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第14話~速度は筋力から生まれるもの!~

極大魔法を撃ったはやみ。その結果……

第14話


敵の居ないところまで移動した刻蝋値達は、

適当な場所に降り立った。


刻蝋値「よし、ここまで来れば一安心かな。

……ん?」


はやみ「こ、怖かったよおぉ…………」


ブラックホール外の宇宙で放てば、普通に

幾つもの銀河系が壊滅しかねない攻撃の

嵐を受け、はやみは完全に怯えきっていた。


刻蝋値「うんうん、よく頑張ったぜ。そうだ、

これを見てくれよ」


はやみ「……ん?」


刻蝋値の手には、星を砕くことで得られる霊的

物質、そして、それをコーティングすることで、

外部へ持ち出しても構造が維持されるように

なったものがあった。


刻蝋値「戦闘中、神格化以前に培った盗みの

技術でスッてきたぜ」


はやみ「……ええっ!? ど、どのタイミングで?」


刻蝋値「あのオッサンのパンチを流した時と、

オッサンにドリルキックぶちかました時だな。

コーティングされてねぇのはヴァールをはたき

落とした時や、はやみの極大魔法で飛散した奴

だな」


はやみ「…………将校相手にわたしを守りながら

どんだけ色々とやってるのよ」


刻蝋値「うん、結構いっぱいいっぱいだったぜ。

これから情報の持ち逃げ防止のために止めを刺しに

いくけど、その間はやみはコーティング出来てねぇ

欠片をコーティングしといてくれ」


はやみ「うん、気を付けてね!」


刻蝋値「あたぼうよ!」


俺は再びラー軍将校達の元へと向かった。


~ブラックホール陸地表面・裏側~


アルバ「くっ、思った以上に厄介な奴が居たもの

だ。幾つか資源をスられてる……」


刻蝋値に採取した霊的物質をスられた事に

イラついているらしい。


レムス「ええ、あれは間違いなくアポフィス派の

手の者です。服装こそ見習いでしたけど、確実に

少尉以上の者でしょう」


アルバ「甘いな。実力で言えば俺と同じ大尉……

いや、それ以上と見て良いだろう。魔法使いの

小娘も大概だ。身体能力は見習い相応だが、

ロムルスをバリアの上から一撃で戦闘不能

……冗談キツいぜ」


レムス「魔法系の私もかなり堪えました。

機動力と格闘力の刻蝋値に魔導砲撃のはやみ

……2神が本気で連携されたら、非常に厄介

です」


アルバ「……今回ばかりはやむおえん。お前の

進言通り、ライト、ヴァルカンを回収後に

撤退だ」


レムス「厄介者の情報だけでも……っ来ます!!」


アルバ「チッ! お前は負傷者を運ぶ準備だ!!」


アルバが前に出ると、200万光速で接近する

刻蝋値の姿が見えた。


刻蝋値「食らいやがれっ!!」


アルバ「小賢しいわっ!!」


2神の超パワーファイター同士の殴り合いが

勃発する!


刻蝋値「へへへっ! どうした!!」


アルバ「ぬぅ……!!(腕の数だけ手数が不利か!)」


レムス「調子に乗るなよ……お前なんざ、

こうしてくれる!!」


魔法を放つ0.0000002秒前には、刻蝋値は

別の場所へ移動が済んでいた。アルバと殴り

合いながらも、周囲の状況を確認出来ている

証拠だ。


アルバ「逃さんぞ! 即身の功!!」


丹田に気合いを集中させ、その気を全身の

筋肉へと巡らせることで、筋肉が収縮し

始めてから、最大の筋力を発揮するまでの

時間を10分の1に短縮した。


刻蝋値「おおっ! 歯ごたえあるぜっ!!」


先ほどまでかなり攻められていたアルバが、

ひとかすりもしないとは言え、時々カウンターを

出せるようになったため、少し互角へと近づいた。


レムス「クッ……速すぎて、魔法が定まらない

……それに」


刻蝋値が少しずつ近づいているのだ。しかし、

先ほどからレムスを仕留めるべく、アルバを

掻い潜ろうと移動を試みているが、アルバも

巨体を超加速可能な筋力の持ち主であるため、

じわりじわりとしか近づけてない。


アルバ「足りぬか……ならば、瞬身の功!!」


丹田に気合いを集中させ、今度は高速行動中に

発揮できる筋力を上げた。筋肉は、収縮する

速度が速いほど、発揮できる力が小さくなる

性質がある。言うなれば、短距離走で速い状態に

なると、それ以上加速出来なるなるということ

である。


当然高速運動下で大きな筋力を発揮できる者程

突きの速度が速く……


刻蝋値「おおっ……カスった」


レムス「なっ……(カスっただけでこの衝撃!)」


速度に応じて威力も上がる。そして走る速度も……


アルバ「その程度か?」


刻蝋値(ウゲッ! 全然少尉に近づけねぇ!!)


