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報酬が凄い

「君はやはり他の冒険者たちとは根本から違うのだな」


「冒険者といっても人それですからそれに関してはなんとも言えません。いま行動を共にしているシーバス達も素晴らしい冒険者ですし、お世話になってるギルマス達も凄くいい人たちですよ」


「そうか。どうも我々はお膝元の冒険者達のイメージが強いものでね」


「悪い奴らなんですか?」


「そういうわけではないがな。まぁ、それは自分の目で見てみてくれ。それと、先に報酬の話をしておこうか。先ずはフィッシャーズの報酬だ」 


と、金貨60枚が渡される。


「こんなに?」


「情報提供報酬としての宣伝費込みだと思ってくれたまえ。今後この実績を改訂版の魔物図鑑と共に各ギルドに通達し情報提供は名前を売るのと報酬になると知ってもらうために利用させてもらう」


「わかりました。では有り難く頂戴します」


金貨60枚というのは色を付けて一人頭で分けやすくしたのかもしれないな。


「次にセイの報酬は金貨2500枚だ」


「は?」


「素材をオークションに出せばもっと高値が付くだろうが、これがギルドからの精一杯だと思ってくれたまえ」


「いや、少ないとかより貰い過ぎですよ」


と言っているのに説明を続ける総長。


「内訳は、一角幻獣の角が金貨200枚、ドラゴンの皮が金貨300枚、ピンクドラゴンの皮が金貨400枚、ファイアドラゴンの皮が金貨500枚、ブラックドラゴンの皮が金貨700枚、その他素材及び魔物図鑑の詳細イラストと情報、神の加護の情報ひっくるめてだ」


