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第32話~筋トレの成果を見せるのはいつ? 今でしょ!~

もう古いネタになったんだな~……

第32話


アポフィス「今回、我が神域はお前達の働きによって

守り抜かれた。まずは感謝の念を伝えよう」


はやみ「エヘヘ……」


刻蝋値「捕虜もたくさん捕らえたし、神域も無傷で

守れたし、悪ぃ事無しだな!」


はやみ「ねー!」


皆が喜び合い、笑顔が溢れているが、数名は何かが

引っ掛かるような表情をしている。


スパーク「1つ進言したいことがある」


おもむろに声をあげたので、全員の視線が

スパークへと向く。


アポフィス「言ってみろ」


スパーク「今回大規模な軍勢がやって来ただろう。

俺は奴らがこのアジトを突き止めたと見ている。

故に、アジトの移動を進言する」


全員に聞こえるような大声で進言をした。


ルシファー「君もそう思っていたか。私も彼に

賛成です。ここは既に危険だと思います」


アポフィス「……やはりそう思うか。既に新たなる

神域も建築している……が、この神域と同程度の

機能を持たせるため、建築に手間がかかっている

のだ。我も後少ししたら向かう予定となっている」


刻蝋値「力仕事ならめっちゃ手伝いますよ?」


バレット「俺も手伝うぜ!」


アポフィス「そうだな……だが、全員は向かわせ

られん。ラー軍の進撃を考え、大多数は残って

もらうぞ。今回連れていくのは刻蝋値、バレット

の2神だ。プルート、緊急の連絡を任せるぞ。他は

ここの防衛だ」


プルート「わかりました」


はやみ「刻蝋値君、頑張ってね!」


ファング「相棒、程々に役立ってこいよ」


刻・バレ「おう!」


アポフィス「では、各自与えられた役割を

こなすのだ」


こうして建設場にアポフィス神の瞬間移動で

向かった。


刻蝋値「うっひょー!デカいエクトブロックだぜ!」


一辺の長さが100m程ありそうな巨大立方体が

幾つもあったのだ。


バレット「ここなら運べるだろうが、ブラック

ホール内部だと相当キツいぞこれ」


アポフィス「フッ、筋肉を実用的に動かす試練にも

なろう……何てな、首尾はどうだ?」


近くにやって来た建設神に首尾を聞いた。


建設神「ハッ、現在10%程作業が進んで

おります。課題は山ほどあり、資材の運搬が

滞っている状態です」


アポフィス「そうか。そう言うことならば……」


先を言おうとしたアポフィスの言葉を遮るように


刻蝋値「資材のぉ!!」


バレット「運搬だぁ!?」


自らの強みを活かせそうな2神が叫びをあげた。


建設神「そ、そうですが……」


アポフィス「丁度力が有り余っている奴等が

居てな、コイツらを手伝わせよう」


刻蝋値「す~~ぐに終わらせてやりますぜ~~」


バレット「刻蝋値、どちらが早く多く運べるか

競争だ!」


刻蝋値「その言葉、待ってたぜ!!」


建設神「あ、あちらのゲートに運んでいって

下さい! 構造維持魔法は弱いので、下ろす

時は慎重にお願いします!」


必死に要点を伝えたのだが……


刻蝋値「わかりましたぁ!」


バレット「構造維持魔法? んだそりゃ??」


刻蝋値「メッキみたいなものさ。剥がれたら

水風船の水みたいになっちゃうんだよ」


バレット「なる程な。音を出さねぇデッドリフト

大会バリに静かにおいてやらぁ!!」


刻蝋値「それでいて速攻終わらすぜ!!」


建設神が理解できない単語を並べながら、積み

重なった資材の方へと走っていった。


建設神「…………不安です。そもそも、あの資材

自体アポフィス神でも無ければ持ち上げられ

ませんよ! それなのにデッドリフトだの速攻

だの…………」


アポフィス「フッ、そう思うのも止む無しだが、

現実を見るが良い」


建設神「………………現実……ですよね」


バレットが軽々と地から資材を持ち上げていた。

刻蝋値に至っては、思ったより軽かったらしく、

危うく投げ飛ばしてしまいそうになっていたのだ。


アポフィス「現実だ。どちらも最近神格化したの

だが、見込みがある」


建設神「……ですね~。持つだけでも凄いのに、

超光速で走るとか、フィジカルエリートにも

程があるでしょー」


~門の上~


門番「……ん?」


門番が望遠鏡を除くと、何やら四角い物体が

かなりの速度で迫っている。


門番「あれって……資材、だよな……え?

