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第33話~積極的休養~

第33話


刻蝋値「んん……もうこんな時間か。仕方ねぇ朝飯は

プロテイン50Lで我慢するか」


俺は刻蝋値、最強になるべく常に筋力を向上させ

続けているゴキブリだ。昨日は大きな資材を一日中

全速力で運んでいたから、殆ど全身が筋肉痛になって

いるぜ。そんなこんなで寝坊しちまったから、定時出勤

を守るべく、プロテインを50Lで我慢することにした

のさ。


刻蝋値「さて、行くか!」


仕事着に着替え、さっさとアポフィス神の元へと

向かった。


~アポフィスの部屋~


刻蝋値「失礼します!」


プルート「やぁ、刻蝋値君。昨日は大活躍だった

そうだね」


刻蝋値「プルートさんちわっす! はやみもおはよー」


はやみ「おはよー」


アポフィス「バレットはどうした?」


刻蝋値「アポフィス神、おはようございます。

バレット?……わかりません」


アポフィス「ふむ……プルート、少し様子を見てこい」


プルート「はい」


そう言って、瞬間移動しようとした時だった。


バレット「失礼します! 遅れてすいません

でしたぁ!!」


定時より1秒遅れてバレットが入室してきた。


アポフィス「よし、ならば今日の任務を振り

分けるぞ。今日は、はやみとルシファーに

建設地へ行ってもらう」


刻蝋値「俺達は行かなくて良いのですか?」


アポフィス「フッ、昨日あれだけ運んだんだ。

資材運搬は完全に終わったも同然だ」


バレット「う~む、となるとここの防衛でも

すれば良いんですかね?」


アポフィス「そうだ。いざという時の為、

スパーク、武死道と共に防衛に当たれ」


2神「わかりました」


アポフィス「プルートは引き続き緊急連絡係を

頼んだぞ」


プルート「はい!」


アポフィス「では、各自任務をこなせ」


刻蝋値「はやみ、頑張れよー」


はやみ「任せて! 魔法ならルシファー様だって

導いて見せるわ!」


ルシファー「頼りになるねぇ!」


刻蝋値「ルシファーさんも色々と助けてあげて

ください」


ルシファー「当然だよ」


アポフィス「では、行こうか」


3神の姿が消えていった。


~次の日~


刻蝋値「久々の休みだな~」


はやみ「普段通りの周期で休みになったけど、

忙しすぎて久々に感じちゃうよね~」


スパーク「……で、なぜ牢屋に連れていくのだ?

口が固い奴でも拷問してほしいのか?」


はやみ「違いますよぉ~。ファッションショーを

開きたいんですよ」


スパーク「そして何故くっつく……離れろ」


はやみ「もう少しだけ~……」


プルート「ホーク達元気にしているかなー?」


刻蝋値「確かに、ちゃんと筋トレ出来ていると

良いんですけどねー」


~牢獄~


刻蝋値「よっ! 元気にやってるか?」


クラウス「よう、相変わらず差し入れはうまいな」


ホーク「刻蝋値! 見てくれ、俺は遂に腕立て伏せを

超えたんだ!」


ホークは腕立て伏せの状態で胸まで沈み込むと、

胸の力で上へと加速し、そのまま少し浮いた。


刻蝋値「ジャンピングプッシュアップじゃねーか!

