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僕のギルドには『姫』がいる

作者: 藤めぐみ

「リュウ、このゲームやってみないか?ギルドとか協力プレイとかあって結構燃えるぜ。」

今思い返せば、全ては友人の何気ない誘いから始まったのだ。


***

「うーん、このステージわからない。どうすればいいかなぁ。詳しい人教えて欲しい〜!」

カレンさんが攻略ヘルプを呟いている。

僕なりにカレンさんの疑問に対する答えは出ている。でも、僕が答えるべきではないんだ。

そう思って、カレンさんが求めている「彼」の登場を待っていると、

「あー、それはね。全体的に弱らせるのがいいらしいんすよ。なんか敵の数が減ると残りの敵が強化されるみたいで。それでいけるらしいっす。」

いや、お前じゃねえよ!!!

僕は空気を読まずに出てきたメタルさんに画面越しにツッコんでしまった。

「そうだったんですね、ありがとうございます!」

ほら、みろ!普段テンション高いカレンさんが困って、無難な返答してるじゃねえか!

そもそも、らしいって何だよ。お前もそのステージできてないの僕は知ってるからな。

詳しい人って言われてるのに、なんでお前が答えているんだよ。


カレンさんはそもそも、ステージの攻略方法を教えて貰いたかった訳ではないはずだ。

攻略サイトを調べれば載っているし、カレンさんは結構調べている人だというのも知っている。

どちらかといえば、「詳しい人」に声を掛けてもらいたかったのだ。

もっと正確に言えばギルドリーダーのシンさんと絡みたかったのだ。

カレンさんは明らかにシンさんに好意を持っている。正直リアルな嫁の座を狙っているのではないかとも思っている。

まあまあ露骨なんだよな。カレンさんはシンさんに頻繁に絡むし、暇あればボイスチャットしてるし、煽てるし、揶揄うし。

だからこそ、一部のギルドメンバーには疎ましく思われているようだ。

一方のシンさんはカレンさんのことを突き放したりはしない。絡みにもきちんと対応するし、ボイスチャットも普通にしてる。二人で。

もしかして両思いなのか?うちのギルドからカップル成立か?とワクワクして様子を見ていたのだが、どうもシンさんは時々カレンさんに冷たい。この二人の関係よく分からない。

暫く二人の関係を観察していたところ、恐ろしい仮説が思い浮かんだ。

もしかして、ラノベの鈍感主人公のようにシンさんはカレンさんの気持ちに気づいていない……?

いや、まさか、と取消したいが妙に納得もしてしまった。

もしシンさんがカレンさんの気持ちに気付きつつ放っているのなら、シンさん性格悪い疑惑が出てきしまうしな。

うん、シンさんは鈍感主人公だ。僕はそう納得して、その後シンさんのことは心の中で鈍感主人公シンと呼ぶようになった。

ちなみにカレンさんのことはオタサーの姫と呼んでいる。


そんなことを思い出していた時、新たな呟きがあった。

「うーん、わかんなぃ。。。。」

その呟きがされた瞬間、

「ルイさん、これやった?」

「こうしたら楽だよ!」

「あの武器持ってる?それで突破できる。」

一斉にギルドメンバーから返事が届いた。

ルイさんは個別に返事はせず、「あ、できた。」とだけ呟く。

それに対し「おめでとう!!!」と大量の反応がある。

そう、うちのギルドにはルイさんという姫がいる。

「僕、これ何度やってもできなくて。やっとできた。よかったぁ〜」

そう、ルイさんは自分のことを僕と呼ぶ僕っ娘だ。

なかなかお目にかかったことは無いから結構驚いた。

この前初めてボイスチャットで話したが、声がとても低く意外だった。シンさんによると、オフ会に現れた姿は髪が短く、30代ぐらいの男性だったらしい。

……あれ?

ま、まあ、オフ会なんて危ないし本人の代わりに彼氏や兄が来たのかもしれない。

ボイスチャットの声もきっとボイスチェンジャーを使ったんだろう。

そうだ、そうに違いない。

僕が所属しているギルドには鈍感主人公のシンさんと、オタサーの姫のカレンさんと、自称男の美人女子大生の姫ルイさんが在籍している。

このギルドの人間関係、面白すぎないか?

僕は今日も鈍感主人公とオタサーの姫の恋、姫と囲いの群像劇を楽しんでいる。


なお、このゲームを始めるきっかけになった友人だが、僕があまりにもゲームにのめり込んでしまったため、お互いのためにそれぞれギルドを移籍したとさ。まあ、そんなもんだよな。今もリアルではあいつと仲良しだ。

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