになった。3セットを同じようにカットするのは大変なので結婚式には間に合わないとのこと。


「急がないからもうワンセットずつお願いしていいかな?」


「かしこまりました。宝石は同じで素材はいかがいたしますか?」


「似合うので作って。もうみんな見えてるからイメージ湧くでしょ?」


「かしこまりました」


追加で宝石を渡しておいた。お支払いは好きなのを使ってくれ。


「さ、ドレスを買いにといきたいけどボッケーノで買うの大変そうだな」


「アクアで買いたいっ」


と、ウェンディが言うのでアクアに向かう事になってしまった。


アクアの宿の三ツ星プレートも出来ていたのでそれももらってアクアへ。


空馬で行くと速いけど一人で操縦するのは疲れる。ぐったりしながら操縦席にいると後ろから叫び声。


「ごはん」


こいつ・・・


「砂婆、ごめんなんか作って持ってきて。俺はサンドイッチかなんかでお願い」


女神ズは後ろで散々お菓子を食っててもごはんは食べるようだ。



「はい、サンドイッチ」


「ありがとうね、アーパス」


ウェンディとヘスティアが後ろでバクバク食っているらしいがアーパスはちゃんと持ってきてくれた。


「食べさせてあげる」


「大丈夫だよ。ほとんど自動操縦だから」


「あーん」


と言ってるのに食べさせてくるアーパス。そのまま口を開けて食べさせてもらった。


「美味しい?」


「美味しいよ」


「これは私が挟んだの」


「俺の好きな具材を選んでくれたんだ」


「そう」


挟んだだけなのに自分で作ったような気になっているアーパスは満足気だった。


休み無しで飛び続けて着いたのは明け方。東に向かって飛ぶから夜明けが早いのだ。


「ちょっと寝る」


「だめよっ。朝一番で買いに行くんだからっ」


こいつら飯食ったあと寝てたくせに。


ポーションを飲んで回復して買い物に。当然アクアでも神が帰ってきたと騒ぎになる。


ここではアーパスが腕にしがみつく。


ボッケーノは狂信者の目で見られるだけだが、アクアではアーパスに触れようとしてくるのだ。元々距離感が近い国民性であり、アーパスは子供みたいなので親しみやすいってのもあるだろう。


「触ったらご利益よりバチ当たるからね」


と、牽制しておく。いきなり頭を撫でようとしてきたりするのだ。


近付けないように狐火を周りに浮かべておくとより神感が増すのか崇められていく。


「宿に退散するぞ」


と、常宿に行く事に。


「お帰りなさいませ」


「ごめん、ここにパーティに着ていくような服屋さんを呼ぶことは出来る?」


「かしこまりました。お部屋に呼びますのでごゆっくりなさって下さい」


やはりここの宿は素晴らしい。即答だ。


支配人を呼んでもらって新しいアーパス三つ星プレートを渡す。アーパスの警告付きだ。


「なんと見事な・・・」


「ボッケーノで新しいカットで作ってもらったんだよ。キラキラときれいだろ?」


「はい。アーパス様の後光のようです」


と、とても喜んでくれた。



部屋に案内されてぐったりしていると服屋が大量のドレスを持ってやってきてくれたのでお任せすることに。


寝室でうとっとすると、これどう?と入れ代わり立ち代わり聞きにくる女神ズ。


「ウェンディは歩きやすいの。ヘスティアは胸を強調すんな。アーパスはそのままでいいぞ」


と思った事を言っておく。


「お風呂どうするの?」


とウンディーネが聞きに来てくれたのでこのまま洗ってとお願いした。非常に便利だ。


そのまま寝入ってしまったようでアーパスがお金払ってと言いに来た。服屋はお代金はいらないと言ったらしいがアーパスがセイはそういうの怒るからと伝えたらしい。


アーパスから値段を聞くと全部で金貨12枚とかなり高額だった。靴や専用の下着とかも含めてだそうだ。仕上がりは二日後と超特急でやってくれるそうなので金貨15枚渡しておいた。チップと超特急料金の代わりだ。


あっ、金貨3枚って300万じゃん、と余分に払った金額がかなり多いことに気付くが今更だ。


「まったくよぉ、テルウスなんか誰からも見られねぇんだからドレス着てどうすんだよなぁ」


と、ヘスティアが横にゴロンと寝転がってぶつくさ言う。


「テルウスも来てたの?」


「アクセサリーに合う服が欲しいんだってよ」


4人分のパーティドレスか。それであの値段だったんだな。


「薬飲んだのにまだ眠いのかよ?」


「なんか精神的に疲れてんだよ。お前ら連れて歩くと注目度が半端なくなったろ?」


「そうだよなぁ。ここの奴らは触ろうとしてきやがるしよ」


「だから気を張るんだよ。飯は砂婆に頼むからこのまま寝かせおいて」


「じゃ、食わなくていいや。ちょっとだけエネルギーくれよ」


と、ヘスティアが言うので手を出すと頭をそこに乗せた。


少し妖力を流して意識を手放したセイにヘスティアはブーツを解除してくっついて寝たのだった。


その後ウェンディがやってきてキーキー怒ったのは言うまでもなかった。



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