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ドラゴン狩りの旅に出発

3月になる前に山でせっせと肉を仕入れていく。オーガ比率が上がって来ているからそのうちオーガだらけになるかもしれない。オーガ肉は食わないけど、ダンジョンのエサとしては優秀なので肉になったやつはちゃんと確保しておく。


「クラマ、ここ少し浄化しておいてくれない。帰ってきてオーガだけしかいないとか嫌だし」


「少し浄化とは難しいもんじゃの」


「多少やりすぎてもいいよ。今の状態ならすぐに入れ替わるよ」


と角有りのほうだけ浄化して貰った。


酒も何件か酒屋を回って買い占めていく。王都から酒がなくるんじゃなかろうか?樽ごと出せとかサカキが脅したからな。


防寒着や着替、毛布とかも買い足しておくことに。備えあれば憂いなし。


テントは2つあるから俺とグリンディルで別に使えばいいかな。ギルマスもそれなら安心だろうし。あとこいつを買っておくか。


何を買うかというとバスタブだ。水はグリンディルに出して貰って湯沸かしはヘスティアにしてもらおう。木のバスタブの方がいいけどヘスティアがやりすぎて燃やしたら嫌だしな。


「サカキ、お前も旅の途中で風呂に入りたい?」


「当たり前だろ?風呂に浸かって飲む酒は旨いんだからよ」


じゃあ、このデカいのを買うしかないな。こんな陶器で出来たバスタブを持てるのだろうか?


「サカキ、これ持ってひょうたんに入れるか?」


店の人に断ってから試すといけた。まぁ、材木とかもいけたから当然か。


「すいません。これ2つ下さい」


「お客さん凄いアイテムボックスをお持ちですねぇ」


「あ、はいまぁ」


俺専用でこの木の奴も買うかな。いい匂いしているし。


「これも追加でお願いします」


全部で金貨35枚。おまけしてくれてこの値段。田舎なら十分家が建つぞ?


「これで終わりかな」


「おいセイ、あのギルドで食ってるソーセージも買え」


「気に入ったのか?」


「まぁな。買えるだけ買えよ」


ギルドに行って聞いてみると肉屋で直接買えと言われた。


言われた肉屋にいくと、いまオーク肉の流通が増えているから安くしてくれるそうだ。


「あるだけ頂戴」


「は?」


「ちょっと旅に出るからたくさん欲しいんだよ。ベーコンとかハムもあったら全部」


他のお客さんには申し訳ないけど人類未踏の地に行くから買い込まないとダメなのだ。この手の食材は砂婆も作ってないからな。


在庫を全部かっさらっても金貨1枚にもならなかった。そう思うと服とかあのバスタブとか高いよな。


「お菓子も買ってよ」


「300円までだぞ」


「何よそれ?」


「いや、お前を見てたらそう言いたくなっただけだ。別に好きなの買ってもいいけど日持ちするのを買えよ。クッキーとかそんなやつだ。ケーキとか買うなよ」


と言ってるのにカフェの持ち帰りでケーキも買い占めやがった。どれぐらい日持ちするか聞いたら冷蔵で5日くらい。冷凍すると一ヶ月くらい持つと言われたからだ。


「あとねー、これとこれとこれと」


「すいません。焼き菓子も全部買ってもいいですか?ちょっと大人数で旅に出るもので」 


どんどん嘘つきになっていくセイ。


「予約頂きましたら別に手配出来ますけど、本日ケーキも焼き菓子も全て買い占めされると困ります・・・」


そうだよね。今もお客さん入ってるし。


「3日後ならたくさんご準備出来ますけど」


「じゃあ、出来るだけ作っておいてもらっていいですか?先にお金を渡しておくので」


と、取り敢えず金貨を渡しておく。



3日後、いよいよ出発となった。


「セイ、グリンディルを頼んだぞ」


「俺が守って貰いたいくらいだよ」


「あと、一応これ持ってけ」


「何これ?」


「各種ポーションだ。まぁ、大丈夫だとは思うけどお守りみたいなもんだ。どれが何に効くかはグリンディルに聞け」


「ありがとう」


「マモン、ボン・キュッ・ボンを楽しみに待ってなよ」


「あぁ、ボン・キュッ・ボンでなくてもいいから無事に帰って来てくれよ」


「あいよ」


ということでまずはオーガ島へ行き、鬼殺しを貰って砂婆を置いていく。砂婆がいないと飯がとても心配だ。一応簡単な料理は教えておいてもらったし、グリンディルも奥さんだけあって作れるらしいからなんとかなるだろう。


