表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/53

第40話~嘘つきに噛みつくゴキブリ達~

取り調べ(意味深)

第40話


女神「……うん?」


目覚めると、真っ白な空、白い建物が羅列する

知らない街中にいた。


バレット「目覚めたぞ」


刻蝋値「うし、なんとかなったな」


女神(……確かブラックホールで武器を投げ落として

いて……それでその後は)


長いサイドテールに纏めた赤い髪に、紅の瞳を持つ

女神は全神経を集中させ、状況を理解しようとしている。


刻蝋値「こんにちは。俺はアポフィス軍所属の見習い、

刻蝋値だ。寝起きそうそう悪いが、君たちがブラック

ホールで行おうとしたことを教えてくれるかい?」


女神「……嫌だと言ったら?」


刻蝋値「黙っていれば良い。その後どうなるかは

想像に任せるぜ」


女神「…………じゃあ話すわ」


刻蝋値「お、そいつは嬉しいねぇ(あれ……?

話してくれるの??)」


予想外の対応に、内心混乱した。


女神「私達はね、スパイからリークされた情報を

元に、アポフィス軍の特殊部隊と思われる神々を

確認し、詳細を暴く為に派遣されたの」


刻蝋値「ま、俺たちの事だな。特殊部隊なんて

くくりじゃねーけど」


女神「そして運良く誰かの超音波を感知できたから、

ブラックホールの地面を囲んでそこから情報を得ようと

したわ」


はやみ「情報……? 有無を言わさず殺そうとしたの

間違いでしょ?」


殺されそうになった身としては、たまったものじゃ

なかった為、気が立っているらしい。


女神「ええ、中佐が突然攻撃指令を叫んだから、

虐殺に変わってしまったわ」


刻蝋値「大方俺らを殺して出世したかったんだろ」


女神「その通りだと思うわ。私も意を決して槍を投擲

したんだけど……次の瞬間、全身に恐ろしいほどの衝撃

が襲ってきて…………部隊の皆にも助けを乞うたけど、

誰も助けてくれなかったよ」


刻蝋値「それで落ちてきたんだな。姿さえ見えれば

俺が一瞬で拘束して終わりだったんだがなぁ」


女神「そんなに甘い相手なんて居ないわよ。私が

分かるのはここまで、後は中佐でも拷問すれば?

もう……何もかもどうでも良い」


刻蝋値「"正直"に話してくれてありがとな。

中佐は既に……」


話にあわせてバレットとサタンがカーテンを畳む。


女神「うっ…………」


中に居たものを見て、女神は顔を青ざめた。


刻蝋値「拷問済だ」


中々に邪悪な笑みを浮かべながら、既に取り調べ

終えたことを伝えた。


中佐「…………イザナミ。……我らが固く口を閉ざして

いたというのに…………よもや簡単に割るとは…………

堕ちぶれたものよ」


イザナミ「っっ…………」


中佐「両手は残っているな? 自ら首を絞めて死ぬ

のだ。さすれば、この事は誰にも他言しないでおく。

さぁ、絞めるが良い」


イザナミ「…………」


両手を首に持っていったが、しばらくして

力無く脱力した。


刻蝋値「ま、コイツなんかの為に死ねるわけねーよな」


中佐「何故だ! 貴様には仲間意識というものがなi…」


イザナミ「あんたに言われる筋合いは無いわ。部下を

危険な環境へ押し出し、挙げ句傷ついても見捨てる

ような薄情者の分際でさ」


中佐「黙れ! 俺は誰も見捨ててなぞいない!!

この無能n…」


刻蝋値「サタン」


呼び掛けと同時に、黒く光る焼き小手を押し付ける。


中佐「ギャアアアアア!!」


大佐相手でも十分なダメージを与えれる熱を食らい、

場をこころみず大声をあげた。


刻蝋値「止め」


中佐「っはぁ……はぁ…………何……故…………??」


刻蝋値「言ったろ。嘘ついたら罰与えるよって」


中佐「何と理不尽! 俺は何もかも白状したんだぞ!」


刻蝋値「いや、何言ってんの? はやみの魔法で言わ

されただけだったろ。それとさ、敵前で理不尽とか、

あんた本当に中佐なの? ダッセェの」


イザナミ「……本っっ当ダサいわ。こんな神に配属

されたことが、神生最大の不幸だわ」


中佐「ぬぐぅう!?!! い……言わせておけば」


刻蝋値「もう1つの虚言も拷問で制裁するぜ。

スパーク」


スパーク「細く長く苦しめてやろう。精々楽しめ」


あたかも自然現象のように腕を首へと滑らせ、

絞め始めた。


中佐「…………!!…………!……!!!!…………」


声を出そうにも出せない。話せないが、嘘を重ねる恐れも無い。


イザナミ「……フフ、良いざまね。さてと、私も

これから更に取り調べられるのでしょうけど……

まあ未来は暗いでしょうね」


刻蝋値「どうかな、イザナミ……だったか?」


イザナミ「ええ、それが私の名前よ」


刻蝋値「事情聴取した中で、正直に話してくれた

のは君だけだった」


イザナミ「そうなの? 皆よっぽど糞中佐が

好きだったのね」


刻蝋値「それも無くはねぇが、メインは保身

だったな」


イザナミ「そりゃそうよね。……で、早く私に

降り注ぐ罰を教えてちょうだい。この恐怖感

……嫌いなのよ」


刻蝋値「罰は……これから偉い方々と掛け合って、

可能な限り減刑してもらう」


イザナミ「減刑……一番良くて性奴隷ってところ?

あなたなら意外と優しそうだし、十分だと思うわ」


刻蝋値「おいおい……そんなサイテーな事

出来ねぇよ…………」


目を見つめて平然と言われてしまい、流石に

少したじろいた。


はやみ「そうよ! 刻蝋値君を侮らないで!

刻蝋値君はね、あなたよりわたしの方が

好きで大切なのよ!」


刻蝋値「まぁそうだな…………へ??」


答えてすぐに気づく。これは全てを肯定して

良い質問ではない事に。


はやみ「へ?? って、何も違うく無いでしょ?」


刻蝋値「大切っていうのはあってるけどよ、

好きは……まぁ……意味しだいというか…………」


はやみ「??? 何にしてもわたしはこの女を

信用しないわ。口ではこう言っていながら、

新たなスパイである可能性もあるもの。こんな

女に足元救われるなんて嫌よ」


ファング「……まぁ、何て言うか、これからも

しばらく取り調べはあるし、そこで洗いざらい

潔白は示させるからさ」


刻蝋値「あんまり威圧しないであげると助かる。

ここは神手不足だから、1神でも欲しいしな」


はやみ「……分かったよぅ。じゃあ睨んだりする

のはやめる」


刻蝋値「そうそう、笑ってる方がかわいいぜ。

じゃ、ひとまず務所に向かおう」


はやみ(今の一言って、もしかして…………)


盛大に顔を赤らめ、何か勘違いをしたようだ。


第41話に続く。

ブクマ、評価や感想などを頂けると、モチベーションが

上がります。気軽にどうぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