下に誰かいる…………って待て待て待て!

速すぎる!!」


~平らな地面~


刻蝋値「よーし、そろそろ声かけするぞ」


バレット「せーの」


2神「門を開けろぉ!!」


~門の上~


門番「か、開門~~~!!」


門が開き、勢い良く入ってきた2神は本当に

音1つ立てずに資材を置いたかと思いきや、

来たときの100倍程度の速度で帰っていった。


門番「……何だったんでしょう?」


分配係「さぁ?」


現場リーダー「てめぇらぼさっとするな。次が

直ぐに来やがるぞ」


分配係「……え?」


~資材置場~


建設神「早っ、もう戻ってきた!」


2神が1分もしない内に戻ってきたので、

心底驚いている。


刻蝋値「よし、俺はこれだ!」


バレット「俺はコイツを運ぶぜ」


2神は1列に並んでから、阿吽の呼吸で同時に

スタートダッシュを切った。


アポフィス「この通り、常識の欠片もない

連中だが、使える時はとことん使える。

上手くやってくれよ」


建設神「はい!」


アポフィス「さて、隙間時間を使い、我も

運動不足を解消しようか」


建設神「……へ? アポ」


呼び掛けようとした瞬間、アポフィス神の

姿が消え去り、同時に資材も1つ消えていた。


~運搬道~


刻蝋値「まだまだ飛ばすぜぇ!」


バレット「負けねぇぞぉ!」


お互い高め合い、更に加速しようとした時だった。


刻蝋値「ん?……今、センパイ通らなかったか?」


バレット「アポフィス神? 俺はさっぱり

見えなかったが……」


刻蝋値「そうか……」


1秒走った後、再び刻蝋値が口を開いた。


刻蝋値「やっぱ通ってる! しかも資材4つ程

抱えてるぞ! あ、また取りに行っ…もう追い

抜かれた!!」


バレット「刻蝋値! あれを見ろ!!」


バレットが指差す方向では、用途に応じて

資材を分別する神々が、突如大量に現れる

資材にまごついている様子が映っている。


刻蝋値「負けられねぇ!」


バレット「同感!」


分別係の配慮などは無しに、音を立てずに資材を

置いたら全力疾走で戻る。


刻蝋値(ん?)


何かの気配が真横に現れたので、見てみると

アポフィス神だった。


アポフィス「フッ」


余裕げに笑みを浮かべて見せ、刻蝋値すら

出せない速度で追い越していった。当然戻り

は認識すら不可能だ。


刻蝋値「……俺達」


バレット「遊ばれてるな……」


2神「負けてたまるかぁ!!」


言うまでもなく惨敗であり、3往復後には

資材は半分ほど積み上げられており(当然

限りなくアポフィスが運んだ)、ここで

刻蝋値は分別係のお手伝いになった。


アポフィス「我はここで離脱する。粗相だけは

起こさぬようにな」


刻蝋値「……はぁい」


流石にしょんぼりしてしまった。


アポフィス「まぁ、貴様らならそう遠くない未来に

この境地に達せれる。焦らず前を向け」


そう言って、帰っていってしまった。


バレット「はっはっは、それもそうだな!

よし、各々の仕事をするかぁ!」


刻蝋値「そうだな。これ終わったら肉専門店で

食べ放題やるぞ!」


バレット「おうよ!」


午後のシフトの半分が過ぎる頃には全ての資材を

所定の位置まで持っていった。その後は楽しく

肉体を使った加工方法を学び、仕事終わりに

3店舗の肉を在庫切れにした。


刻蝋値「さて、明日もしっかり働くか!」


第33話に続く。

ブクマ、評価や感想などを頂けると、モチベーションが

上がります。気軽にどうぞ!

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