「セイよ、気を付けて行くのじゃぞ」


「砂婆もね。ヒョウエ、砂婆を宜しくね」


「任せておいてくれ」


「セイ様に風の神様のご加護がありますように」


ラーム、そんなフラグを立てないでくれたまへ。ウェンディの加護なんて冒険中は1ミリも必要がないのだ。



そしてぬーちゃんは元の鵺で駆ける。俺、ウェンディ、グリンディルの並びだ。


「結構スピードが出るもんなんだねぇ」


「いや、本当はもっと早いよ。あんまり飛ばすと寒いし、ぬーちゃんも乗ってるこっちも疲れるしねぇ」


少し高く飛ぶだけで空気が一気に冷え込む。防寒着を追加で買って良かった。


「俺様も乗せてくれよ」


「自分で移動出来てるじゃないか」


「だってよぉ」


「わかったよ。ここに来いよ」

 

とヘスティアを前に乗せた。一人で移動しているのが寂しいのだろう。しかし、どんどん寂しがり屋を隠さなくなってきたよな。


ご機嫌でセイの前に乗るヘスティア。セイもヘスティアが前にいると暖かいのでちょうどいいやと思ってしまった。ぬーちゃんもヘスティアは重くないので別に嫌がることもない。心なしか後ろに重心が掛かっているとか思わないでおこう。


昼飯休憩が終わってまた出発する。ここからは海越えだから、どこか島を見付けたら早めに休憩を取った方がいいな。


イフリートの大雑把な地図では島があるかどうかわからないので船もひょうたんに入れてきた。最悪船で寝ることになるかもしれないのだ。大海原の何もないところであんな小舟とか大波が来たら一発でダメになるだろうなぁ。


暗くなる前に小さな島というか磯場を発見してそこに降りた。


「この磯場はトゲトゲしてて砂浜で寝るしかないよね。でも海からなんか出てくるかも」


「じゃあ、溶かしてやんよ」


と磯場の中央のトゲトゲ岩をヘスティアが溶かしてくれる。チョー便利だ。


「お前、今便利だとか思っただろ?」


なぜバレたのだ?


「いや、ヘスティアが一緒にいてくれると頼りになるなぁって」


「やっ、やめろよっ」


チョロい・・・


そこでテントを出して晩飯の用意。と言っても肉を焼くだけだ。なんか海の上にポツンとある磯場なここは落ち着かない。


「なんか出そうだよね」


「幽霊の気配がすんのか?」


「違うよ。オーガ島はカニが出たろ?ここも海からなんか出てくるんじゃないかなって」


「ま、それはあるかもしれんな。まぁ出たら出たで殺りゃいいだけだ」


「まぁ、そうなんだけどね」


風呂をどうするかとなって、一つのバスタブをテントの中で設置して入ることになった。グリンディルが水を入れてヘスティアが沸かす。素晴らしい。


「覗かないでよねっ」


「いいからちゃんと前向いて歩け。後ろ向いて歩くとコケるぞ」


「キィーーーっ。前向いてるわよっ。なんでいっつもいっつもそんな事を言うのよっ」


「お前がいちいち覗くなとか下らんことをいうからだ」


プリプリ怒ってテントの中の風呂に行ったウェンディ。女3人でもあのバスタブなら十分浸かれるだろ。


こっちはサカキが飲んでるけどあまり進んでいないようだ。


「どうした?」


「囲まれてんな。結構な数がいやがるぜ」


ぬーちゃんも臨戦態勢に入った。


「おい、まずいかもしれんから風呂からあがっとけ」


テントの外からそう声をかけておく。


「クラマ出てきてくれ。何かが来るらしい」


クラマも出てきて空から警戒する。敵は海の中のようで姿は見えない。さて何が出るか?鬼が出る蛇が出るか。鬼はもうここにいるから蛇かもな。


セイの頭の中は何が出るかな何が出るかなとサイコロが転がっていた。




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