「こんなにいらないですよ」


「いや、正当な報酬として受け取ってくれたまえ。ランクが上の人間は下の物に夢も与えなければならんからな」


「本当にいいんですか?」


「アイテムボックスはあるな?」


「はい」


「ならば渡しても問題ないな。後でマッケンジーから受け取ってくれたまえ」


「では遠慮なく頂きます」


「冬の間はダンジョンに行くと聞いたがどこをメインにするつもりなんだ?」


「魔導具の出るダンジョンに行くつもりです」


「ならば頼みがある」


「何でしょう?」


「魔導兵器が出たら報告と総本部に売るか個人所有として欲しいのだ。他ギルド含め他の者に販売することを控えて欲しい」


「魔導兵器ってなんですか?」


「実物を見せた方が早いな。場所を移動しよう」


と、また階段を降りて降りて降りて・・・地下の訓練所みたいな所に行く。


「これが魔導兵器だ」


と見せられたのは銃みたいなものだ。


「これ、玉が出るやつですか?」


と、構えて見せる。


「見ただけで何か分かるのか?」


「えぇ、まぁ」


「物理的な玉ではなくエネルギーの玉というか、一度見せてみよう」


銃のようなものはリボルバー式の拳銃のような形をしている。そこに魔石を詰めて的に向けて引き金を引くテンカー。


ドウッという鈍い音と共に的が弾け飛んだ。


「これは魔石一つで一発撃てる物だ。比較的威力は低い」


「他にもあるんですね?」


「大型の物も出たらしい」


「らしい?」


「魔導兵器は他国に高額で売却されている。こちらの買取価格とは比較にならない金額を提示されるようでな」


「これぐらいならまだしも大型のが量産されたらまずいですね」


「そうなのだ。魔導兵器を売るのには法律が無くてな。まぁ、あったとしても密かに売られたり持ち出されたりしても分からぬから法律を作っても無駄なのだよ」


アイテムバッグに入れたら簡単に持ち出されるよな。


「ギルドでも仕組みを研究してはいるが未だに仕組みがよくわかってはいない。他国がここより研究が進んでるとは思えないが気になる国があるのだ」


「どこですか?」


「神無し国、ガーミウルス帝国だ」


「ガーミウルス?」


「海の向こうにある国でな、冒険者ギルドも無く兵士が魔物対策をしている。ガイアとは貿易をしているのだが船がガイアのものとまるで違う」


「鉄の船ですか?」


「そうだ。黒い煙を吐き、帆が無くても速い船なのだ」


蒸気船かな?それかディーゼルとかのエンジンを積んでたら帆船なんか相手にならんな。


「今の所ガイアとは友好関係ではあるが万が一魔導兵器の仕組みを解明し、大量生産に成功していれば攻め込まれる恐れがある」


「好戦的な国ですか?」


「近隣の神無し国はすべて飲みこまれたとの報告もある。こちらの船ではガーミウルスまで行くのは日数が掛かりすぎるから調査が進まぬのだ」


「で、我々が手に入れても外に出すなということですね?」


「これはお願い事になるがな」


「了解です。戦争は無駄に命を散らしますしね」


「宜しく頼む。各ダンジョンへ入る許可証は発行しておくから見知らぬ物は一応報告をくれ給え。無闇に取り上げたりはしないのでな」


「わかりました。何か珍しい物が出たらお知らせしますよ」


「あと、アクアでの件は申し訳ないことをした」


「大丈夫ですよ。あの本部の人は頑張ってますか?」


「Cランクに上がるのがどれだけ大変か身に沁みている頃だろうな」



と、総本部長との話は終わり、素材を渡して報酬とダンジョン入場の許可証を貰ったのであった。




「セイ、すげぇ大金だなおい」


「どうしようねこれ」


「知るかよっ」


「シーバス達の村の宿に投資しようか?」


「は?」


「いや、本当に観光地化するなら資金が必要でしょ」


「お前なぁ、あの村がそんな借金して返せると思ってんのかよ?」


「貸すんじゃないよ。投資」


「どう違うんだ?」


「資金の返却は不要。売上か利益の配当というか一部を貰うって感じかな。だから実質は俺の持ち宿ってこと。配当を払うのが嫌になれば投資した金額で買い取りしてくれればいいよ」


「そんな条件でいいのかよ?」


「俺はちゃんと利益が出ると思うんだよね。だから損もしないし。あと秘策もある」


「なんだその秘策って?」


「本当に村のみんながやる気になって実際にやってみて難しそうなら秘策を使うよ」


「ヤバい内容か?」


「法律に触れたりはしないけど、それをすると工夫と努力しなくなるから将来的には良くない方法だね」


「なんかよくわからんがまぁいいか」


「そうそう。工夫と努力がないとやり甲斐のある仕事にならないからね。まぁ、どうするかはシーバス達や村の皆で決めてよ」


「わかった。ここから帰ったら本気で相談してみるわ」



昼飯を食って食料や酒、お菓子、それにカレー以外の調合スパイスを買っておく。肉とか美味しくなるそうだからな。それに酒の種類も豊富だな。


そして面白いのが魔導具ショップだ。家電量販店みたいになっている。


へぇ、洗濯機とかあるじゃん。


「これ、魔石で動くの?」


「そうだぞ。ここで払う金以外に魔石代が結構かかる。ガイアは魔石が豊富だから安価だけどアクアで魔石を買うとここより高いな」


運び賃が上乗せされるからな。


「使い終わった魔石はどうなんの?」


「ゴミだぞ。綺麗な石ころと変わらんから安い装飾に使われたりするな」


「へぇ」


魔石の元の色は赤いけど魔力を使い切ると透明になるらしい。試しに魔導ランプを買ってみる。明るさ調整の出来るタイプだ。ランタンみたいなやつだからテントで使おう。これなら俺がいない時でも灯りを確保出来る。シーバス達も使ってるしな。


テント用2つ、飯食うとき用の1つ購入。


魔石を買おうとするとダンジョンで手に入れたらただだぞと言われたので元から付けてくれた使いかけの魔石だけだ。ライトはそれでも十分長く使えるとのこと。


魔石具ショップ興味深い。家電みたいな物は別として何に使うのかわからないものがある。


「これなに?」


「魔寄せの鈴だ」


「魔寄せの鈴?もしかして鳴らすと魔物が寄ってくるの?」


「そうだぞ」


「何に使うの?」


「まぁ、ゴブリンとか相手に剣の修行したりするときは便利だな。探しに行かずに済む」


これいいじゃん。高いけど買っちゃお。5つ買おう。


「そんなに買って何に使うんだ?」


「お土産」


「そんなもん貰って喜ぶやついるのか?」


「いるよ」


これはマイダンジョンへのお土産だ。こいつを入口内部に風鈴みたいにぶら下げて置けば勝手に魔物(エサ)が入ってくるだろう。


しつこく魔導具ショップを見ていたらウェンディ達にいつまで見てるのよっと怒られた。


お前らの服選びより時間掛かってないぞ。


飯の時にサカキ達を呼び出し、明日からダンジョンに行くぞと伝えておいた。





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