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第21話~怪我した時は動かないに越したことはない~

第21話


~はやみ宅~


はやみ「刻蝋値君……来ないですね」


プルート「彼なら飲みたくない気分でも、

連絡くらい入れるよね……」


はやみ「何かあったのかなぁ~!

心配すぎるよぉ~~!」


あまりにも心配しすぎてしまい、

泣き始めてしまった。


プルート「い、いや、流石に半日会ってない

だけで失踪だと決めつけるのは早計だよ!」


そういうプルートも、実は心配していたりする。

と、そこへ


アポフィス「急で悪いが、コイツを看病してくれ。

頼んだ!」


いきなり瞬間移動で現れたアポフィスが、

刻蝋値を置いた次の瞬間何処かへと消えて

いったのだ。


2神「アポフィス神!!?」


まずはこの施設の長が来たことに驚き…………


2神「こっ刻蝋値君!?!?」


見慣れた友が見るも無惨な姿になっている

ことに驚いた。


はやみ「刻蝋値君~~! 生きてて良かった

よおぉ~~~!!」


まるで亡骸を前に泣きつくような絵面に

なっている。


プルート「はやみちゃん! まず看病だよ!」


はやみ「そうでした! 取り敢えずウチに

あるだけの回復系ポーションをあるだけ

全てぶちこんで……!!!」


プルート「栄養も! 僕の冷蔵庫の物も

全て持ってくる!!」


プルートは瞬間移動を行い、2秒後には

両脇にかかえれるだけの食料を持ってきた。


はやみ「プルートさぁん! 5本ほどぶっかけて

いるのに全然傷が塞がらないよぉ~~!」


回復ポーションを刻蝋値の口に含めたり

させず、直接ぶちまけたらしい。飛散した

ポーションが私服に染み込み、軽く透け

させながら泣いている。


プルート「顔からして栄養失調だね。

こういう時は…………」


指をパチンとならすと、その場にあった

神威ノ獅子の肉が消滅した。


はやみ「…………何をしたんですか?」


プルート「胃に直接肉を転移したんだよ。

これで最低限の栄養は得られるはず」


と、その時


刻蝋値「ぬおおっ! 俺は絶対お前を消し

飛ばす! 覚悟しろ!! ラー!!!!!

…………あれ? ここ何処? センパイの腕の

上じゃねぇな」


刻蝋値の傷が一瞬で消えたと同時に、

意識もすっかりと戻ったようだ。


はやみ「刻蝋値君~~~~!」


刻蝋値「あ、はやみ。……何で泣きながら

抱きついてんの?」


泣きながら左両腕に抱きついている。


プルート「いやいや、無理もないさ!」


刻蝋値「へ……? プルートさんまで抱き

ついてるの…………???」


普段控えめなプルートまで抱きついている

様子に、流石の刻蝋値も不思議そうな目を

している。


プルート「君は青い顔して全身ヒビだらけの

状態で、アポフィス神に運ばれてきたんだ」


はやみ「アポフィス神、運んでくださるのは

当然だけど、刻蝋値君を私たちに押し付ける

なんて……ちょっと幻滅しちゃったなぁ…………」


刻蝋値「あー、それにはちょっと事情があって

なぁ。実は少し前まで、俺とアポフィス神は、

ラーと戦ってたんだ」


2神「…………ええ!!?!?」


沈黙の刹那、2神は目が飛び出てから

戻るような挙動で驚いた。


刻蝋値「驚くのも無理ねぇさ。殆ど

アポフィス神が、ラーの動きを封じて

いて、俺は2回程フォローをした後、

敗走するしか無かった。未熟さが

身に染みたぜ」


はやみ「そんな中、良く生き延びてくれたね

……とても嬉しい」


優しい笑顔から、嘘偽りの無い本心だとわかった。


プルート「本当に。それにしても、神軍大将から

逃げ延びるなんて、一体どうやってなしえたん

だい?」


刻蝋値「基本的にはアポフィス神が

ラーとドンパチしあい、俺は出来る

だけ遠くへ逃走。途中エネルギーが

切れたから、オナラで加速せざる

おえなくなりつつも、どうにか

アポフィス神がラストまで温存していた

瞬間移動で俺ごと逃げきった感じだったな」


はやみ「刻蝋値君が全力で逃げるしかない

相手……(ん? オナラで加速??)」


やはり途中の発言に、疑問を抱いたようで、

表情が不思議そうになった。


プルート「瞬間移動……やはり僕も指導を

受けるべきだな」


刻蝋値「いやー、更に尊敬できるように

なりましたよ。だからな、はやみ、どうか

アポフィス神に幻滅しないでくれ。俺を

2神に任せたのは、2神を信頼している

証だし、アポフィス神にとってラーは、

そうしてまでさっさと対策を練らねぇと

ヤバイ相手なんだ」


未だ抱きついているはやみの頭を撫でつつ、

状況を伝えた。


はやみ「うん、そうだよね。何でも話して

くれてありがとう。さ、横になって」


刻蝋値「おお? 俺はもう普通に動k…」


遠雷でも落ちたかのような轟音の腹の音が

鳴り響いた。


プルート「料理は任せて。成人してから

20000年、独身の腕をとくと味わって

おくれよ!」


刻蝋値「ぜ、是非楽しみにしてます!(な、

なんか聞きたくねぇこと聞かされた気分

だ……)」


厨房へ向かうプルートを見つつ、彼の闇?

を肌で感じ取った。


はやみ「さ、わたしの膝枕で休んで!」


刻蝋値「お、おう……(こんな姿でも怒らねぇ

プルートさんはマジで真の神だ……俺ぁ、包丁

投げられたり、冷蔵庫でぶん殴られたりした

って文句言えねぇ事をしてるのによ)」


そう思いつつも、どっと疲れているのも事実で

あるため、ついつい甘えてしまった。


プルート「お待たせ! これからどんどんと

持ってくるから、自分のペースで食べておくれ」


刻蝋値「本当にありがたいとしか言えないッス。

いただきます!」


勢い良く食べようとしたら、はやみに制止

された。そして


はやみ「今日はわたしが食べさせてあげるわ。

あーんして」


刻蝋値「……あーん」


結局は病人扱いされ、食事すら自分で

とらせてくれなかった。さっきから

はやみの服が透けて色々と見えるし、

途中からプルートさんまで食べさせて

くださったので、もう……なんというか、

色々と考えることをやめたのさ。


第22話に続く。

ブクマ、評価や感想などを頂けると、モチベーションが

上がります。気軽にどうぞ!

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