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第42話~炎の光に集まるゴキブリ達~

休日にキャンプをしていると、想像もしていなかった

奴に遭遇した。

第42話


俺達は今、キャンプ場に居る。


刻蝋値「もうちょいだ……後……3.1415秒で

…………完成っ!!」


調理していた肉が完成し、惚れ惚れする出来映えの

逸品となった。


バレット「おおっ、これまた美味そうな肉だな!」


はやみ「ヨダレが……とまらないよぉ~」


インフィニティ「へへ、コイツの戦闘以外の長所と

言えばこれくらいのもんだぜ!」


当然だ。薄く表面を覆う油は光を反射して肉を

鮮やかに彩り、周囲には肉特有の嗅げば幸せな

気分になる香りが充満しているのだからな。


マリア「プルートには及ばないけど、中々のものね。

その辺の高級料理店位の腕前だわ」


そのプルートさんは、今日はワープ技術を使った

輸送の仕事があるため、残念ながら不在だ。


はやみ「もう、普通の料理しか作れないことが

恥ずかしいくらいですよ~」


マリア「はやみ、それは違うわよ。このレベルの

料理を作れるイケメンを手に入れれば問題ないのよ」


はやみ「そうですねっ! 流石ですマリア様」


マリア「フフッ、これからも世の渡り方は何でも

教えてあげるわ。さ、一緒に食べましょ、イケメン君」


スパーク「…………」


おもむろに掴んだ腕の持ち主は、スパークだった。


はやみ「あっ、抜け駆けはいけませんよ!

スパーク様はわたしの物!」


マリア「フフフ、まだまだ甘いわね」


スパーク「俺はお前達の"物"ではない」


はやみ「そう言わずに!」


刻蝋値「おいおい、その辺にしてやれよ。

これ以上はコイツの鼻が持たn…」


マリア「有象無象は黙ってなさい!」


刻蝋値「おいおい、イケメン以外は

ゴミってかよ…………」


ここまで割りきっていると、かえって清々しさ

すら感じてしまう……。


イザナミ「有象無象……? 録に戦えぬ貴様が

刻蝋値様を侮辱するとはどう言うことだ??」


マリア「何よ? 文句あるわけ??」


刻蝋値「イザナミ、俺は怒ってねぇから

落ち着いてくれ」


イザナミ……数日前まで牢屋で過ごしていたのだが、

やはり心無い連中にいじめられてしまっていたので、

監視の名目で俺が引き取ったのだ。

それは良かったのだが、その時の署長とのやり取り

で俺を気に入ったらしく、凄く距離を近付けて

くるようになってしまった…………。


イザナミ「いけませんよ刻蝋値様。こういう輩は

恐怖を与えねばいつまでも付け上がります。女の

私ならそれが可能です」


拳に炎を纏わせながら、マリアを威圧していく。


刻蝋値「いや……そういう問題じゃなくて…………」


イザナミ「さて、少し分からせてやるか……炎が」


まさに拳を振り上げようとした瞬間に、

炎エネルギーが消えてしまった。


はやみ「させないわよ。イザナミ、あなたここで

暴れて刻蝋値君の料理も台無しにするつもりだった

の?」


イザナミ「…………それは」


マリア「はやみ、助かったわ」


はやみ「マリア様、刻蝋値君に謝って下さい。

今回イザナミが怒ったのはマリア様の軽率な

発言が原因ですよ」


マリア「……分かった。刻蝋値、ごめんね」


不服げに、会釈レベルだけ頭を下げた。


イザナミ「……それが反省している者の態度か?」


刻蝋値「気にしてないから良いッスよ。けど次は

イザナミを止めねぇからな」


イザナミ「よ、良いのですか?」


刻蝋値「うん、学ぶかどうかはマリアさん次第。

学ばなかった時はイザナミ、頼んだぜ」


イザナミ「…………はい」


頼られた事が嬉しかったのか、少し頬を

赤くしながら返事した。


それからは飯を食い、神木の森を探検し、

探検終了後はそれぞれの思いに耽った。


刻蝋値「そういやスパークは小さい頃、森で

過ごしていたんだったっけ」


スパーク「懐かしいな。森の動物達と食うか

食われるかの死闘を繰り広げていたものだ」


神格化以前、スパークは親に捨てられ、役人に

殺されかけたのだが、常人より数倍優れた筋力に

より、役人から逃げ延びた。それからは山で虫や

木の実、猪や熊やモンスターなどの獣を倒しては

食べていたようだ。


刻蝋値「お前の妹を介して入門した忍者組織で

偶然出会い、最終的には魔王を倒したよなぁ」


スパーク「ああ、俺共々閃影を苦しめた忌々しき

父親も殺し、晴れて本当の自由を手に入れたわけだ。

何だかんだお前には世話になったな」


刻蝋値「親友(ダチ)を助けるのは当然だろ。

ちょっとトイレ行ってくるわ」


イザナミ「刻蝋値様。トイレですか?」


刻蝋値「うん、だから着いてこないでね」


イザナミ「このキャンプ場……トイレが無いの

ですよ」


刻蝋値「…………うっそぉ!? じ、じゃあ少し遠く

に行ってくるぜぇー!」


~かなり遠方~


刻蝋値「お、公衆トイレ! ラッキー!」


豆粒サイズの公衆トイレが手のひらサイズまで

大きくなった瞬間……


刻蝋値「はぁ!!?」


爆発した。


???「貴様、強そうだな」


刻蝋値「てめぇ……強いんだろうが、公衆トイレを

ぶっ壊して良いわけねーだろ。思い知らせてやる」


第43話に続く。

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