随分と上達したなぁ!」


ホーク「君のお陰さ。スクワットだって飛べるし、

こないだ鉄格子で懸垂も出来るようになったんだ!」


クラウス「俺様が教えてやったんだぜ」


ホーク「まさかクラウスがここまで教え上手だとは

思わなかったよ!」


クラウス「ほめても何も出ねぇぜ、気持ち悪ぃ……」


そう言いつつも表情は嬉しそうだった。と、その時


はやみ「ホーク様~」


ホーク「うわっ!……な、何かっ……用かい!?」


はやみ「ちょっとお着替えしてくださいな~」


ホーク「断る。今の俺に重力魔法なぞ効かないぞ。

さぁ、やってみるが良い!」


クラウス「おいおい、あんまり調子に乗ったら」


やはりと言うか、情けない叫び声をあげながら、

はやみの方へと引き寄せられていった。


はやみ「さ、脱いで脱いで~!」


???「ちょっと! そこまでよ!」


向かいから女魔法使いの声が聞こえてきた。


刻蝋値「お、あんたは確か」


アマンダ「アマンダよ。ここにはヒーラが居るから

せめて見えないようにはして頂戴!」


どうやら子供に配慮をしろと言うことらしい。


刻蝋値「じゃ、俺が影になるぜ」


俺は恵まれた体格を活かし、追い剥ぎ現場を隠した。


ヒーラ「……」


ピンク髪の女の子が何やらもの言いたげにこちらを見ている。


刻蝋値「ん? どうした?」


ヒーラ「お兄ちゃんは何でアポフィスに従ってるの?」


刻蝋値「そうだな……どちらもラーを倒すという

共通の目的があるからだな」


アマンダ「様をつけなさい! 様を!!」


ヒーラ「何で倒そうとするの……」


刻蝋値「……俺の大切な存在を踏みにじったからだ。

1つの魂を延々と苦しめ続けるなんざ、正気の沙汰

じゃねぇ。奴は異常者だ」


アマンダ「はぁ?……何言っているのよ。ラー様が

そんなこと…………する…………わ…………け………………」


刻蝋値「見ちまっているが、記憶を封じられたか」


アマンダ「うううう…………」


ヒーラ「姉さま!」


刻蝋値「理由は話したし、ここで中断だ。こんな時は

あれでも見てみろ」


ホークとスパークが鎧を着て並んでいた。その

真ん中でははやみが両手をそれぞれと繋ぎ、

嬉しさのあまり卒倒しかけている。


ヒーラ「ホーク兄ちゃんも隣の神もカッコいいね!

悪の騎士様と正義の騎士様みたい!」


アマンダ「依然会った時から思っていたけど、

あの子のセンスは理解できないわ……見た目

なんて最低限あれば良いのよ。金よ! 金が

全て!!」


プルート(それはそれではやみちゃんと似たり

寄ったりのような……)


刻蝋値「おー、おー、欲が向いてる方向こそ

違えど、似たり寄ったりな考え方だなぁ!」


アマンダ「はぁ! なっ何言ってるのよあんた!

私のどこがあんな子に見えるってのよ!!」


刻蝋値「んー……全部?」


はやみ「ねぇねぇ、2神とも! ホーク様と

スパーク様どっちがカッコいい?」


こちらの意見を聞きに来た様だ。


アマンダ「……言ってどうするのよ」


ヒーラ「う~ん、金髪の神かなぁ?」


はやみ「アマンダさんは?」


アマンダ「はぁ……ホークにしとくわ」


ホーク「……へっ?」


小声だが、刻蝋値にはホークの返答が聞こえてきた。


刻蝋値「……ホーク、まさかあの色っぽい

お姉さんが好きなのか」


ホーク「ンガッ!? な、なぜ分かった!!?」


刻蝋値「んなもんさっきの動揺で分かるって。

お近づきになる方法、教えてやるぜ」


ホーク「た、頼むっ! はやみちゃんから100の

拷問を受けても良い! 教えてくれ!!」


刻蝋値「兎に角金を儲けれる職につけ。ここなら

アポフィス神の近衛兵とかが良いかもな」


ホーク「そうか、貴重な意見をありがと……」


刻蝋値「ん? どした??」


ホーク「だ、騙されんぞ!俺はまだそちらへ

つく気は無いのだ!!」


刻蝋値「ありゃりゃ、勧誘失敗かぁ。ま、その内

お前から来たいって言わせてやるぜ」


ホーク「ふん! 俺を誑かすなぞ百億年早いわ!!」


危うく乗せられかけたホークに対し、何処からか

辛辣な掛け声が聞こえてきた。


???「忠誠心ブレブレの煩悩まみれな駄犬が

何を威張ってるんだ? 元第2部隊のホークさん

よぉ……いや、ホークの糞野郎がぁ!!」


第34話に続く。

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