速くなる!!


刻蝋値「ML・ラッシュ!!オラオラオラァ

…オオッ!!?」


遂には全ての突きを受け流され、2発ほど

カウンターが入った。


アルバ「レムス、畳み掛けるぞ!」


レムス「ストレイマー!」


刻蝋値に時間感覚が伸びる魔法をかけた。


刻蝋値「ウガガガガガッ!!」


刻蝋値視点だと、アルバの動きが10倍速に

なったように見えるため、流石に連撃の餌食と

なってしまった。


アルバ「でかした! 貴様の命運尽きたりィ!!」


刻蝋値(仕方ねぇ。アドレナリン解放!!) 


刻蝋値は脳内麻薬・アドレナリンを過剰分泌

させ、伸びた時間感覚の修復、そして、筋出力

up、筋力の立ち上がり速度の上昇、より高速で

発揮できる筋力up、反応速度up……つまり、

パワー&スピード超upを行ったのだ。


刻蝋値「よっと(分泌しすぎで遅く見えちまうな……)」


300万光速に達するアルバの拳を体捌き

だけで回避し始めた。


アルバ「……!?(手を抜かない俺の拳を体捌き

だけで避け始めた……あり得ん!!?)」


これにはアルバも大きく驚いた。


レムス「もう一……2神の姿を……多量の残像

でしか……確認できない…………」


レムスに至っては、最早動きを追いすら出来て

おらず、魔法なんて当たりっこがなくなって

いる。


刻蝋値「フンッ!」


アルバ「ゴアっ!!」


遂に310万光速の拳がアルバの鳩尾へと

めり込んだ。


レムス「今d…!?!?」


刻蝋値「チェック……」


300万光速のデコピンでレムスを気絶させた……


アルバ「怪滅拳!!」


フルパワー、350万光速の拳も体捌きと

右上腕の"親指"による受け流しによって

軽く避けられ……


刻蝋値「メイトオォオッッ!!」


身体の芯まで突いた瞬間、すぐに腕を引く

左下腕の突きにより、数mだけ浮いてから

気絶した。


刻蝋値「……肉体派が相手なら、大尉までは

本気を出さなくてもいけるらしいな……。さて、

それなりに迅速な行動をしよう」


~ブラックホール陸地表面・表側~


はやみ「……うん、こんなもんでしょ!」


刻蝋値「お待たせ!」


はやみ「あ、今コーティング終わっ

……本当に全員縛り上げてるし…………」


刻蝋値「あと一歩、本気を出すまでも無かった

ぜ。けど、少し急ぎ目に戻らねぇとダメだ」


はやみ「え? そうなの??」


刻蝋値「コイツらの神数確認しな?」


はやみ「18……あっ、プルートさん!」


刻蝋値「危ねぇから直ぐに行くぜ!!」


コーティングされた霊的物質を一瞬で道具袋に

しまい、団子になったラー派軍団とはやみを

両脇に抱え、ひとっ跳びでブラックホールの

脱出速度を獲得した。


~宇宙・中間質量ブラックホール事象の地平面付近~


ヴァルカン「今だっ! ックソ! ちょこまか

ちょこまかと……」


プルート「えへへ、移動速度は10光速が

限界だけど、瞬間移動の技量だけは負けないよ?

捕まえられるもんなら捕まえてごらん」


ヴァルカン「攻撃性能は皆無だ! お前達でも

捕まえれるぞ! そして、ライトを一撃で屠った

男が出てくる前にケリをつけろ!!」


部下の見習い~隊長格の見張り役だった者達を

向かわせるが、連続の瞬間移動に翻弄されて

おり、まるで捕まえられる気配がない。


プルート(……とはいえ、僕だと見習いの

兵士さんとの1対1で勝てるか怪しいん

だよね~……刻蝋値君、助けて~~~~!!)


刻蝋値「いたーーーー!! プルート

さーーーん!!」


第15話に続く。

ブクマ、評価や感想などを頂けると、モチベーションが

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