第49話~反省の大規模修行~
リアルが忙しくなり、遅れました。
しばらく2~3日に一度のペースになりそうです。
第49話
捕虜集団脱獄から1ヶ月。
道場にて、2名の神が睨みあっている。
刻蝋値「…………」
1神は我らがコックローチ。もう1神は……
手足が異常に長い男「…………」
背丈こそ刻蝋値に及ばないが、手足の長さが
異常に長く、刻蝋値並のリーチを誇る武道家だ。
しばし静寂が流れ…………
刻蝋値「ほっ!」
先に動いたのは刻蝋値だった。
刻蝋値「っと」
しかし、最初に敵の攻撃を避けたのも刻蝋値だった。
刻蝋値「ホアアアッ!」
手足男「ホゥアチャアアッ!!」
殆どの者が認知不可能な速度の応酬が繰り広げ
られている。
刻蝋値(コンドル少将……初めて戦った時も思ったが、
マジでスゲェ武術を考えたものだぜ…………にしても
よぉ…………)
動きを追えてる刻蝋値視点でコンドル少将を見てみよう。
彼の手足は………………
コンドル「まだ不思議がるか?」ぐにゃああ……
あらぬ方向へと曲がり、根本が動く方向へ、
鞭のようにしなっている…………。
そう、間接が全て外れているのである。
刻蝋値「まぁ、何だかんだ、間接はずした武術を
メインウエポンに備えていた神は、あんたが初めて
だったのでね」
そして何より、伸びた手足は更にリーチと攻撃速度、
攻撃力を増大させ、破壊的な威力となっている。
コンドル「こないだは負けたが、今日は勝たせて
もらおう!」
更に攻撃速度を上げ、一気に攻め立ててきた。
刻蝋値「さぁて、そろそろ……決めるぜ!」
コンドルが気づく間もなく片腕を掴み、振り下ろ
されるもう片方の腕を手にとって腕で受けた。
そして、足刀蹴りで胴へ1本に当たる一撃を
入れたのだ。
コンドル「むぅ……取られたか」
刻蝋値「さぁて、約束通り外接拳を教えてもらうぜ!」
~剣道道場~
武死道「ぬぅおおっ……!!」
比類なき斬撃速度を誇る武死道が、相変わらず
凄まじい斬撃を放っているのだが、その表情は
とても険しいものとなっている。
「もらったぞ」
武死道の胴体から鮮血が飛び散った瞬間に、声が
聞こえてきた。
ファング「……ヒュウ~。マジでやりやがったな、
スパーク」
膝をついた武死道の眼前に居たのはスパークだった。
どうやら剣術の手解きを受けており、初めて1本を
取ったようだ。
スパーク「約束通り、お前が大絶賛する鍛冶職人と
やらに鬼桜を打たせてもらおう」
鞘にしまった自身の妖刀を武死道へ
渡した。
武死道「……見事。約束は果たそう」
両腕で受け取りつつ、返事をした。
~死んだ宇宙~
ラピス「神雷霊振砲!!」
神雷の速度で敵を穿ち抜く一撃を、自身の
全エネルギーをもってして放った。
はやみ「極大魔法・ゴッドヴァース!」
こちらもシンプルに全魔力を神雷にして放つ
魔法を発動させた。
サタン「……おい、ルシファー」
ルシファー「ええ、我らも動きましょう」
全力を尽くす2神の補佐を任されていた2神は、
その両者が動くこととなった。何故なら……
~死んだ宇宙の物置き場~
突如1つの宇宙が脈打ち始めたかと思いきや
大爆発を起こし、その余波で周囲にあった
100以上もの宇宙の残骸を容赦なく破壊した
のだ。
サタン「……ったく、付き添いのこっちの身にも
なってほしいもんだぜ」
ラピスの眼前には、理不尽さから怒りを増幅させた
ことで、魔剣グラムを利用した防壁を張ったサタンが。
ルシファー「これはこれで修行になると思いますよ?」
はやみの眼前には、両翼から素早く電磁結界を
発動させ、防壁を張ったルシファーが居た。
ラピス「すみません。修行の特性上、全エネルギーを
消耗せざるおえなく、防御に1手間かけさせてしまい
ました」
はやみ「ルシファー様、守っていただきご光栄です!
ステキです!!」
と、その時
ルシファー「危ない!」
何処からか破壊光線の余波が飛んできたので、
振るった翼の運動エネルギーを神光速(神世界に
おける最高速度)で打ち出す技を用いて反らした。
サタン「ったく、アイツらは相変わらず元気だなぁ……」
~少し離れた場所~
バレット「食らいやがれぇ!!」
全速力の右ストレートを放つ。
インフィニティ「うははっ! 甘ぇな!!」
紙一重でかわし、口から破壊光線を放った。
バレット「効かん!!」
瞬時に全身の筋力を気功のバリアに変換し、
インフィニティの破壊光線を倍の威力で
反射した。
バレット「どーよ、脳筋は卒業済みだぜ!」
インフィニティ「バーカ。自分のビームで
死ぬ訳ねぇだろっ!」
再びタイマンの火蓋が切って落とされた。
~貸し切りにした闘技場~
イザナミ「くっ!」
霊的物質のカッターを腕に受け、ダメージを負った。
クラウス「そこまでだな。1本貰ったぜ」
イザナミ「いてて、流石は元・神兵長様ね。私も
大隊長までは上り詰めたのだけれど、格の差を
思いしらされたわ」
クラウス「いいや、こんな差なんて刻蝋値周辺の
奴等と比べりゃ可愛いもんだぜ……」
イザナミ「ふふっ、確かに。もう500戦程
やりましょう?」
自らの裂傷を、再生の炎で焼くことで治した。
クラウス「そうか、それがお前の能力か…………。
共闘の時は頼りにしてるぜ」
再び戦闘を開始した。
それから1ヶ月後…………アポフィス派の昇格式が
行われた。
アポフィス「この1周期、多くの出来事があったが、
皆、よくぞ働いた。今回特に働きを認めた者の
昇格式を執り行う。名を呼ばれた者は登壇せよ!」
下でアポフィスを見上げていた神々は、様々な
表情を見せていた。複数階級昇格を期待する
表情を見せる者。流石に昇格は無いと考え、
流した表情を見せる者。先程兵団に入隊した
新人達は羨望の表情をしている者が多かった。
アポフィス「では、見習いから順に読み上げる。
刻蝋値!」
第50話に続く。
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